突然の在宅勤務、その時あなたはどう乗り越えましたか(令和3年3月15日)

 

ページ番号1064231  更新日 令和4年6月27日 印刷 

「すぎラボ」は杉並区で子育て中のママライター・パパライターによるコンテンツです。

コロナの勢いがまだまだ続く今日この頃ですが、昨年春の緊急事態宣言下では、突然の在宅勤務生活に突入せざるを得なかったご家庭も多かったのではないでしょうか。
保育園や学校等もお休みになってしまう中、働くパパママ達はそれをどう乗り越えたのか。いくつかのご家庭に、その時その後の感想を振り返ってもらいました。

Aさん家庭の場合

夫の場合

オンライン会議のイラスト

もともと全社を上げて基本リモートワークへと移行中だったため、コロナで予定が1~2カ月早まったかな、という程度で、特に大きな混乱はなく、おかげで社内のリモート反対派が一掃されました?
緊急事態宣言を受けて、寝室を夫の仕事部屋にすべく机と椅子を購入しましたが、机はホームセンターで買ってきた板を元々あった三段ボックス2台に渡しただけという超リーズナブル品としました。ただ、椅子だけは腰等への負担を考えてちょっといいものを用意しました。
パソコンについては元々会社からノートパソコンを2台支給されていたため、ディスプレイだけ1台追加購入(会社の補助あり)し、マルチディスプレイの執務環境を構築しました。もともと会社としてペーパーレスが推進されていたこともあり、資料のプリントアウトなどはほとんどせず仕事をしています。
仕事の半分がWEB会議というような状況下で、子どもが一緒に映り込んでしまうようなことは何度かありましたが、他のご家庭でも多かれ少なかれ似たような状況(ペットが邪魔してくるとかも)だったそうで、特にそれで困るということはありませんでした。
緊急事態宣言解除後も基本在宅勤務です。必要に応じて週1程度出社しているのですが、たまには出社しないと気持ちがだれてしまうので、個人的にはたまの出社はあったほうが良いと感じました。

妻の場合

リモートワークに向かない職業ではあるのですが、春の緊急事態宣言下では上層部の命令で基本全員在宅勤務となりました。職場で使っていたノートパソコンを持ち帰って仕事をしていましたが、大量の資料をプリントアウトするためだけに会社に行ったり、ということは何度かありました。この期間は基本新規の仕事が止まっていたので、山積みになっていた資料の整理をしたり、溜まっていた残務を片付けたりと、今思えば別な意味でありがたい時間ではあったように思います。
在宅勤務中で特に困ったことは、子どもが休校中の間の課題対応でしょうか。学校から大量のプリントが出されていたのですが、小2が自分で読んで自分で理解できるようなものでなく、親が先生役をしなければならない状態でした。しょうがないので毎日時間休(2時間)を取り、子どもの課題対策に時間をさきました。

ちなみに、私の在宅勤務場所はリビングのテーブルです。子どもたちが入れ代わり立ち代わり来ては腹がへっただの、動画の感想だのを言うので、あまり集中して仕事ができる状態ではありませんでした。子どもの休校が解除された今は、在宅で仕事をするなら「子どもの帰宅前まで」、が自分の中での合言葉になっています。
なお、緊急事態宣言解除後はほとんど毎日出社しているのですが、夫が逆にほぼ毎日在宅のため、家や子どもの心配が少なく、逆に以前より自由に仕事をさせてもらっている状況です。夫婦どちらかが在宅勤務という状況は、親にとっても子どもにとっても、とても良い環境なのではないかと個人的には思います。

