126 民間信仰石造物(久我山四丁目) 【信仰】(久我山4丁目50番6号)
この小堂内には、石造物計10基が安置されています。これらは銘文などから、もとは旧久我山村の各所にあったことがおおよそ確認できます。
入口近くには、左右に3基ずつ享保8年(1723年)銘の六地蔵菩薩立像があり、正面には、向かって左から寛文5年(1665年)銘の庚申塔、宝永5年(1708年)銘の念仏供養塔、享保4年(1719年)銘の地蔵菩薩立像、寛文10年(1670年)銘の日待塔があります。
寛文5年銘の庚申塔には、青面金剛神(しょうめんこんごうしん)ではなく地蔵菩薩立像が刻まれていることから、比較的古い型の供養塔といえます。
宝永5年銘の念仏供養塔にも、同じく地蔵菩薩立像がみられます。
享保4年銘の像には、茶・燈明料として土地を永代寄進したことが刻まれており、当時の信仰の形態がうかがわれます。
寛文10年銘の日待塔には、聖観音菩薩が刻まれています。日待塔は、全国的にみても比較的少ない供養塔です。
永5年銘の念仏供養塔と享保8年銘の六地蔵菩薩立像には、光明寺の住職と村人との騒動に関する供養塔であるとの言い伝えがありますが、定かではありません。光明寺は、共有墓地の南側にありましたが、明治初年の廃仏毀釈(はいぶつきしゃく)で廃寺となりました。
これらの石造物は、いずれも江戸時代中期の標準的な作風を残し、また当時の久我山地域の信仰形態や風俗を示すものとして、杉並区登録有形文化財となっています。
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