区立施設再編整備計画(第一期)・第二次実施プラン(平成31~33年度)
区は、平成26年3月に杉並区区立施設再編整備計画(第一期)(平成26~33年度)・第一次実施プラン(平成26~30年度(以下「第一次実施プラン」という)を策定し、平成28年度には計画の進捗状況や新たに生じた課題を踏まえて改定を行い、着実に取組を進めてきました。また、平成29年度には「施設白書2018」を作成し、施設の現状や課題を明らかにしてきました。これらを踏まえ、国が求めているインフラ長寿命化基本計画に基づく「個別施設毎の長寿命化計画」の策定も視野に、平成31年度から令和3年度までの3年間の取組について計画化する第二次実施プランを策定しました。
第二次実施プランでは、第一次実施プランの取組からの連続性を確保しつつ、施設の利用実態と区民ニーズの変化等を踏まえて、課題や方向性を再度精査した上で、取組の進捗状況に合わせて具体化を図ります。
策定に当たっては、平成30年8月に計画案を公表し、地域説明会や区民等の意見提出手続き(パブリックコメント)を実施しました。そこでいただいたご意見や区議会でのご意見を踏まえ、平成30年11月に「第二次実施プラン(平成31~33年度)」を策定しました。
- 第二次実施プランについて分かりやすくQ&A方式で紹介しています。
計画策定に当たり、「杉並区区民等の意見提出手続に関する条例」に基づき、「広報すぎなみ」9月1日号等で計画案を公表し、皆さんからご意見をいただきました。
いただいたご意見と区の考え方は、下記のリンクをご覧ください。
計画策定の視点・ポイント
1 施設の長寿命化の推進
施設をより長く、安全・安心に利用できるようにするためには、建物の安全性や機能性が維持されるよう、適切な修繕等を行う必要があります。一方、老朽化した施設については、順次、改築などの対応が必要となりますが、昨年度作成した「施設白書2018」では、直近10年間に区立施設の改築時期が一斉に到来することで改築・改修経費が集中し、大きな財政負担となることがわかりました(注)。
こうした課題に対応するため、区では今後、築年数が経過した施設を一律に改築するのではなく、構造躯体が健全な建物については改築時期を築80年程度まで延ばすなど、定期的な修繕や施設の長寿命化改修を行うことで、長期にわたり建物の安全性・機能性を維持するとともに、改築・改修時期の分散化による財政負担の平準化を図ります。
(注)施設の改築等のコストについては、今後の改築等に必要となる経費の概算を把握するため、直近の区の工事における単価を踏まえて改築等に係る経費を精査するなど、改めて試算をしています(P68「施設の改築等のコスト試算」参照)。
第二次実施プラン策定にあたり実施しました今後30年間における施設の改築等に係るコスト試算は下記リンクをご覧ください。
2 民間活力の導入に向けた検討
施設の建設や維持管理には多額の経費が必要になります。従って、経費の抑制、歳入確保の観点から、民間事業者の資金や経営ノウハウ等を積極的に活用し、施設運営の効率化を図ることが必要となります。
こうした視点のほか、事業運営での活用、さらには民間事業者の参入可能性を調査・研究するためのサウンディング型市場調査(注)の導入など、さまざまな視点から民間活力の導入に向けて検討を進めていきます。
(注)サウンディング型市場調査とは
公有地の活用や民間サービスの導入などの取組における内容・公募条件等を決定する前段階で、当該案件の活用の可能性を最大限に高めるため、公募により民間事業者の意向調査や民間事業者との直接対話を行い、取組の内容・公募条件等に関する整理を行うものです。これにより、区にとっては事業検討に向けて市場性の有無やアイデアを把握するほか、検討段階における公平性・透明性を確保できるなどのメリットがあります。また民間事業者にとっても自らのノウハウと創意工夫を取組に反映し、参入しやすい環境とすることができます。
取組の将来像
長年にわたり施設を維持していくためには、改修や改築などに多額の更新費用が必要となります。しかし、少子高齢化による生産年齢人口の減少に伴い、今後、区民税収入が減少していく一方で、社会保障関係の経費はさらに増加していくことが想定され、施設の改修や改築に多くの予算を振り向けることは、現実的に困難です。
しかしながら、現在の施設と同じ規模で維持することができないとしても、工夫をすることで必要なサービスを維持・向上していくことは可能です。
