学校支援本部を持続的に運営していくために

 

ページ番号1090814  更新日 令和5年12月20日 印刷 

学校支援本部運営懇談会とは

この学校支援本部運営懇談会は、地域社会が学校を支援する仕組みである「学校支援本部」、地域住民や保護者等が主体となり教育的事業として実施する「放課後子ども教室」や「土曜日学校」(後ほど詳しく説明します)にかかわる区民の方々と職員が懇談することにより、杉並区の教育活動の更なる充実・発展を図ることを目的として開催しています。

懇談会の全体の様子の写真

学校支援本部は、平成18年度に杉並第七小学校、沓掛小学校、永福小学校、井草中学校、和田中学校から設置が始まりましたが、当時は、地域の方が学校を支援するという取り組みは全国的に珍しく、試行錯誤する中で活動が進められていたと聞きます。これまで携わってくださった方々の思いや支援の輪が広がり、平成22年度に区立小・中学校全校に設置されました。

本会は「報告事項」と「懇談」の大きく2つの柱で進行しました。それぞれの様子について紹介します。「報告事項」は、教育委員会事務局から令和4年度の学校支援本部活動、土曜日学校、放課後子ども教室の実施報告を行いました。

報告事項

事務局から報告をする様子の写真

「学校支援本部」

各学校で行われるさまざまな教育活動を支援する組織で、学校・地域コーディネーターを配置し、学校と地域の調整や外部講師の確保、各事業部との連絡調整を行っています。教育課程内(学校の授業)、教育課程外(朝や放課後の活動)にわたり、子どもたちの多様な学習活動の協働実践が行われています。新型コロナウイルス感染症の扱いが引き下げられたこともあり、活動が活発になってきました。これまでの取り組みに加えて、オンライン等ICTを活用した取り組みが増加傾向にあります。「元に戻す」のではなく、子どもの実態や社会の要請などを複合的に捉え、よりよい活動を探っていただいている結果ではないでしょうか。また、年度当初の予定どおりに実施できていることからも、見通しをもって計画的に活動を進めていただいていることが分かります。

「土曜日学校、放課後子ども教室」

土曜日や放課後の学校を舞台に、子どもたちが地域の中で広くさまざまなことに挑戦・体験できるよう、保護者や学校等の意見をもとに、地域住民や保護者等が主体となって学習・スポーツや体験・交流活動の機会を提供しています。 土曜日学校は30団体、放課後子ども教室は13団体が活動しています。地域や保護者からは多様な学びができることにご好評いただいています。活動をいくつか紹介します。

土曜日学校

かけっこ教室、プログラミング、ペットボトルロケット、検定講座、防災学習、地域お祭り体験、ダンス

放課後子ども教室

自由遊び、卓球、工作、学習、ヨガ、理科実験、スポーツ、体つくり
各事業で子どもの学びの支え手として、よりよい教育活動を実現するために多くの方が活躍してくださっています。

懇談

次に「懇談」の様子を紹介します。今回は「持続的な運営体制への工夫について」というテーマで懇談を行いました。人材確保のために工夫だけでなく、人と人をつなぐための工夫や長期的に学校に関わろうとする人を育てる工夫などさまざまな意見が飛び交いました。

グループで懇談する様子の写真

グループで懇談する様子の写真


  • どんなことをしているか周知方法を工夫している。まずは知ってもらうことが大事。
  • イベントにしてもなんにしても継続することで参加しやすい雰囲気をつくる。
  • 「やらされている。」ではなく「これならやってみたい。」と思えることが主体的にかかわる人の育成に必要だと思う。
  • 予算の見通しがたちづらいことが人材の確保へ影を落とすことも…
  • 幅広い人材(みんな多様な経験、技能などをもっている)へアプローチする。
  • 中学生には、小学生の学びや遊びの支援者としてかかわってもらえるよう卒業生を中心に働きかけ、長い目で地域の人材として育っていけばいいなと考えている。
  • 大学生の力も大きい。近隣の大学との連携や、ちょうどお子さんが大学生ぐらいの年代になっていそうな元保護者に声をかけ、お子さんとつないでもらったりしている。
  • 内容によっては誰でもよいとはいかないものもある。「全てを地域に」では無理が生じることもあるのではないか。

出し合った考えについて意見交換する様子の写真

出し合った考えについて意見交換する様子の写真

出し合った考えについて意見交換する様子の写真


おわりに

意見がまとめられたワークシートの写真

これまで受け継がれてきた活動を大切にしつつも、持続可能にしたいことは「運営できる仕組み」ではないかという委員の言葉に、改めて目的を明確にすることの大切さを感じました。どのような組織でも、力のある人に任せがちになってしまうことがあるかと思いますが、人が代わっても同じように運営ができるのか・・・と考えると、計画的、意図的に学校支援本部の活動のバトンを受け継いでいく必要があると思いました。人材育成、発掘は簡単なことではありません。じっくり時間をかけて地道に育て、見つけていくことが一番の近道かもしれません。今日の懇談ではっきりとした答えは出ませんが、人材育成、発掘と同じように時間をかけて、じっくり皆さんと一緒に考えていくことの必要性を感じました。

 

このページに関するお問い合わせ

教育委員会事務局学校支援課
〒166-8570 東京都杉並区阿佐谷南1丁目15番1号
電話:03-3312-2111(代表) ファクス:03-5307-0692