馬橋稲荷神社 【神社】(阿佐谷南2丁目4番4号)

 

ページ番号1007850  更新日 令和6年12月9日 印刷 

当社は旧馬橋村の鎮守で、祭神は宇迦之御魂神(うがのみたまのかみ)と大麻等能豆神(おおまとのづのかみ)です。「新編武蔵風土記稿」には、小名(こな)「西ノ久保」にある村の鎮守で、鎮座年代の詳細は明らかではない旨の記述があります。天保2年(1831年)、馬橋村全家長53人が拠金して、京都白川神祇伯家御役所(神社を司る宮中の役所)に上申し、翌年宣下を受け、御神体及び「正一位足穂(たるほ)稲荷大明神」の御神号を正式に賜り、これを祝い本殿と鳥居を建立しました。明治40年(1907年)、村内の御嶽神社、白山神社、天神社、水神社を相殿として合祀しました。
当社の創建年代の詳細は不明ですが、古老によれば、鎌倉時代の建治年間創建といわれています。寛永16年(1639年)、中川八郎右エ門が幕府の命を受けて検地を行った際、境内地を除地(免税)されたとも伝わり、このことから、江戸時代初期より当地に祀(まつ)られていたことがわかります。
昭和13年(1938年)、茅葺の拝殿を、総桧入母屋流造りの現在の社殿に改修しており、昭和40年(1965年)10月、住居表示の改正に伴い、馬橋の地名が消失したことを惜しんで神社名を「馬橋稲荷神社」と改称しました。
参道の朱塗りの随神門(ずいしんもん)は、昭和50年(1975年)に鎮座七百年記念事業として建立されたもので、左右の随神像に磐間戸神(いわまどのかみ)を祀り、中央天井に都内最大といわれる開運の大鈴(直径75センチメートル)が吊るされています。令和5年(2023年)宮神輿宮入百年の記念事業に際し、神輿通過可能な神門に拡幅改修されました。
当社の神輿は、大正11年(1922年)の平和記念東京博覧会に出品されたもので、台幅1メートル、高さ2.5メートル、重さ1.5トンの総欅造りの大神輿です。大正10年(1921年)に、尺寸法からメートル法に変わり製作された大変珍しい神輿で、関東大震災3日前にこの馬橋の里に宮入りし、震災の焼失を免れました。また、令和御大典記念に建立された町内神輿展示庫には昭和30年代に製作された馬橋各町内の神輿も見ることができます。
正面一ノ鳥居は平成御大典記念に建立された朱塗り稲荷鳥居で樹齢400年のヒバ材を用いた都内では数少ない木製の大鳥居です。二ノ鳥居(龍の鳥居)は、昭和7年(1932年)に杉並村が大東京市に編入されたことを記念して奉納されました。御影石から昇龍・降龍の姿が彫り出された大変珍しい鳥居で、東京三鳥居の一つといわれております。
このほか境内には、江戸末期から大正期に盛んに行われた力くらべに使用された「力石」や、絵馬・奉納額などが多数保存されています。

 

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