おしたくボードとおてつだいポイントカードで子どもの自立支援(令和3年1月1日)
もうすぐ新学期が始まります。学校や園の生活が始まると、やることがたくさん。「宿題やったの?」「明日の準備したの?」「お風呂に早く入りなさい!」と気がつけば1日中子どもを叱ってしまうということ、ありませんか? 子どもと楽しくおしゃべりしたり、穏やかに見守れたらどんなにいいことでしょう。
我が家では、2つのアイテムを利用したところ、大人は叱るよりほめることが増え、子どもは自ら取り組めることことが増えました。まだまだ完璧にはできませんが、親のストレス軽減にもつながったと感じています。手作りでも市販品でも準備できますので、よかったらお試しください。
おしたくボードのご紹介
おしたくボードとは
やることがマグネットで貼り付けてあるボードのことです。時間が記載されているものもありますが、時間を意識することは案外難しいので、ある程度成長して、時間を意識した行動ができるようになってからで良いかと思います。
市販品ではたいてい、裏返すと「やったね」「がんばったね」のようなメッセージが書いてあります。手作りする場合には、両面使えるマグネットシートを入手するか、「やること」エリアと「やった!」エリアに分け、実施したらマグネットを移動させる方法でもよいでしょう。マグネットにシールを貼ったものの方が、動かすのは簡単かと思います。子どもは磁石が大好きなので、やることが終わったら、磁石を裏返すまたは動かすという作業は、楽しんでやってくれるでしょう。
うまくいくコツ
できていないことを指摘するのではなく、「次は何をするんだっけ?」と促す方がよいようです。子どもは次にやるべきことを確認して、頭を整理することができます。また、その後には何が残っているのかも、思い出すことができます。
項目には、「あそび」や「テレビ」といった項目も入れることで、やるべきことの後には楽しいことができる、というイメージを与えることができます。
ただし、楽しいことに熱中してしまうと、次の「やるべきこと」につなげるのが大変です。我が家では、遊びや動画の時間の前には、タイマーをセットしています。次のことが終わったら、またやろうね、と言えますし、時間でやめられたら、それもほめる材料になるからです。
そう、実施した後には、大いにほめてあげてください。「すごいね!」「がんばったね!」「お約束守ってくれてありがとう」「もう終わったの?」「いつの間に!!」「天才か!」などなど、親も楽しみながらほめましょう。頭をなでる、抱きしめる、拍手する、などのアクションも効果的です。
もし、やるべきことが全部できなくても、ここで叱るのはちょっと待って。分かっていても、「もう全部できちゃった?」と聞いてみましょう。子どもは「できた」ことがたくさんあることを誇りに思いつつ、「できていない」こともあることに気づきます。ここで諦めてはもったいない、と思って、もうひとがんばりしてくれることでしょう。
朝になったら、昨日の振り返りをしながらマグネットを元に戻すのがおすすめです。
ここではもちろん、「できたこと」を確認します。できなかったことは子どもが分かりますから、ことさら強調しなくてかまいません。できたことをほめましょう。
うまくいかないとき
ここまで読んだあなたは、いやいや、そんなにうまくいかないよ、と思っているかもしれません。そのとおり。
我が家もそんなにうまくは行きませんでした。順番通りにできないこともあれば、ひとつもできないことも。
その場合の対処方法については、私は正解を知りません。参考までに我が家の例をお話しすれば、どなる、くどくど言う、おもちゃを取り上げる、いっそ寝かせる、などがありましたが、それらがその後の行動にいい影響を与えたかは不明です。
いい影響を与えたと思うのは、この後ご紹介するおてつだいポイントカードに、やることができたらポイントを与えてもよいというルールにしたことです。おしたくボードの「やること」はお手伝いではありませんが、ポイントになるようにしました。さらに、「できていないことが3つ以内ならセーフ」と、ゆるいルールにしています。ついでに宿題をできたときも1ポイントです。宿題はやることリストにも入っているので、やるとラッキーな項目になっています。
覚えておいていただきたいのは、「毎日うまくは行かなくて当たり前」ということ。「うまくいったら奇跡」です。おおいに感動しましょう。これは親も同じ。今日は叱ってしまった、と落ち込まなくても大丈夫。それが普通です。「できたら奇跡」です。
うちの娘は、このボードを年長の時に使い始めました。はじめは熱心にマグネットをめくって嬉しそうにしていましたが、それも2日で終了。3日目からは元通りでした。ところが、いつの間にやらボードに向かうようになり、半年経つころには、便利なツールとして使うようになっていました。小1の今では、朝起きると全て準備ができています。と言っても、持ち物の準備は苦手で、いまだパパのチェックを受けては直されていますが。
おてつだいポイントカードのご紹介
おてつだいポイントカードとは
その名のとおり、おてつだいをするとポイントを貯められるカードです。こちらは、インターネットで検索すると、素敵なデザインのものがたくさん公開されているので、ダウンロードして印刷するのがおすすめです。絵の上手な方は、手作りのものもよいでしょうし、市販品もあります。
ポイントの付け方は、シール、はんこなど、お好みのもので結構です。ごほうびシールという名前で市販されているシールには、「がんばりました」などのメッセージが入っています。
おてつだいの種類
おてつだいの定義は自由です。
我が家では、洗濯ものをたたむのを手伝う、食器をしまうのを手伝う、お風呂にお湯をはる、などがよく使われています。時には、「ちょっとハサミとってくれない?」とお願いして、やってくれたら1ポイント、なんて言うことも。逆に、洗濯物を1つだけたたんでもポイントにはなりません。基準は、親が「助かった」と思えるかにしています。
また、おてつだいでなくてもポイントにしています。前述したように、宿題をしたら1ポイントです。また、おかたづけは難易度によってポイントが分かれており、テーブルの上のかたづけは1ポイント、テーブルの下は2ポイント、リビングは5ポイント、などと分かれています。我が家の散らかり具合がわかってしまって恥ずかしいですね。
ごほうびは何にしたらいい?
ごほうびの内容は、なるべく「行為」がよいかと思います。
我が家では、25ポイント貯まったら、好きな映画を家族全員で鑑賞する。というのがオーソドックスです。いつもは家事をしながら耳だけ聞くことが多いですが、この時だけはじっくり観ます。娘の好きなタイミングで全員招集されるので、親は大変ですが、女王様気分で嬉しそうです。
他には、好きなおかずにできる、行きたいところに行ける、好きな遊びを一緒にやってもらえる、などのごほうびが考えられるかと思います。普段やっていることでも、「子どもの好きなタイミングで」となると、特別感が出ます。
物をごほうびにするのは、どんどん高価なものをあげないといけなくなるので、あまりおすすめはしませんが、うまくルールを作って実施するのはありかと思います。我が家では、好きなお菓子1種類を好きなだけ食べられる、ファミリーレストランに食べに行ける、という時もありました。
ごほうびを決めるタイミングも自由です。
はじめに決めておいてもいいですし、ポイントが伸び悩んでいる時に、「ごほうび何にしようか?」と相談してもいいでしょう。お子さんのモチベーションアップにつながるような、素敵なごほうびを用意してあげてください。
まとめ
- おしたくボードも、おてつだいカードも、ほめてモチベーションを上げるためのツール
- 毎日できなくて当たり前、できたら奇跡
- その子に合わせた運用で
すぎラボライター ヤリタガリ
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