37 民間信仰石塔(八成) 【信仰】(井草2丁目24番地6号)

 

ページ番号1090571  更新日 令和6年1月6日 印刷 

ここに建立されている石塔は、寛保元年(1141年)銘の庚申塔と寛政五年(1793年)銘の念仏供養塔です。
庚申信仰は「長生きするためには庚申の夜は身を慎しみ、諸善を行い、徹夜をすべきである」という中国の道教説から始まったようです。それが日本に伝わってからは、中世以降仏教や神道の信仰と習合して庶民の間にひろまりました。江戸時代には本尊を青面金剛とし、不見、不聞、不言の三猿・二鶏等が彫られるようになり、ここに見られるような庚申塔の建立が盛んになりました。
念仏信仰は「南無阿弥陀仏」と唱え、阿弥陀仏を信じれば浄土に導かれるという信仰で、念仏供養塔も各所に多く建立されています。
この石塔が建立されている場所は、かつての所沢道と府内十七番札所長命寺(現練馬区)への巡礼道の交差路で、往来の人も多く、近くには茶屋もありました。石塔には側面に「右新高野への道」「これより左中野のみち」等彫られており、石塔は道標でもありました。
これらの石塔は、この辺りが武州多摩郡下井草村字八成といわれた頃、地域の人々によって悪疫退散・村内安全等を祈願して建立したものといわれてます。
なお、右の石塔のほかに「弘法大師」の名号と、両面に「道しるべ」を刻んだ石塔等ありますが、これらは周辺の道路整備等により当所に移されたものです。
私たちもこのような文化財を一層大切に守りつづけたいものです。

昭和56年2月

 

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