148 民間信仰石塔(天沼一丁目) 【信仰】(天沼1丁目5番1号)

 

ページ番号1007853  更新日 平成28年1月18日 印刷 

ここに建立されている石塔は、向って右から元禄11年(1698)銘駒型庚申塔、宝永2年(1705)銘舟型地蔵塔、享保12年(1727)銘角柱型庚申塔で、天沼村の旧道と思われる道に面して建てられています。いずれも天沼村の講中によって造立されたもので当時の講員の名も刻まれていますが、駒型庚申塔と地蔵塔は台石部の人名を判読することが困難になっています。
庚申信仰は、長寿のためには庚申の夜は身を慎しんで徹夜をすべきである、という道教説に始まるといわれ、中世以降には庶民の間に広まりました。江戸時代には各地で講が結成され、庚申塔を造立するようになりました。庚申塔は青面金剛を本尊とし、三猿を配するのが一般的ですが、角柱型庚申塔は、元は笠付文字塔であったものが軸部のみ残されたものと思われます。
地蔵菩薩は、人間の苦を除き楽を与え六道衆生を救済する仏として信仰を集めました。また、冥界と現実界の境に立って人々を守護するということから、村の安全を守護する菩薩とされ、村の路傍または辻に多く建立されています。
これらの石塔は、杉並区内では比較的古いもので、江戸時代中期の典型的型式のものです。また、天沼村の民間信仰を知ることができることから杉並区登録有形民俗文化財となっています。

平成13年3月

 

このページに関するお問い合わせ

教育委員会事務局生涯学習推進課文化財係
〒166-8570 東京都杉並区阿佐谷南1丁目15番1号
電話:03-3312-2111(代表) ファクス:03-5307-0693