リトミックってなあに?(令和6年2月15日)
乳幼児期から始められる習い事として、よく耳にするリトミック。筆者は「音楽に合わせて身体を動かすもの」というイメージを持っていましたが、実際はどんな内容なのでしょうか?
すぎラボメンバー内でも、子ども・子育てプラザ等で開催されるリトミックのプログラムは毎回すぐ定員に達してしまうので、参加する機会がなかなか持てないという話が出ました。
そこで今回は、子育て応援券が使用できる親子リトミック教室に1歳になったばかりの娘と一緒に参加してきたのでご紹介します。
親子リトミック教室の参加レポート
親子リトミックに参加する前は、リトミックについてインターネットで検索しても、つまりどんなことをするのか頭の中で疑問が広がるばかりでした。音楽に合わせて身体を動かすのなら、ダンスに近いものだろうか?とも思っていました。そこで本記事では、知識的なことは後回しにして、まずは参加レポートからお伝えしていきます。
子育て応援券が使用できる教室の探し方と予約方法
子育て応援券ガイドブックより、リトミックのサービスを提供している事業者を探して直接問い合わせ・予約をします。以下リンク先から、冊子で配布している子育て応援券ガイドブックのデータPDFも閲覧可能です。
(注)令和5年度版の場合は「令和5年度版ガイドブック42~69ページ(親子地域ふれあいサービス)」の43~46ページからお探しいただけます。
当日の持ち物と服装
教室によるかもしれませんが、参加した教室では参加者の持ち物はありませんでした。なお、当日子どもは裸足で活動することや、親子とも動きやすい服装でくるように連絡を受けました。
プログラムの内容
開催場所は、防音設備の整った音楽室でした。
参加者は、私たちを含む親子3組で、子どもは3歳前後の生徒さん2名と1歳になりたて初参加の我が子。パパと息子、ママと娘など親子の組み合わせはそれぞれです。
約40分間のプログラムは、先生の歌やピアノ演奏に合わせて歌ったり身体を動かしたり、リトミックスカーフ等の小物を使用したり楽器に触れたりと、途切れず流れるように進んで盛りだくさんの内容でした。その日のプログラムの一部を以下のとおりご紹介します。
- 先生が人形を使いながら始まりのご挨拶
- ピアノ演奏に合わせて親子で手を繋いで歩き、演奏が止まったら動きを止める
- ふれあい遊び(ビートやテンポ、強弱、音の高低などを聴き分けながら)
- 絵本の読み聞かせ
- リトミックスカーフを絵本に出てきた食べ物に見立てて遊ぶ
- ピアノ演奏に合わせて、絵本に出てきた動物の動きを真似て身体を動かす
- ゴムボールをポンポン叩いたり、先生と転がし合う
- ドレミの音が鳴るベルを触って音階を体験する
- 歌に合わせてお互いの名前を呼び合って返事する
上記プログラムには絵本の読み聞かせやふれあい遊びも入っているので、一見すると普段の子どもとの遊びと近しい印象を受けるかもしれません。しかし、参加して感じたのは、それら全てに音楽への導入エッセンスが散りばめられていたことです。終始身体で音楽やリズムを感じながら、親子や他の参加者とのコミュニケーションを楽しむことができました。
リトミックの気になるあれこれQ&A
プログラムへの参加を終えて、リトミックの気になるあれこれを先生に質問してみました。
リトミックとは何ですか?
リトミックは、スイスの作曲家・音楽教育家であったエミール・ジャック・ダルクローズ氏によって創案された音楽教育法のことです。元々は音楽家へ向けた音楽的能力を伸ばすための教育法でしたが、リトミックを通じて注意力、集中力、思考力、社会性、協調性など、子どもたちの可能性を伸ばしていく力があると認められ、音楽の基礎教育だけに留まらず、人間性を高める教育へと発展して世界中に広がっていきました。
リトミックではどんなことをしますか?
プログラムはお子さんの月齢・年齢に合わせて作られます。例えば、歩き始めくらいまでのお子さんを対象にする場合は、まず音楽に親しみ、保護者が楽しんで取り組む姿を見て音楽を好きになってもらうことがスタートです。
「リトミックは音楽に合わせて自由に動くもの」というイメージを持って難しそうだと不安に感じている方も多いですが、指導者がきちんと言葉で案内するので安心して下さい。
プログラムの一例として、ピアノの音楽が鳴っている間は歩く、音楽が止まったら止まるなど、音楽に即時に反応して行う活動があります。まだ歩けないお子さんの場合は、保護者が抱っこして行うことで、音楽が聴こえる・聴こえないを動きと連動させて体験するサポートをします。あとは音楽の速さが変わったら歩く速度を合わせたり、伸びる音の時は身体を伸ばしたり、音楽の中から強弱、速さ、ビート、テンポ、ニュアンスなどを感じとり、指導者の案内を聞きながら動きに表していきます。
リトミックでは、体験(聴く)→識別(聴き分ける)→認識(理解する)→表現(自分でやる)というプロセスがとても大切です。中でも、音楽を「体験すること」が最も重要な入口で、それを自分のものとして理解し、表現できるようにしていきます。
リトミックにどんな効果が期待できますか?
音楽を動きや声と連動させて体験していく過程で、集中力、判断力、表現力、想像力、創造力などが養われていきます。そういった積み重ねが、ゆくゆくさまざまな音楽的感覚を身に着け、豊かに表現することにも繋がっていきます。
リトミックを始めるのに早い・遅いはありますか?
早い・遅いはありません。保護者の方が「この子は音楽が好きそうだな」と思ったら、いつから始めても大丈夫です。楽器だと少し早すぎるという場合もありますが、リトミックに関してはありません。
さいごに
初めて親子リトミック教室に参加してみて意外だったことは、普段の親子のふれあいに取り入れられる要素がたくさんあったことです。絵本に出てくるモノや動物と関連付けた遊びをしたり、音楽を動きで認識できるように歌と動きを連動させたりすることは、今後家庭でも試してみたいと思います。
リトミックは一度の参加でも親子共にたくさんの刺激を受けることができますが、続けていくことで、子どもの音楽的感覚の素地が養われていくのだろうと実感しました。興味を持たれた方は、ぜひ一度体験してみて下さい。
すぎラボライター サニー
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