69 吉祥院 【寺院】(高井戸西1丁目5番44号)
当院は象頭山遍照寺と号する天台宗の寺院で本尊は木造不動明王坐像です。開山は上高井戸村の行者・並木卓善で、中興の2世榎本晃恭によって明治16年(1883年)に当地に移転しました。
並木卓善は不動明王を信仰し、明治8年(1875年)に新省講を結成、さらに講中の寺院を創設しようと図りましたが、当時は寺院の新設が禁止されていたため、谷中(台東区)の吉祥院(江戸初期に霊岸島に開創され、のち谷中に移転。寛政年間に松平定信(楽翁公)の崇信を受け、寺俸200石の大寺席となったと伝わる)の住職に2世榎本晃恭が就任し、檀信徒協議の上、許可を得て明治16年に当地に移転しました。当院は、新省講の祈願寺として信徒の信仰を集めました。
現在の本堂は、江戸時代に東叡山(上野寛永寺)より拝領した慈眼堂を、明治16年に谷中より移築したものです。また、境内の築山は、五大明王、三十六童子、八大童子、身代わり不動、大日如来、くりから不動等を配置したものです。
なお、当院は信徒から寄進された多くの記念石碑のほか、江戸時代につくられた大日如来像、阿弥陀如来像、地蔵菩薩像などの仏像も所蔵しています。
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