小学校のはじめの一歩、踏み出す前に…
家庭教育講座とは
令和5年度家庭教育講座は「はじめての小学校!」と題して、杉並区内在住の就学前の子どもの保護者の皆さんを対象に開催しました。そもそも家庭教育講座とは何か?簡単にご説明します。
家庭教育の支援の一環として開催する家庭教育講座は、
(1)保護者のニーズを受け、子育てをはじめとする家庭教育の不安や疑問などをテーマに設定する教育委員会主催の講座
(2)地域団体等の子どもに関わる大人が、日頃、子どもとの関わりの中で気になっていることをテーマに設定する教育委員会共催で自らの学びの場を企画する講座
の2つがあります。
今回は、(1)教育委員会主催の一つとして「はじめての小学校!」をテーマに、参加者同士お互いの声を聴き合ったり、せんぱい保護者の皆さんの話を聴いたりしながら小学校入学を親子で楽しみにできるよう開催した講座の様子をご紹介します。参加された皆さん、小学校のはじめの一歩を踏み出すにあたっての子どもへの関わり方や親としての心の準備などを学びました。
杉並第十小学校前校長で、現在は社会教育センターで社会教育士として活躍している山口京子さんに講師・進行をお願いしました。先生らしく、時間割に見立てて会を進行してくださいました。また、強力なサポートメンバー「せんぱい保護者」として5名の方にご協力いただきました。
山口先生を含むせんぱい保護者6名の優しく穏やかなお人柄が会場を包み込み、笑顔があふれ、和やかな雰囲気で会はスタートしました。
授業はじまり、はじまり
では朝の会から紹介します。
朝の会
今回の講座のねらいや内容について山口先生からご説明いただきました。今日のゴールは、「子どもへのかかわり方のヒント」と、「自分が気になっていることを解決するヒント」が見つかっていることです。次に、せんぱい保護者の自己紹介です。好きなものやお子さんのこと、お子さんが小学校入学時のご自身の状況などをお話くださいました。お子さんの人数、年齢、就学前に通った施設などばらばらですが、共通点は全員杉並区立小学校に通っていたことだそうです。
「みんな違って当然」、言われてみれば当たり前ですが、ついつい同じを求めてしまうことがあります。「みんな違う」ことを理解する朝の会でした。
1時間目
参加者の皆さんにご協力いただいた事前アンケートの結果を共有したり、せんぱい保護者がはじめて小学生の親になったときのことをお話しいただいたりしました。
せんぱい保護者の経験談には、参加した皆さん興味津々。『入学前に気になっていたことは?』という質問に対しては、「人との距離が近いこと。」、「トイレのこと。」、「発達のこと。」など、『気になっていたことについての対処や解決はしたか?』についても、「無理に変えようとしなかった。」や「声かけはしたけど、やるかどうかは本人次第」、「仕事もあったので思うようにいかなかった。」など、そのときのことを包み隠さず答えてくださるので、参加する皆さん共感しながら話を聴いていました。せんぱい保護者の声は説得力が違います!
2時間目
ここからは、グループでお互いのことを話す・聴く時間です。話をしたい・聴きたいテーマを一つ選び、同じテーマの人とグループをつくりました。2時間目は、「お子さんのこと」について話したいこと・聴きたいことでグループをつくります。「学童」、「友達との距離感」、「人間関係」、「学校生活」などテーマが多岐にわたりましたが、そこもせんぱい保護者の声かけサポートもあり、すぐにグループになることができました。
3時間目
3時間目は「自分のこと」について話したいこと・聴きたいことでグループをつくります。「PTAのこと」、「仕事との両立」、「友達とのトラブル対応」、「保護者同士の関係づくり」、「先生との関係」、「子どもとの接し方」など、こちらも多様なテーマが出ましたが、2回目ともなると参加者同士で声を掛け合ったり、呼び込みをしたりする様子が見られました。3時間目も無事にスタート。
2時間目も3時間目もとても盛り上がりました。せんぱい保護者が近くにいれば色々聴いてみたり、いなければ自分たちだけでこれまでの経験や聞いたことなどを共有したりしていました。
帰りの会
帰りの会ではせんぱい保護者の皆さんからメッセージが送られました。
- ためこむことなく、まず相談。いろいろな人の手を借りよう!
- 子どもはもちろん大事。でも、自分のことも大事にしてほしい。
- 子どもに助けられることってたくさんある。楽しむ姿を子どもに見せてほしい。
- 色々な噂や評判って耳に入ってくるもの。そんなとき私は、実際に接して、見て、聞いて、自分で判断することを心がけています。
- 子どもの成長する力を信じてほしい。成長のタイミングは人それぞれ。大変だけど待ってみて!
まとめに 山口先生からのメッセージ
「子どもと言えど、親とは別人格なはずなのに、ついつい『何々しなければいけない。』という親目線の自分の考えを押し付けてしまうことがあります。親だったら『どうにかしたい』という気持ちになるのは当然。でも、子どもが『どうしてほしい』と思っているのかを聴いてみてはどうでしょうか。明確な答えがあるものではないからこそ、すぐに答えを求めたり、誰かのせいにして問題を解決したりするのではなく、どうすべきか、解決の過程を自分で考えることを大切にしてほしいと思います。それは、子どもも大人も同じ。「なぜ?」、「気になる」、「解決しよう」と思ったら、自分からアクションを起こして解決していくことが大切なことだし、楽しいことだと思います。
お子さんが問題を抱えると、親としてはすぐにでも解決したい!という思いに駆られることもあると思いますが、お子さんが自分で解決しようとする力を奪うことなく支えてほしいです。人は、自力で問題を解決することで成長し自立すると思うからです。
ご自身も気になることがあったら、自分からアクションを起こしてみること、一人で難しかったら、相談したい人を見つけて遠慮なく相談してみてほしいです。人の話を聴くことで道が開けることがたくさんあるのではないでしょうか。
おわりに
日々、子どもたちと向き合っていると、どうしても近視眼的に物事を捉えがちです。そんな日常からひととき離れ、自分のこと、そして子どものことを客観的に見つめ、新たな気付きと充電する時間になるような家庭教育講座を目指していきます。
また、教育委員会と共催で行う家庭教育をテーマとした講座を自分たちで開催してみたい場合には、教育委員会が支援しますので、お気軽にご相談ください。
このページに関するお問い合わせ
教育委員会事務局学校支援課家庭・地域教育担当
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