95 享保七年銘道標付庚申塔 【信仰】(久我山5丁目9番)

 

ページ番号1007918  更新日 平成28年1月18日 印刷 

この庚申塔は、道標付庚申塔として、区内で最も古く、享保7年(1722)に造立されたものです。
庚申信仰は、「長生きするためには庚申の夜は身を慎しみ、諸善を行い、徹夜をすべきである」という中国の道教説から始まったようです。それが日本に伝わってからは、中世以降仏教や神道の信仰と習合して庶民の間にひろまりました。
江戸時代には、ここに見られるような青面金剛を本尊として邪鬼を踏まえ、不見、不聞、不言の三猿、二鶏等が彫られるようになり、石塔を造立し、悪疫退散、村内安全等の祈願を行うことが盛んになりました。
この庚申塔は、道標として側面に、「これよりみぎいのかしらミち」・「これよりひだりふちうミち」と刻まれ、かつては、井の頭弁財天信仰者の道しるべとなっていたように思われます。
また、この庚申塔は、当初からこの分岐に造立され、願主名も列記されており、近世における久我山の歴史や交通路を知るうえで、一つの重要な資料といえます。
以上のことから、この庚申塔は、杉並区有形文化財として登録されました。
今後とも、私たちもこのような文化財を、一層大切に守りつづけたいものです。

昭和61年1月

 

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