絵本が苦手な子への対処法(令和2年12月1日)

 

ページ番号1063110  更新日 令和4年6月27日 印刷 

「すぎラボ」は杉並区で子育て中のママライター・パパライターによるコンテンツです。

ケルルくんの写真
おはなし会『絵本N』の案内役 パペットの「ケルル君」

まわりのお友達はみんな絵本が好きなのに、なぜ、うちの子は絵本が好きじゃないんだろう。せっかく読んであげても、どんどんページをめくって、ちっとも聞いてくれない。絵本すら読まないのに、小学校に入ったら一人で教科書を読むことができるのかしら。そんなお悩みありませんか。
そもそも子どもが絵本に関心を持ってくれない場合は一体どうしたらいいのか、長年絵本の読み聞かせボランティアをするNさんに相談してきました。

ボランティアのNさんってどんな方

Nさんは子育てが落ち着いた20年ほど前、青山こどもの城でボランティアを学びました。その後、杉並区内の図書館や児童館などで定期的に絵本の読み聞かせをし、多くのお子さんを魅了しています。詳しくは下記を参照ください。

絵本の読み聞かせのポイント

現在のNさんは、絵本の読み聞かせを通じて多くの子どもたちを魅了しています。しかし、子育て中は試行錯誤していたそうです。
そこで、絵本にあまり興味のない子どもに絵本を読んであげたいと思った時、どのような工夫をしたらいいか相談しました。
どうやら大事なのは、お話を面白いと感じてもらう事のようです。

絵本の内容から考える

赤ちゃんから読むことができる絵本からステップアップする際、何がいいか悩みますよね。例えば電車が好きだから電車の絵本を選んだら、意外にヒットしなかったり。おすすめなのは、わかりやすい絵本です。具体的には、登場人物が少なく、起承転結がはっきりしていて、悪者がわかりやすいお話です。
そのような絵本は、ストーリーを想像しやすいため、子どもが夢中になりやすいです。
例えば、「うさぎとかめ」です。イソップ童話にはわかりやすいお話が多いです。

読み聞かせの方法を工夫する

同じ絵本でも読み方次第で、子どもの反応は変わります。形式にとらわれずに、さまざまな方法を試してみましょう。

子どもを絵本の登場人物にしてしまう

子どもを絵本の登場人物にしてみるのはいかがでしょうか。先ほどの「うさぎとかめ」であれば、かめを子どもの名前にしてみるのです。驚きながらも一気に引き込まれて、夢中になるかもしれません。

読み手のアクションを加える

色々、アクションを加えてみるのも一つです。例えば、扉をたたくシーンでは、こぶしを握り絵本の扉をたたいてみたり、登場人物が飛び上がるシーンで、絵本を上に持ち上げてみたり。メリハリがつき、子どもの集中力が持続します。

子どもに参加させる

絵本のシーンに合わせて、子どもにも動作をさせてみましょう。例えば、食べ物の本であれば「ちょっと味見してみて」と誘ってみたり、登場人物を「一緒に応援しよう。がんばれー」と声を出させてみたり。読んでもらうだけから、絵本を一緒に読んでいるように感じさせてあげましょう。

字が読めても絵本を読んであげる

幼稚園生でもひらがなやカタカナが読める子はたくさんいます。字が読めるようになるとつい「自分で読んで」と言っていませんか。しかし、字面を追う事とお話を楽しめる事は別物です。自分で字を読む事も必要ですが、ストーリーが頭に入らず理解できないと絵本の面白みがわかりません。字を読んでストーリーが理解できるようになるのは小学校三年生位と言われています。ぜひ、それまでは絵本を読んであげましょう。

子どもの正解は子どもが知っている

絵本を読み聞かせる時、親がリードしてあげたいと言う気持ちはありませんか。いい本を読ませてあげたい、最初から最後までしっかり読んであげたい。その良かれと言う気持ちが逆に子どもを絵本嫌いにしている事もあるかもしれません。

