87 慶安寺 【寺院】(梅里1丁目4番24号)

 

ページ番号1007872  更新日 平成28年1月18日 印刷 

当寺は、月高山と号する曹洞宗の寺院で、本尊は昭和41年に開眼した転法輪の釈迦如来です。
『御府内備考続編』によれば、寛永4年(1627)江戸下谷池ノ端七軒町(現台東区池ノ端)に高山全得(本寺・白泉寺五世)を開山とし、然通堯廓を開基として開創されました。
当寺には、大名旗本が多く帰依し、殊に江戸初期の老中阿部豊後守忠秋は、当初の本尊虚空蔵菩薩や秋葉権現を寄進するなど、信仰が厚く、その後も阿部家による信心は明治維新まで続いたといわれています。
その後秋葉権現は、霊験あらたかなことから、人々は当寺を秋葉寺と呼び、参詣人が多いことから秋葉横丁ともいわれました。また、上野山の紅葉が不忍池に映える絶景な場所にあったことから紅葉寺とも称されました。
しかし、池ノ端の地は湿気が多く、伽藍の腐食も激しく、また墓地にも適さなかったことから、大正2年現在地に移転してきました。
昭和20年5月25日、戦火を蒙り、伽藍は全焼し、古記録・什宝も烏有に帰しましたが、昭和41年に近代的な伽藍が復興されました。
墓地には、杉田玄白と共に『解体新書』を訳した江戸の蘭学者・前野良沢の墓があります。
なお、かつては良沢の遺品なども伝わっていましたが、戦災により残念ながら焼失してしまいました。
その他に文化財としては、寛保2年(1742)銘地蔵石像などがあります。

昭和61年1月

 

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