141 田中稲荷と堀之内新道 【神社】(高円寺南1丁目30番)

 

ページ番号1007923  更新日 令和6年9月12日 印刷 

田中稲荷神社は、「保食神(うけもちのかみ)」を祭神とした旧高円寺村の農家の守り神で、高円寺天祖神社(高円寺南一丁目16番)の境外末社です。創建等の由緒については不詳ですが、桃園川ぞいに広がっていた水田の中にあったことから、田中稲荷の名で呼ばれるようになったといわれています。
以前は、毎年2月最初の午の日(初午)に村の家々で赤飯を炊いておむすびを作り、神前に供えて豊作を祈願したとのことです。現在でも、1月遅れの3月の初午の日に、近くの商店や町会の人々によって続けられています。
当社の前の道は、「堀之内新道」です。この道は、日蓮宗の熱心な信者で妙法寺の檀家(だんか)総代をしていた中野の関口兵蔵が、明治29年(1896年)から明治36年(1903年)にかけて私財を投じ、作ったものです。中野駅から田中稲荷神社の前を通り、現在の蚕糸の森公園の西側を経て堀之内妙法寺の門前までの農道を整備して、道幅4間(7.2メートル)距離約2キロメートルの新道を作りました。この道は大正末年頃まで、馬の飼料を陸軍省に納入していた「かいば屋」の関口兵蔵が開いた道であったため、通称「かいばや道」つまって「かいば道」といわれました。新道は、参詣人や地元の人々にたいへん喜ばれ、昭和3年(1928年)に功績を讃えて地元有志により、「故関口兵蔵翁開道記念碑」が建てられました。

 

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