絵本選びは子どもに任せよう

絵本が苦手だと絵本を買うのはハードルが高いですよね。まずは、図書館へ一緒に行って絵本を自分で選ばせてみてはいかがでしょうか。元気で活発なお子さんだと躊躇してしまうかもしれません。しかし、杉並区の図書館はどこでも幼児コーナーがあり、意外と入りやすいところです。
選ぶ絵本は、どんなものでも大丈夫です。どれも自分で選んだお気に入りですから。多すぎて選びきれないと言う場合は、好きなキーワードがありそうなコーナーへ連れて行ってあげるのも良いです。例えば忍者が好きなら「に」から始まる絵本の並ぶところへ連れて行くなどサポートしてあげて、最後はかならず子どもに決めさせてあげましょう。

おはなし会に参加しよう

おはなし会のイラスト

絵本が苦手と思ったら、読み聞かせのイベントに連れて行ってみてはいかがでしょうか。赤ちゃん向けのおはなし会だけではなく、幼児、児童向けのおはなし会も開催されています。
幼児向けのお話会だと参加者はシールやスタンプがもらえ、集めると景品がもらえます。参加する事が楽しくなるのも、絵本が身近になる一歩かもしれませんね。
またおはなし会は多くのボランティアさんやスタッフの方に支えられています。選ぶ本も進め方もルールもどれも同じではないので、好き嫌いがあると思います。ぜひいくつかのお話会に参加してみて、お気に入りを探してみてください。


お家でも絵本を身近にしてみよう

絵本も子どもが手に取りやすいところへ置いておきましょう。一番身近なおもちゃと一緒に置いてあげましょう。おもちゃと離れたところに勉強用など別のカテゴリーを作っておくのはお勧めしません。勉強が好きになってほしいと言う親心は子どもにとってはプレッシャーです。
子どもの好きなものは、子どもの身近にあるものばかりです。
ユーチューブ好きな子どもには身近に親のタブレットやスマートホンがありませんか。同じように絵本を置いて子どもがいつでも手に取れるようにしてあげましょう。
また、背表紙だけだと字が読めない子どもは絵本を認識できません。できれば表紙が見えるようにして置いてあげるといいですよ。ちょっと大変ですが、床に絵本をちりばめて子どもの視界に入りやすくするくらいがちょうどいいです。

親は否定しない

子どもの絵本の楽しみ方はさまざまです。どんな楽しみ方をしていても決して否定してはいけません。たとえば絵本を読んでいる最中に、先にページをめくっても怒らないでください。
子どもは興味がなくて、ペラペラめくっているのではなくて、絵を見て想像して楽しんでいるのかもしれません。親が楽しみ方を決めつけるのは良くないです。
また、読み終わった途端に「誰が出てきたの?」とか「絵本を読んでどう思った?悲しかった?」なんて国語の問題のような質問もよくありません。正解を押し付けるような質問も子どもの心を否定する結果になってしまうかもしれません。
また、子どもが選んだ本も否定しないであげましょう。親が選びがちな名作ばかりが絵本ではありません。自分が選んだものを否定されたら大人でも嫌なものです。どんな絵本でも「面白そうだね」と受け止めてあげましょう。
あまりにも同じような物ばかり読んでいるのが気になると言う事でしたら、「こっちもどうかな」と別の本を提案してみてはいかがでしょうか。

おわりに

Nさんに相談してみて、子どもが絵本を苦手な一因は、知らず知らずに絵本を遠ざけている親にあるのかもしれないと思いました。
子どもにとっては絵本も遊びの一つです。他のおもちゃと同じように、当たり前にいつも身近にある事が大事なのかもしれません。
だけど、一回苦手と感じてしまうと、なかなか親の力だけでは解決しにくいです。そんな時は、ぜひおはなし会の力を借りましょう。まずは月に1回、図書館へ通う習慣をつけて、ボランティアさんやスタッフの方の読み聞かせを聞いて、気になる絵本やおすすめの絵本を借りてみたらいかがでしょうか。

すぎラボライター らくちゃんママ

 

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