HPV(ヒトパピローマウイルス)感染症予防ワクチンと子宮頸がん

 

ページ番号1004810  更新日 令和5年9月22日 印刷 

HPVワクチンについては、ワクチン接種後に、ワクチンとの因果関係を否定できない持続的な疼痛が特異的にみられたことから、定期接種を積極的に勧奨しないよう平成25年6月14日付で厚生労働省から勧告がありました。

その後、厚生労働省で検討され、令和3年11月26日付けでHPVワクチン接種の勧奨差し控えを廃止していましたが、個別接種の勧奨を令和4年4月から順次再開するよう通知がありました。また、これにより、接種勧奨の差し控えによって接種できなかった方のワクチン定期接種について、従来の定期接種の対象年齢を超えて接種を行う「キャッチアップ接種」が行われることになりました。

また、令和5年4月1日より、9価のHPVワクチン(シルガード9)が、2価ワクチン(サーバリックス)・4価ワクチン(ガーダシル)と同様に定期接種の対象となります。このことについて、平成9年4月2日から平成23年4月1日生まれまでの女性でHPVワクチンを3回受けていない方に、令和5年3月下旬にお知らせを送付しています。

なお、HPVワクチンの定期期間終了後(高校2年生以降)から令和4年3月31日までに自己負担で2価または4価でワクチン接種した方に、令和4年9月1日から令和7年3月31日まで期間を設けて費用助成を行っています。

予防接種の説明

新中学1年生、新中学3年生、新高校1年生相当に令和5年3月末に予診票を郵送した際に同封しました「HPV感染症予防接種の説明」です。

HPVワクチンの効果

サーバリックスおよびガーダシルは、子宮頸がんをおこしやすい種類(型)であるHPV16型と18型の感染を防ぐことができます。 そのことにより、子宮頸がんの原因の50~70%を防ぎます(注1)。

シルガード9は、HPV16型と18型に加え、ほかの5種類(注2)のHPVの感染も防ぐため、子宮頸がんの原因の80~90%を防ぎます(注3)。

注1・3: HPV16型と18型が子宮頸がんの原因の50~70%を占め(注1)、HPV31型、33型、45型、52型、58型まで含めると、子宮頸がんの原因の80~90%を占めます(注3)。また、子宮頸がんそのものの予防効果については引き続き評価が行われている状況ですが、これまでのサーバリックスおよびガーダシルでの知見を踏まえると、子宮頸がんに対する発症予防効果が期待できます(注3)。

注2 :HPV31型、33型、45型、52型、58型

公費で受けられるHPVワクチンの接種により、感染予防効果を示す抗体は少なくとも12年維持される可能性があることが、これまでの研究でわかっています(注4)。

注4:ワクチンの誕生(2006年)以降、期待される効果について研究が続けられています。

海外や日本で行われた疫学調査(集団を対象として病気の発生などを調べる調査)では 、HPVワクチンを導入することにより、子宮頸がんの前がん病変を予防する効果が示されています。

また、接種が進んでいる一部の国では、子宮頸がんそのものを予防する効果があることもわかってきています。 HPVワクチンの接種を1万人が受けると、受けなければ子宮頸がんになっていた約70人(注5)ががんにならなくてすみ、約20人(注6)の命が助かる、と試算されています。

注5:59~86人

注6:14~21人

HPVワクチンのリスク

HPVワクチン接種後には、接種部位の痛みや腫れ、赤みなどが起こることがあります。

まれですが、重い症状(重いアレルギー症状、神経系の症状)(注1)が起こることがあります。

発生頻度 2 価ワクチン(サーバリックス) 4 価ワクチン(ガーダシル) 9 価ワクチン(シルガード 9)
50%以上 疼痛、発赤、腫脹、疲労 疼痛 疼痛
10~50%未満 掻痒(かゆみ)、腹痛、筋痛、関節痛、頭痛など 紅斑、腫脹 腫脹、紅斑、頭痛
1~10%未満 じんましん、めまい、発熱など 頭痛、そう痒感、発熱 浮動性めまい、悪心、下痢、そう痒感、発熱、 疲労、内出血など
1%未満 知覚異常、感覚鈍麻、全身の脱力 下痢、腹痛、四肢痛、筋骨格硬直、 硬結、出血、不快感、倦怠感など 嘔吐、腹痛、筋肉痛、関節痛、出血、血腫、 倦怠感、硬結など
頻度不明 四肢痛、失神、リンパ節症など 失神、嘔吐、関節痛、筋肉痛、疲労など 感覚鈍麻、失神、四肢痛など
  • 疼痛、発赤、腫脹、紅斑、そう痒感、内出血、知覚異常、硬結、出血、不快感、血腫は、接種した部位の症状
  • サーバリックス添付文書(第14版)、ガーダシル添付文書(第2版)、シルガード9添付文書(第1版)より改編  

