11 済美台遺跡 【遺跡】(堀ノ内1丁目16番38号)

 

ページ番号1007991  更新日 平成28年1月18日 印刷 

画像:昭和15年の地形図に現在の遺跡地図を重ねたもの。
上図は昭和15年の地形図に現在の遺跡地図を重ねたものです。
地形や橋など、この付近には当時の面影が残っています。

済美台遺跡は、大宮1丁目・堀ノ内1丁目の北部に広がる遺跡で、旧石器時代の終わり頃(15,000年前頃~23,000年前頃)、縄文時代前期から後期(6,000年前頃~4,200年前頃)、弥生時代後期(1,800年前頃)、古墳時代後期(1,400年前頃)、中世、近世といったさまざまな時代の資料が発掘されています。発掘調査で発見された主要な資料として、弥生時代の環壕集落があります。環壕集落は、周囲を深い壕で取り囲んだ集落で、弥生時代に特徴的に現れます。この壕は集落境や防衛などの目的で造られたと考えられ、区内では、本遺跡の他、方南町の方南峰遺跡、浜田山の鎌倉橋上遺跡で発見されています。
また、古墳時代の資料として、多量の滑石製の石製品が出土しています。臼玉と呼ばれる穴が開いた玉や、剣や鏡をミニチュア化して模造したとされるものがあり、祭祀に用いられた道具と考えられています。
本遺跡ではこのような資料が発見されていますが、旧石器時代から近世に至る各時代で生活の舞台とされたことも大きな特徴といえます。本遺跡付近では善福寺川が大きく蛇行することによって、台地が舌状に張り出した形になっており、西・北・東の三方を川に囲まれた地形となっています。また、川が流れる低地部分は比較的広い湿地となっていたものと考えられます。このような地形は、獲物や食糧・水などを得る、集落を造って暮らす、田畑を耕作するといった、各時代のライフスタイルのどの場面にあっても最適な環境を提供していたものと考えられます。

平成24年11月

 

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