ダブルケアの現状と課題について(令和3年6月15日)

 

ページ番号1066303  更新日 令和3年6月15日 印刷 

女性の写真
NPO法人こだまの集い代表理事の室津瞳さん。

皆さん、こんにちは。子育てで忙しいママさん方が、親の介護にも同時期に直面している問題について、今回取り上げました。子育てと親の介護を同時に抱えている状態をダブルケアと言います。私も両親が80代で、地方に住んでおり、今後の介護が気掛かりになっています。そんな折に、オンライン形式でのダブルケア勉強会が開催される情報を知り、参加してみました。その勉強会で、オブザーバー役として参加されていました、杉並区のNPO法人こだまの集い代表理事の室津瞳さんから、ご自身が直面されたダブルケアでの体験談をうかがう事が出来ました。また、室津さんが看護師と介護福祉士、両方の資格をお持ちであるという点に深く感銘しまして、ダブルケアの現状と課題について、インタビューさせていただきましたので、ご報告します。

大きな2つの課題(産前産後のサポート、遠距離介護)

平成28年4月に内閣府男女共同参画局から出された「育児と介護のダブルケアの実態に関する調査」では、ダブルケアを行う人全体の約8割が30歳~40歳代である、との統計結果が出ています。
実際にダブルケアを経験されている方は、どのような悩みを持っているのでしょうか。

室津さんのお話では、【1】産前産後のサポートと、【2】遠距離介護、この2つが大きな課題となっているそうです。

【1】産前産後のサポートについて

現在、30代や40代の働き世代は出産年齢が上がっている傾向にあり、親世代も高齢化が進んでいます。このため、女性が妊娠期に実家で身体を休めて、親のサポートを受けながら出産に備えるという事が、高齢の親の介護対応で出来なくなっている、安心して出産出来ない、といったケースが増えているそうです。このような事態を避けるためにも、何かあれば遠慮せずに、悩みを相談していけるよう、地域の助産師さんや保健師さんとの繋がりを作っておく事が大切になります。
また、今後は更に、男性の働き方が非常に大切になってきます。育児も介護も同様ですが、ダブルケアも女性だけの課題ではなく、家族全体の課題になりますので、男性が会社の産休・育休制度を活用しながら、経験の浅い子育て、または介護を家族で分担していく必要があります。多くの企業で、育児や介護に関する支援制度が導入されています。職場の理解も必要になりますが、上手に制度を活用して、パートナーや周囲のサポートを得られる環境を作っていく必要があるかと思います。室津さんのお話では、男性側にも育児と介護、仕事の両立において困難さを感じ、心理的な負担が増して鬱に近い状態になってしまうケースもある事を伺いました。

【2】遠距離介護について

最近では親の高齢化に伴う認知症が増えている傾向にありますが、親が地方に住んでいて遠距離介護となる方が多くなっています。親を自宅に呼び寄せて介護したい、という考えもありますが、親の人間関係が出来上がっている地元の環境から離してしまうと、親の認知症が悪化してしまう、というケースも出てきているそうです。
親の地元に居を移して、テレワークをしながら育児や介護を、という考えもありますが、実際にやってみると、パソコンの前で業務に縛られてしまい、なかなか即時の対応が出来ない、といった話を聞いたりします。

子育て世代の日常生活に、大きな影響を与えてしまうダブルケア、この問題にどう対処していけば良いのか、その辺りも室津さんにいろいろと教えていただきました。

どうしたら良いのか

ダブルケアに直面された方は、育児と介護を同時に対応しなければ、と考えてしまいがちですが、このような場合、どうしたら良いのでしょうか?
室津さんが力説されていたのは、「まずは、信頼関係が出来ている親の介護を、ケア24やケアマネージャーと連携しながら、プロの方にお任せした上で、これから子どもとの信頼関係を構築していかなければならない「育児」に集中しましょう。」という点でした。
育児がおざなりになってしまう事や、介護に疲れた親の様子を見る事が、子どもの心理面に影響を与えてしまう点を、室津さんは大変心配されていました。
皆さん、ケア24という施設をご存知でしょうか? 私も最近まで知らなかったのですが、ケア24は杉並区での地域包括支援センターの呼称であり、高齢者の方が、身の周りのことで不自由を感じた時や、家族の介護のことで困った時に相談できる身近な窓口です。日頃、妊婦の方や乳幼児ママさんには、あまり馴染みの無い施設ではないかと思います。
厚生労働省では、平成29年にダブルケアの受付窓口として、地域包括支援センターを指定しています。地域包括支援センターに限らず、地域の保健センターもダブルケアのお悩み相談を受け付けているので、まずは窓口へ相談してみましょう。
また、遠距離介護の場合は、親が住んでいる地域を管轄している地域包括支援センターやケアマネージャーに相談して、そちらで親の介護を対応してもらう、という方法が良いとの事です。自分が介護疲れにならない為にも、その道のプロにお願いできる部分は、お任せする事も大事な選択肢かと思います。
室津さんのお話を聞きながら、ダブルケアにこれから直面しようとしている方(私もそうですが)には、ぜひこういった考えを参考に、一人で悩まず、地域の関連施設や地域団体に相談し、助言をもらいながら対処していただきたいと思いました。

杉並区の取り組みについて

杉並区は厚生労働省と連携して、複合的課題の解決促進を目指して取り組んでおり、全国的に見ても先駆的な活動を進めているそうです。
在宅医療・生活支援センターが作成した資料がありますので紹介します。ダブルケアのサポート事例のほか、高齢者や子育て等に関する区内の主な相談機関が載っています。

インタビューを終えて

生活様式が多様化してきている社会において、今までの枠組みでは対処しきれない課題に対して、どのように対処していくのか。避けては通れない問題ですが、ダブルケアのような複合的な課題に対しては、行政関係者のほかにも、地域で活動されている専門スキルを持たれた団体や、ダブルケアを経験された事のある一般住民の皆さんのサポートが、今後大変重要になってくるのではないかと感じました。今後も、ダブルケアに関する情報を収集して、また記事に上げていきたいです。

こだまの集いワークショップ
こだまの集い様で実施されているダブルケアのワークショップの様子

今回、記事作成にご協力いただきました、NPO法人こだまの集い様は、ダブルケアに関するセミナーやワークショップを、定期的に開催されていますので、ご興味のある方は以下URLから情報確認の上、ぜひご参加してみて下さい。

すぎラボライター とーちゃん

PDFファイルをご覧いただく場合には、Adobe Readerが必要です。お持ちでない方は、アドビシステムズ社のサイト(新しいウィンドウで開きます)からダウンロード(無料)してください。

 

このページに関するお問い合わせ

子ども家庭部管理課庶務係
〒166-8570 東京都杉並区阿佐谷南1丁目15番1号
電話:03-3312-2111(代表) ファクス:03-5307-0686