例えば、老朽化した施設の改築の機会を捉えて、親和性のある他の施設との複合化を図ることで、施設間の部屋の共同利用や施設規模のコンパクト化などといった施設の有効活用のほか、施設間の連携による利用者の利便性の向上を実現することができます。また、廃止した施設をニーズの高い施設に転用することで、新たに土地を取得し、建設する場合と比べ、低コストで行政需要に対応することができます。
このように区立施設の再編整備の取組を着実に進めることで、持続可能な行財政運営、施設の安全性の確保、そして新たな区民ニーズへの的確な対応を図り、将来にわたる区民福祉の向上を目指します。
(イメージ図)
第二次実施プランの主な取組
区立施設・用地を活用した認可保育所の整備
- 阿佐谷北保育園移転後の跡地:既存施設を解体し、民設民営の保育所を整備します。(令和3年度開設予定)
- 西田保育園廃止後の跡地:区立保育園の廃止後に既存施設を解体し、民設民営の保育所を整備します。(令和4年度開設予定)
- 区保育室和泉北廃止後の跡地:区保育室の廃止後に既存施設を解体し、民設民営の保育所を整備します。(令和4年度開設予定)
- 成田西子供園移転後の跡地:既存施設を解体し、成田保育園の移転先としての保育所と地域コミュニティ施設の併設施設を整備します(注)。(令和4年度開設予定)
(注)成田保育園跡地及び併設する成田児童館の東田小学校への機能移転後の跡地については、既存施設を解体し、民設民営の保育所を整備します。(令和6年度開設予定)
旧若杉小学校の跡地活用
- さざんかステップアップ教室「荻窪教室」の運営を平成31年度から開始します。
- 重症心身障害児通所施設等については、当面の間、運営を継続します。
- 今後の本格活用を見据えて、区保育室若杉については段階的に新たな入園募集を停止の上、令和6年度末に廃止します。
- 北校舎へ平成31年度に保育所を開設します(注)。
(注)令和6年度末に移転する予定です。移転先は改築後の(仮称)都営天沼二丁目団地に整備予定の保育施設に天沼保育園が移転した後の跡地を活用します。
統合後の杉並第四小学校の跡地活用
- 築26年の既存の建物及び敷地を有効活用していきます。跡地活用に当たっては、民間活力の導入を視野に、子どもから高齢者まで多世代が集い交流し、地域活動やにぎわい創出につながる場として整備し、地域に根差した運営を目指します。
- 震災救援所機能の維持を前提に、校庭をオープンスペースとして確保するほか、施設を避難場所として活用します。
- 高円寺地区小中一貫教育校の部活動等を補完するため校庭や体育館を活用します。
- 既存校舎を改修し、高円寺北子供園を3年保育に拡充します。(令和5年度予定)
- 次世代型科学教育の新たな拠点を整備するほか、地域のイベントやコミュニティ活動、若者のさまざまな活動など、多目的に利用できる場を整備します。
統合後の杉並第八小学校の跡地活用
- 校舎及び体育館等を解体・撤去した後、新たに施設を整備します。跡地活用に当たっては、行政需要への対応を図るとともに、多世代が憩い、学び、交流できる、地域コミュニティの核となる施設づくりと地域に根差した運営を目指します。
- 震災救援所機能の維持を前提に、既存の校庭と同程度のオープンスペース(公園として整備)を確保するほか、施設を避難場所として活用します。
- 特別養護老人ホーム及び看護小規模多機能型居宅介護事業所の整備を検討し、平成31年度に方針決定します。
- 保育所を整備します。(令和6年度開設予定)
- 高円寺図書館の移転先としての図書館と地域コミュニティ施設との併設施設を整備します(令和6年度開設予定)(注)。
(注)乳幼児親子及び中・高校生の居場所となるスペースや、地域のイベントなどを行えるスペースを整備します。
富士見丘小学校移転(注)後の跡地活用
地域の声を聴きながら民間活力の導入も含め、平成31年度以降さまざまな角度から有効活用策の検討を行います。
(注)富士見丘小学校は、富士見丘中学校の隣地に移転し、小学校・中学校の一体的な整備を予定しています。
学童クラブの小学校内等での実施
- 小学校内での実施 〔( )内は、対応する小学校名〕
- おぎきた子どもプレイス(桃二小)(平成31年度実施)
- 高円寺北学童クラブ・高円寺中央学童クラブ((仮称)高円寺学園)、 東原学童クラブ(杉九小)(令和2年度実施)
- 機能移転後の児童館施設を活用した拡張
- 浜田山学童クラブ、堀ノ内南学童クラブ(令和2年度実施)
- 永福南学童クラブ(令和3年度実施)
- 小学校近接のスペースを活用した整備
- 下井草学童クラブ(桃五学童クラブへの移転)(平成31年度実施)
小学生の放課後等居場所事業の小学校内での実施
- おぎきた子どもプレイス(桃二小)、下井草児童館(桃五小)(平成31年度実施)
