144 栖岸院 【寺院】(永福1丁目6番12号)

 

ページ番号1007882  更新日 平成30年9月11日 印刷 

当寺は村高山と号する浄土宗の寺院で、本寺は京都の知恩院です。寺伝によれば当寺はもと三河国村高庄(現愛知県安城市)にあった長福寺という浄土真宗の寺で、天正19年(1591年)麹町八丁目に寺地を拝領して江戸に移りました。元和7年(1621年)老中安藤重信が葬られ、以来同家の菩提寺となり、寛永16年(1639年)には重信の子重長が中興開基となって、父を開基、妙誉秀慧を開山に招へい、浄土宗の寺として改めて開創されたといわれています。現寺名の「栖岸院」(重信の法名に由来)も、この時から用いられたと考えられます。
江戸時代の当寺は、住職が将軍に単独で拝謁できる“独礼の寺格”を許され、安藤家・高木家(丹南藩主)をはじめ多くの旗本諸家の香華寺として市中に知られていました。
当時の寺の様子を『江戸名所図会』(天保初年刊)は「当寺に頼朝の念持仏と称する聖観音の霊像を安置す(龕前に安置する所の観音の像は楠正成尊信の霊像なりといふ。)七月十日は千日参と唱へて参詣頗る多し」と記しています。
明治維新後は武家の凋落、市街の変化などの影響を受けざるをえず、寺院の発展を図る為、大正9年現在地に移転しました。
観音堂に安置する聖観世音菩薩は、「火伏観音」と呼ばれる鎌倉時代後期の作の端正な仏像で、区の指定文化財となっています。

平成7年3月

 

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