104 民間信仰石塔(成田東三丁目) 【信仰】(成田東3丁目15番)
ここに建立されている石塔は、向って右から元禄11年(1698年)11月21日銘の地蔵菩薩立像、宝暦10年(1760年)10月吉日銘の馬頭観音菩薩立像、宝暦3年(1753年)10月吉日銘の地蔵菩薩立像です。
地蔵菩薩の信仰は、仏教の民衆化とともに宗派を超えてひろまりました。地蔵菩薩は、冥界(めいかい)と現実界の境に立って人々を守護するということから、村の安全を守護する菩薩とされ、村境の路傍又は辻に多く建立されました。
馬頭観音は、頭に頂く宝馬が四方の四魔(しま)(陰魔(おんま)・煩悩魔(ぼんのうま)・死魔(しま)・天魔(てんま))を威伏(いふく)する(服従させる)ことを表わしていますが、そのために馬の守護神と考えられ、馬捨場などにも建立されました。
石塔には、「念仏供養」「念仏講中」「念仏講中拾六人」等と記され、ここ武州多摩郡成宗村白幡の人々が講を組織し、建立したものであることがわかります。これらの石塔は、杉並区有形文化財に登録されています。
石塔向かって右側の道路は、五日市街道の旧道で通称「白幡の坂」、左側の道路は「馬橋みち」といわれた古い道で、共に急坂な難所の一つでした。
これらの石塔を建立した白幡念仏講中も、昭和15年(1940年)頃までは、毎月この場に集い、念仏供養を行っていました。現在では毎月地域住民による清掃管理が行われており、毎年10月15日には地域の人々が前掛けの掛け替えをしてから念仏を唱え、お参りを行っています。
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