Bさん家庭の場合

妻の場合

パソコンに向かう女性のイラスト

うちの会社は週に2・3日在宅勤務が可能になりましたが、家で仕事をするのが問題ないかどうかは、業務内容にもよるのではないかと思います。
私自身は職場の配慮もあり、自宅でも会社でも問題なく進められる業務なのですが、自宅での印刷が許されていないのがちょっと不便です(機密保持的な理由による)。あとは、上司の指示がわかりにくいときに、ちょっと行って聞く、ということができないのも不便な点でしょうか。でも、それは、上司が出張中のときにも同じ状況になるので、在宅だから、というわけではないかもしれません。
他には、誰に聞いてもいいことを誰かに聞きたいときや、業務の引き継ぎの時も不便です。あと、業務上、関わらない社内の人と仲良くなりにくく、アイディアを求めているときも相談しにくいですね。あとは、外付けディスプレイを自腹を切って買いましたが、これがなかったら不便だったと感じます。
仕事をする場所は、ダイニングにあるキッチンカウンターで、引き出すとデスクになる部分にパソコンを置いて仕事をしています。目の前には電子レンジ。余計なものが目に入らない方が集中しやすいし、マウスを動かすには狭いので、書斎があったらいいなと思いますが、我が家の狭さでは叶いません。

夫の場合

夫はパソコンデスクで在宅勤務しています。2人とも在宅勤務の日は、ミーティングなど、内容がある程度推測できてしまうので、夫婦で同業他社だとまずいだろうなと思いますが、お互い存在をあまり気にせずに済んでいるのは、それぞれ壁に向かって座るレイアウトだからかと思います。
子どもが休みでも家で仕事ができるのは助かりますが、子どもが家にいると集中しにくいので、やはり保育園には行って欲しいです。
ちなみに、夫の職場では、コロナ禍の前から、リモートチームがあり、世界中にメンバーがいるチームがありました。その知見があったので、緊急事態宣言以降は全社的にリモートになり、スムーズに進められているようです。毎日、朝会・夕会で仕事の進捗報告をするのとともに、プライベートで気になっていることなども共有しています。あれはうらやましい。他にも、出入り自由のテレビ会議状態で通常業務をしています。雑談しにくいのがリモートの難点なので、夫の会社はその辺りのケアがうまいなと思います。

Cさん家庭の場合

在宅勤務中の女性のイラスト

私の場合は、緊急事態宣言発出当時、既に夫婦2人とも完全在宅で仕事をしていました。子どもが当時3歳だったので、午前は、私(主に外遊び担当)が、午後は、夫(主に家遊び担当)で分担して対応しました。
保育園があるとガッツリ昼寝をして帰って来るので夜なかなか寝なかったのですが、登園自粛中は夫婦で子どもを日中散々、疲れさせたおかげ(?)で、夜は遅くとも午後8時ぐらいにはすっと寝てくれるようになり、その後、残った仕事を片付ける!という日々でした。
賃貸ですが、たまたま1階と2階のメゾネットタイプで、夫が1階のリビング、私が2階の寝室をちょっと改造して仕事部屋にしたので、声が聞こえて困るとか、いつも夫がいてストレスたまるわーとかいうのは回避できました。
自宅に1台あったモニターを私が占領してしまい、夫がノートパソコンを1日見下ろしていて、コロナが流行し出したこの1年余りで夫がギックリ首(ギックリ腰の首バージョン)に2回なってしまい、それは絶対、1日中首を若干下に向けてパソコンを見続けているせいだ!とモニターを1台新調しました。
ちなみに夫が以前勤めていた会社はSlack(スラック:ビジネス向けチャット)を使いビデオ会議みたいなツールを導入していて、リモートだから起こりがちな“世間話やムダ話ができない・ちょっとしたことが聞けない”といった孤独感は持たないよう配慮されていたようでした。ただ、夫の会社はコロナだからそうしたツールを導入したのではなく、以前からそうしたツールを導入していたようです。
私が以前勤めていた会社も通常時からリモートワークを取り入れており、コロナ以前から出勤が全く必須でありませんでした。以前の同僚に聞くと、コロナで完全在宅勤務になったそうで、社員の間から“もはや出社する意味なし”という声が多数上がり、もうずっと完全在宅勤務で行くみたいです。もちろん客先には必要があれば訪問するようですが、それも極力ビデオ会議や電話会議で済ませるようです。
コミュニケーションツールとしてはSlack(スラック)を使っていましたが、それも通常時から使っていて慣れたもので、コミュニケーションエラーみたいなのはほぼありませんでした。元々会社が個人商店の集まりみたいな文化なので、一人で何とかしろ、という風潮が漂っており、どうしても誰かにヘルプが欲しい時などは連絡して出社して会って教えてもらったり、電話で聞いたりしてカバーしていました。ただこれも、別にコロナだからではなく、普段からそういう文化でした。
コロナだからいきなりツールや制度を導入して運用する、というのはなかなか厳しいんだろうな、とニュースなどを見ていて思いました。結局あんまり定着しなかったという会社も多いと聞きます。

