子育てママのメンタル事情3 「発達障害に悩むCさんの場合」(平成31年4月15日)

 

ページ番号1048501  更新日 令和4年6月27日 印刷 

「すぎラボ」は杉並区で子育て中のママライター・パパライターによるコンテンツです。

最近、話題なることの多い発達障害ですが、お子さんが発達障害というCさんに、すぎラボメンバーがお話しを伺いました。

子どもが発達障害だと気づく

Cさんのイラスト
男の子が生まれ、初めての子育てをしていたCさん。

男の子のイラスト

0歳の頃の様子

通常、生後3カ月くらいで、ある程度まとまった睡眠をとってくれるようになり、楽になっていくものかと思いますが、Cさんの息子さんは6カ月になっても夜に寝てくれず、苦労していたそうです。ずりばいするようになっても、10カ月で高速ハイハイし始めても寝られず、朝の4時まで遊びに付き合う日も多かったそう。
ところが、初めてのことなので、Cさんは疑問には思わず、赤ちゃんって大変なんだな、と思っていました。

疲弊する母のイラスト

1歳6カ月健診を機に、子育て相談へ通うように

1歳6カ月健診の際、夜に寝ない、落ち着きがない、などの育てづらさを伝えたことで、Cさんは保健センターで行われている子育て相談を紹介されました。これは、医師が話を聞いてくれるもので、必要に応じて保健師さんが紹介してくれます。Cさんは3カ月ごとに通っていたそうです。
なお、読者の方で、相談先を探している方は、下記リンク先からご相談先を探していただくのがよいかと思います。

3歳児健診で発達障害の可能性を指摘され、こども発達センターへ

3歳児健診の日、お子さんが、オムツだけの格好で保健センター内を駆け回り、玄関から出て行ってしまうという出来事がありました。Cさんとスタッフの計4人でお子さんを追いかけ回し、大変な騒ぎだったそうです。健診の結果、発達障害の可能性が高いと指摘され、その後、こども発達センターへ通うことになりました。

息子さんの特徴

主な特徴としては、1歳になっても歩かなかったこと、3歳になっても発語しないこと、昼のオムツが取れる気配がないこと、ものをしっかり握ることができないので、スプーンでご飯が食べられないし、クレヨンで描く線が細いこと。
できないことは多かったのですが、おとなしいわけではありません。興味を持ったものには、すぐに向かっていき、納得するまで止められず、落ち着きがないのです。道路に急に飛び出して危ないので、ハーネスをつけたリュックをつけて歩き、長距離の時は3歳までベビーカーで移動していました。

一方、興味を持ったことには非常に熱心で、電車を6時間もホームで見続けていても苦になりませんし、文字を覚えるのも非常に早い子でした。駅や停留所の名前が読みたいという強い動機があったからです。

お医者様からは、「3歳では確定診断はできないが、ADHDを含む広汎性発達障害でしょう。」と言われました。

夫の変化とCさんの異変

ちらかる部屋のイラスト

子どもが生まれたのとちょうど同じ頃、夫が転職し、その頃から夫にも変化が表れました。
これまでは不平を言ったことがなかったのですが、家の掃除について不満を漏らし始めたのです。
ところが、Cさんは片付けをするのが本当に苦手。
「自分は働いてもいないし、家でも役に立たないし、何もできなくて申し訳ない。」
と自分を責め、自己肯定感が下がっていきました。

そのような状況が続き、息子さんが高学年になった頃、Cさんの体に不調が起き始めました。
まずは歯。まだ若いのに、歯槽膿漏になってしまったのです。歯科にかかると、重症であること、ストレスが原因ではないかということを言われました。
次に、目。眼瞼下垂という状態になり、片方の目がパッチリと開かなくなりました。片方のまぶたが垂れ下がって、顔の印象が変わってしまいました。
それから、子宮筋腫にもなりました。

そんな状態でも、Cさんが考えていたのは、「自分なんかが病院にかかって、医療費がかかってしまって、申し訳ない」ということでした。

メンタルクリニックの受診と発達障害

Cさんは、夫の言動に対する自分の感じ方や体調などを知人に相談する中で、メンタルクリニックの受診を勧められ、受診した結果、軽いうつと診断され、薬を服用するようになりました。
この時、長期的な通院のため、自立支援医療の給付を申請しました。

また、同時期にWISC検査という知能検査を受けた結果、Cさん自身も発達障害であると診断されたそうです。
パズルを解いたり、計算を解くのは得意だけれども、考え事がまとまらない、落ち着きがない、会話のキャッチボールなどは苦手な傾向があるという結果で、Cさん自身も思い当たる性質でした。

お子さんだけでなく、自分自身も発達障害だったと分かったCさんでしたが、Cさん自身は、学生時代は成績もよく、大人になってからも、それほど生活に支障を感じては来ませんでした。
しかし、上記のとおり、子どもが産まれてから、うつを発症し、働くことができない状況になりました。

回復しつつある現在

しかしその後、夫の態度が少しずつ変わっていきました。
Cさんが発達障害であることを知ったためでしょうか、環境の変化があったためでしょうか、もしくはその両方なのでしょうか。
今は掃除ができないことも責めないし、苦手なことを手伝ってくれるとのことです。
そんな夫の変化にも助けられ、多少時間はかかりましたが、現在は状況が改善しているそうです。

Cさんに、もし、同じように困っているママがいたら、どんなことを伝えたいか聞いてみました。

「とにかく、第三者に意見を求めることです。私はしばらく一人でためこんでいたのがいけなかったと思います。母には心配されていたけれど、行動を変えるきっかけにはできませんでした。自分の状況を、信頼できる第三者に相談し、助言を求めることが大事だと思います。」 そして、適切な医療機関につながり、少しずつ状況を改善していくことが大事ですね。

息子さんの発達障害で苦労されていたCさんですが、ご自身も発達障害と体調の悪化など困難な状況を乗り越えて来られたようです。

これは家庭の中だけのことではないと思います。私たち一人一人が、発達障害について関心を持ち、必要な対応を知ることが大切ではないかと感じました。

すぎラボライター ヤリタガリ

 

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