チーム育児の第一歩を聞いてみました(令和5年10月1日)

 

ページ番号1089944  更新日 令和5年10月1日 印刷 

「すぎラボ」は、杉並区で子育て中のママライター、パパライターによるコンテンツです。

子どもはかわいいけど子育てがワンオペで大変、もっと周囲の協力が得られればいいなと思っている方は多いのではないでしょうか?そんな方たち、今回は特にママの視点に立った側からの対策法をセラピストの方に伺いました。
今回お話を伺うのは杉並区阿佐ヶ谷の女性や子どもを主な対象にしたメンタルクリニック「こころとからだ光の花クリニック」所属セラピスト伊藤有香子さんです。

写真1:「こころとからだ光の花クリニック」所属セラピスト伊藤有香子さん

チーム育児

最近言われ始めてきた「チーム育児」という言葉は、ひとりで育児を抱え込まず、夫婦(または保護者)の協働を中心に、子育て支援サービスやツール、周囲の人を頼りながら、楽しみを感じつつ行う育児のことを言います。

子育てで周囲の協力体制を作るには?

男性の育休制度が導入されたり、保育園の見送りでもパパをよく見かけるようになったりとパパが積極的に育児に関わってきているようにみえます。ただし、「子育てに理解がない」と悩むママの声も耳にしますのでよい対処法はないものか伺ってみました。

セラピストからのアドバイス

家事に育児に仕事とママはとっても大変です。一方、パパも大変な思いをしていて言い分もあるということも想像しておきます。パパがママの大変な毎日を詳細に想像できないように、ママもパパの毎日を詳細に想像できないし、その想像が事実かどうかもわからないからです。

自身の大変な状況を理解してほしいなら相手が理解できるように説明できているかどうかを考えてみましょう。意外と相手のことを理解できていないケースも多かったりします。

「父親とは普通はこうだ」「常識的にはこうだ」というママのイメージはパパのイメージとは違うことを理解しておくのがまず第一です。育った環境も性格も違う他人同士ですから、違いを受け入れられずイライラしてしまうのはもったいないことです。

もっと協力してほしい、理解してほしいと伝える時に、感情を爆発させて泣きながらまくしたてるのは実は逆効果です。「面倒だからとりあえず謝って言うとおりにしてこの場を収めよう」というマインドになり、ママが目指している「理解」に到達できないのです。

具体的には?

自身で我慢を重ね、結果、爆発してしまう前に、その都度小出しにわかりやすく気持ちを伝えていくといいです。男性には感情に訴えるよりも理路整然と説明したほうが伝わります。曜日や時間を決めて都度伝えるという方法も有効です。

女性は察してほしいという気持ちが強いと思いますが
「土曜は自由な時間がほしいな。なにか方法ないかしら?」
「離乳食を作るのが面倒なの。いいアイデアないかしら?」
「掃除するまとまった時間が取れなくて。どういう方法があるかしら?」
など自身の希望を押し付けるのではなく、状況を説明しながら相手の意見を聞いていきます。

自分や相手にとって得意な事、不得意な事、対応できる時間などしっかり話し合うといいと思います。「できない」と言われるかもしれませんが、大切な本心を落ち着いて伝えていくことが重要です。その気持ちを伝えずに「仕方ない」と諦めていると、「自分だけが家事・育児を引き受けている」とつらく悶々とする日々の繰り返しになってしまいます。

違う意見がでてきたら?

話し合うなかでお互いの意見が違う場合も当然あります。どうしても譲れない部分があるのなら「お願い」をするという方法もあります。そして「この部分はどうしてもやってほしい」とお願いして、受け入れてもらえたのなら「ありがとう、嬉しい」と必ず言葉に出して感謝を伝えてください。ママにこの癖がついたら最強です。パパも喜んで理解し合えることが増えていくでしょう。

「ありがとうと言ってほしい」「放っておかれているようで寂しい」といった言葉を日常会話に散りばめて、パパに対しても同じくらい感謝の気持ちを伝えていきましょう。

また、「どうして自分だけが変わらなくちゃいけないのだろうか?」という気持ちがわいてくることもあるかもしれません。ただし、他人を変えることは何倍ものエネルギーが必要なのです。人間は自分が本気で困らない限り変わることを選びません。

不満を抱えながらイライラしたり、悲しくなったりするよりも、まずはパパが喜んで協力してくれるママになったほうがハッピーな家族になれる最善、最短の道かもしれません。

これで全てうまくいくというわけではないと思いますが、「細分化して事実と思いを伝えていく」やり方を一つの対処法として今回はおすすめしました。少しでもどなたかのお役に立てれば嬉しいです。

写真2:「こころとからだ光の花クリニック」所属セラピスト伊藤有香子さん

取材後記

私も娘が生後間もない頃は自分の自由な時間がなく、子育てで「なんで私だけ?私だってたまには羽をのばしたい」とイライラしたこともありました。我慢してパートナーに感情を一気に爆発させてしまうより、小出しに伝えていく感情の分割払いがいいのねと思いました。家庭に限らず仕事でもつかえそうな方法でもっと早く知りたかったです。

取材協力

すぎラボライター さくら

 

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