Dさん家庭の場合

相談する男女のイラスト

夫が完全テレワーク(現在もほぼ継続中)、専業主婦、4歳(幼稚園)、1歳後半の子ども、戸建ての場合の感想です。

3月から5月

夫が仕事中は別の階で生活をするようにしていましたが、子どもたちが、家にパパがいるので遊んでいいと思ってしまい、目を離した途端に邪魔をしに行き仕事にならず。結局、私が子ども2人を連れて外出していました。
コロナ禍なんて関係ないくらい公園にずーっといて、昼間は夫の昼食に合わせて帰るように心がけていましたが、一度外へ出るとなかなか帰る事が出来ず、夫が昼ご飯を食べ損ねた日も多々あります。幼稚園ママ(家族構成が似ている)の話を聞いてもどこも似た感じで、うまくいっているご家庭は、昼ごはんを別にして、自宅以外(下記)で働いてもらっているケースもありました。

  • テレワーク用に昼間ホテルを借りる(期間限定なので、多少の出費は仕方がないと考えたそうです。)
  • 近所の実家で働いてもらう

6月以降

上の子どもの幼稚園が通常通りとなり、少しずつペースもつかめてきて、夫がテレワークだと助かるなと思うようになりました。うまくいっているポイントは下の2つです。

  • 夫婦でスケジュールをざっくり共有して、夫に余裕のある時間帯に買い物を済ませたり、宅配の受取りをお願いする。
  • 声掛けがバツの時間帯、声掛けがサンカクの時間帯、声掛けがマルの時間帯、お昼ご飯の時間帯を分け、時間を気にせず下の子と出かけられる日を作る(夫のお昼ご飯は子どものお弁当と一緒に作り置きしておく)

ちなみに夫の会社では、通勤手当がなくなる代わりに月5,000円のテレワーク手当がついたと言っていました。それから、テレワークがなくならないと判断した頃に専用の机と椅子とモニターを自費で購入しました。

まとめ

いくつかの家庭の話を聞いてみて、在宅勤務をうまく回すためにはいくつかの共通点があるように思いました。

  • 夫婦及び家族間でスケジュールをある程度共有しておくこと。
  • 仕事の時間帯は、それぞれの業務ゾーンを確保すること(一緒の空間で仕事をするのは難しい)。
  • ノートパソコンの場合、できればモニターは別途買うべし。
  • 子どもも家にいる環境で在宅勤務を行う場合は、子どもに対応する時間とそうでない時間をあらかじめ決めておくこと。

また、思った以上に「もともとリモートの環境があった」「もともとリモートに移行予定だった」という企業が多かったんだな、というのが率直な感想です。もちろん、そうでない企業もたくさんありますし、現場に出なければどうにもならない職種もあると思いますが、うまくリモートワークを活用することで今まで以上に子育て家庭向きのワークバランスを築くこともできるのではないかと思いました。
 

すぎラボライター 晶姐

 

このページに関するお問い合わせ

子ども家庭部管理課庶務係
〒166-8570 東京都杉並区阿佐谷南1丁目15番1号
電話:03-3312-2111(代表) ファクス:03-5307-0686