- 高円寺北児童館・高円寺中央児童館((仮称)高円寺学園)、浜田山児童館(浜田山小)、堀ノ内南児童館(大宮小、済美小)、東原児童館(杉九小)(令和2年度実施)
- 大宮児童館(松ノ木小)、成田児童館(東田小)、永福南児童館(永福小)(令和3年度実施)
子ども・子育てプラザの整備
下井草児童館(平成31年度実施)、高円寺中央児童館(令和2年度実施)を転用します。
中・高校生の新たな居場所づくり
3年度設予定の(仮称)永福三丁目複合施設及び、令和6年度開設予定の統合後の杉並第八小学校跡地に整備する複合施設を活用して実施します。
地域区民センターの改築・改修
- 廃止した旧阿佐谷けやき公園プールの敷地を活用し、阿佐谷地域区民センター(産業商工会館の講堂(ホール)機能を補完する集会スペースを含む)・阿佐谷児童館を移転・複合化するとともに、立体都市公園制度を活用して当該施設の屋上部分に公園を整備します。阿佐谷地域区民センターは令和3年度、阿佐谷児童館は令和4年度開設する予定です。
- 西荻地域区民センター(勤労福祉会館併設)は、平成31~令和2年度にかけて大規模改修により必要な保全を行うとともに、より使いやすい施設とするために機能の見直しを図ります。また、改修に合わせ保育需要に対応するため、施設内に保育所を令和3年度に整備します。(西荻地域区民センターは、令和2年度リニューアルオープン予定。保育所は令和3年度開設予定です。)
- 高円寺地域区民センター(社会教育センター併設)については、令和3年度から大規模改修を行い、必要な保全を行うとともにより使いやすい施設とするために機能の見直しを図ります。
- 荻窪地域区民センターについては、改修により諸室のレイアウトの見直しなどを行い、利便性の向上を図ります。設計は令和3年度から開始します。
地域コミュニティ施設の整備
- 地域コミュニティ施設とは乳幼児親子を含む子どもから高齢者まで、誰もが身近な地域で気軽に利用でき、世代を超えて交流・つながりが生まれるコミュニティ施設です。既存の区民集会所、区民会館、ゆうゆう館、機能移転後の児童館施設を対象に、新たな地域コミュニティ施設へと段階的に再編整備していきます。
- 第二次実施プランでは、既存施設を活用して、ゆうゆう阿佐谷館、ゆうゆう馬橋館・馬橋区民集会所(複合施設)、機能移転後の東原児童館施設の3か所を転用し、令和2年度に再編整備します。加えて、令和3年度に新設する(仮称)永福三丁目複合施設にも整備します。
- 上記のほか、令和4年度に成田西子供園移転後の跡地、6年度に統合後の杉並第八小学校跡地を活用した複合施設においても施設整備に向けた取組を進めていきます。
- 地域コミュニティ施設の詳細については下記リンクで紹介しています。
(仮称)永福三丁目複合施設の整備
- 旧永福体育館移転後の跡地に、保育所、永福図書館の移転先としての図書館、地域コミュニティ施設の3つの施設から成る複合施設を整備します。(令和3年度開設予定)
- 保育所は近隣の大宮保育園を改築するための仮設園舎として活用します。また、大宮保育園の改築後、近隣の永福北保育園の移転先として活用します。
- この地域コミュニティ施設の周辺には機能継承の対象となるゆうゆう館は存在しませんが、高齢者の活動拠点の拡充等の観点から、ゆうゆう館の機能を取り入れた施設としていきます。また、図書館及び地域コミュニティ施設については、中・高校生の新たな居場所としても活用していきます。
本庁舎東棟の改築の検討
今後も適切な維持管理を行うことにより良好な状態を確保すれば、少なくとも15年程度(令和15年まで(築70年))は十分に使用できると判断できることから、今後は設備が老朽化していることを踏まえた対応を図りつつ、改築に向けて検討を進めます。
地域型子ども家庭支援センターの整備
要保護児童等への対応をより迅速・的確に行うことができるよう、区内3か所(高円寺・荻窪・高井戸)に地域型子ども家庭支援センターを段階的に整備します。このうち地域型子ども家庭支援センターの1か所目となる高円寺子ども家庭支援センターを、旧馬橋会議室2階を活用して整備し、平成31年度に開設します。
旧杉並中継所の活用案の検討
令和2年度以降の活用に向け、既存施設の改修による活用を基本に、地域の声を聴きながら民間活力の導入などさまざまな観点から有効活用策を検討します。(平成31年度方針決定)
第一次実施プランのこれまでの主な成果
このページに関するお問い合わせ
政策経営部企画課施設マネジメント担当
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