因果関係があるかどうかわからないものや、接種後短期間で回復した症状をふくめて、HPVワクチン接種後に生じた症状として報告があったのは、接種1万人あたり、サーバリックスまたはガーダシルでは約9人、シルガード9では約8人です(注2)。このうち、報告した医師や企業が重篤(注3)と判断した人は、接種1万人あたり、サーバリックスまたはガーダシルでは約5人、シルガード9では約7人です(注2)。 

  • 注1:重いアレルギー症状:呼吸困難やじんましん等(アナフィラキシー)、神経系の症状:手足の力が入りにくい(ギラン・ バレー症候群)、頭痛・嘔吐・意識低下(急性散在性脳脊髄炎(ADEM))等
  • 注2:HPVワクチン接種後に生じた症状として報告があった数(副反応疑い報告制度における報告数)は、企業からの報告では販売開始から、医療機関からの報告では平成22(2010)年11月26日から、令和4(2022)年9月末時点までの報告の合計。出荷数量より推計した接種者数(サーバリックスおよびガーダシルは384万人、シルガード9は5.2万人)を分母として1万人あたりの頻度を算出。
  • 注3:重篤な症状には、入院相当以上の症状などがふくまれていますが、報告した医師や企業の判断によるため、必ずしも重篤でないものも重篤として報告されることがあります。

(注)「HPVワクチンの効果」と「HPVワクチンのリスク」については、厚生労働省のリーフレット「小学校6年~高校1年の女の子と保護者の方へ大切なお知らせ」から抜粋したものです。もっと詳しくお知りになりたい方は、以下リンク「HPVワクチンに関する情報提供資材(厚生労働省ホームページ)」に掲載されておりますリーフレット「小学校6年~高校1年の女の子と保護者の方へ大切なお知らせ」でご確認ください。

定期接種期間の方

定期接種期間(小学6年生から高校1年生相当の女子)の方は、以下リンク「定期予防接種の種類」のページの「HPV(ヒトパピローマウイルス)感染症」をご覧ください。

キャッチアップ接種対象の方

対象者
平成9年度生まれから平成18年度生まれの女性

平成19年度生まれの方は、令和6年度から対象となります。

接種期間
令和4年4月1日から令和7年3月31日まで
回数
3回
標準接種間隔
  • 2価ワクチン(サーバリックス)
    2回目は1回目から1か月後、3回目は1回目から6か月後
  • 4価ワクチン(ガーダシル)
    2回目は1回目から2か月後、3回目は1回目から6か月後
  • 9価ワクチン(シルガード9)
    2回目は1回目から2か月後、3回目は1回目から6か月後

接種間隔

(標準接種間隔がとれない場合)

  • 2価ワクチン(サーバリックス)
    2回目は1回目から1か月以上、3回目は1回目から5か月以上、かつ2回目から2か月半以上あける
  • 4価ワクチン(ガーダシル)
    2回目は1回目から1か月以上、3回目は2回目から3か月以上あける
  • 9価ワクチン(シルガード9)
    2回目は1回目から1か月以上、3回目は2回目から3か月以上あける

(注)

  1. 令和3年11月26日付で厚生労働省より通知された積極的接種勧奨の再開について、その他、HPVワクチンの効果と副反応など詳細は、以下リンク「ヒトパピローマウイルス感染症 子宮頸がん(子宮けいがん)とHPVワクチン(厚生労働省ホームページ)」等でご確認ください。
  1. 接種をご希望の方でお手元に予診票のない方は、お手数ですが母子健康手帳をお持ちの上、お近くの保健センターまたは区役所子ども家庭部地域子育て支援課母子保健係で予診票をお受け取りください。インターネット(電子申請)および郵送による申請については、以下のリンクをご覧ください。

ヒトパピローマウイルス感染症に係る任意接種費用助成

HPVワクチンの定期接種期間終了後から令和4年3月31日までに自己負担で2価ワクチンまたは4価ワクチンで接種を受けた方に対して、令和4年9月1日から令和7年3月31日まで期間を設けて費用の助成を行っています。以下の資料をご確認ください。

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このページに関するお問い合わせ

杉並保健所保健予防課保健予防係
〒167-0051 東京都杉並区荻窪5丁目20番1号
電話:03-3391-1025(直通) ファクス:03-3391-1927