わが子の育て辛さを感じたら「WISC(ウィスク)検査と発達障害」(令和元年9月1日、6年4月1日更新)

 

ページ番号1055217  更新日 令和6年4月1日 印刷 

「すぎラボ」は杉並区で子育て中のママライター・パパライターによるコンテンツです。

子を気遣う母のイラスト

皆さんはWISC(ウィスク)検査というものをご存じでしょうか。もしかしたら、幼稚園や学校の先生に「お子さんに受けさせてみたら」と勧められたことがある方もいるかもしれません。もしくは「発達障害を調べるためのテストでしょ」と理解されている方もいるかもしれません。
そういう私も、実はつい最近までそんな程度のぼんやりとした理解でした。

我が家の場合、息子が小学生3年の時の担任にWISC検査を勧められたのがきっかけでした。とはいえ、先生からは具体的な説明もなく、仕事も忙しかったためそのまま放置。その後、小学生4年から不登校が始まり、なんだかんだで小学生6年の終わりにやっとWISCを受けることになったのですが、いざ受けてみた後も疑問がたくさんありました。

そんな訳もあり、今回すぎラボとして、育て辛さのある息子の母親として、特別支援教育課就学支援相談係(就学前教育支援センター内)の職員の方にWISC検査と発達障害の関係などについてあれこれ聞いてみました。

こどもの発達に不安を感じたら、まずはどこに相談すればいいのでしょうか

相談する両親のイラスト

もし「なんでうちの子は〇〇ができないんだろう」とか「うちの子は集団生活に適応できているのかしら」と言ったお悩みがあるようであれば、まずは通っている幼稚園や学校の先生にご相談いただくのが良いかと思います。というのも、その子の個性が「一般的な範囲内に収まるもの」なのか、それとも「大きくはみ出しているもの」なのかについては、普段の集団生活を良く見ている担任の先生が一番良く分かっていると思うからです。もし担任の先生への相談だけでは不安だとか、もう一歩専門的な相談をしたいということであれば、スクールカウンセラーの先生や巡回の心理士の先生などに相談しても良いかもしれません。

幼稚園や学校等にご相談していただき、そのうえで「お子さんの特性について一度調べてみた方が良いかもしれませんね」などと勧められた場合には、改めて大学や民間の心理相談室、特別支援教育課までご相談していただければと思います。

最近良く耳にするWISC検査とはどんな検査なのでしょうか

WISC検査は「言語理解」「知覚推理」「処理速度」「ワーキングメモリー」の4つの指標とIQ(知能指数)を数値化する検査で、その子の「得意な部分と苦手な部分」から「その子にとってより良い支援の手がかりを得る」ことを目的として行う検査です。

よく誤解を受けやすいのですが、WISC検査は発達障害かどうかを見るための検査ではありません。発達障害かどうかについては、あくまで専門の医師による総合的な判断になりますのでご注意ください。

WISC検査はどんな子に有効でしょうか。

どうしても集団生活に参加できない子どもや、普段の生活がうまく回らない子など、学校や家庭で困りごとがある子が受けることが多いです。

WISC検査はどうしたら受けられますか

WISCの検査を受けるには、いくつかの方法があります。
ひとつは児童精神科などの病院、大学や民間の心理相談室で受ける方法。
もうひとつは区の特別支援教育課で受ける方法です。
それぞれの特徴は下記のようになりますので、目的に合わせて受ける場所を選んでいただければと思います。

特別支援教育課(就学前教育支援センター内)

特別支援教育課(就学前教育支援センター内)では「診断」は出せません。検査の結果を見て、今後どういった支援をしていくべきか、どういった区の支援が受けられるかなどのご相談をしていくこととなります。

病院

明確な診断を知りたい場合は発達外来や思春期外来など、直接病院で受けることをおススメいたします。病院によっては紹介状が必要なこともあるので、その場合はかかりつけの小児科などにご相談ください。

なお、区でWISC検査を受けられるのは中学3年生までとなります。お子さんの状況や、家庭状況などを確認したうえで検査の要不要を判断するため、必ず受けられるとは限りません。また、検査が大変込み合っている場合、実際に検査を実施するまで数か月お待ちいただくこともありますので、ご了承ください(緊急性の認められるものを除く)。

特別支援教育課でのWISC検査の流れについて教えてください

まずは特別支援教育課(電話:03-5929-9481(代表))までお電話でご相談ください。
お子様の状況などをヒアリングし、保護者の方の面談を経て、検査の必要があると判断した場合は日を改めて検査を実施させていただきます。検査当日は、あまり疲れていない状況で受けていただくほうが良いかと思います(2時間程度かかります)。また、子どもは先の見通しが出来ないと力を発揮できないことも多いので、できれば事前にどういう理由でどういったテストを受けるのかなどを本人が見通せるように説明しておいてください(年齢にもよる)。

検査から約1カ月後に、検査結果の概要をお伝えすることとなります。
詳細な報告書がお手元に届くには、さらに1カ月ほどお待ちいただくことになります。

特別支援教育課でWISC検査を受けた後はどんな支援がありますか?

検査自体は、検査結果の分析と今後の方針をお伝えして終了となります。
最後に分析結果が書面で届きますので、検査結果を学校や病院と情報を共有しながら、今後の方針等について考えていただければと思います。

ただ、ケースバイケースではありますが、検査結果によっては病院の受診等をおススメする場合もあります(保護者のご希望があり、かつ特別支援教育課で必要と認められれば紹介状を作成することも可能)。
また、WISC検査とは別の方向で相談や支援が続く場合もあります(特別支援教育課は中学3年生までが対象のため、高校生以上は病院や都の教育相談センターなどへご相談ください)。

もしわが子に障害があると分かったら

もし、どうしても気になることがあるようであれば、発達外来や思春期外来などの病院で相談してみて下さい。区の相談機関は、特別支援教育課になります。

なお、知的障害が認められた場合には療育手帳(愛の手帳)を取得することが出来ます。
療育手帳の取得をお考えの場合は児童相談所までご相談ください(医師の診察があります)。

発達障害の診断が出た場合には、精神障害者福祉手帳を取得することができる可能性があります。
精神障害者福祉手帳の取得をお考えの場合はお住まいの地域を管轄している保健センターまでご相談ください(医師の診断書が必要になります)。

最後に

笑顔の家族のイラスト

自分の息子に特別支援教育課でWISC検査を受けさせた感想ですが、出てきた結果については「あーやっぱりー」という感じで目新しい発見はそれほど多くはありませんでした。ただ、専門家による結果が出たことにより、今までついイライラしてしまっていたことに対しても「しょうがないか」と受け止めることができるようになった点は大きいと思います。

とはいえ、特別支援教育課では、障害や病気が隠れてたりしないかの判断はしてくれません。そのへんハッキリさせたい、という場合は、初めから児童精神科や発達外来などの専門の病院へ行くほうが良いかと思います。

もっとも、病院に行ったからと言って必ず診断が出るとは限らず。我が家の場合不登校3年目にしてようやく過眠症「かも」な診断が出たところ。いつハッキリするのかは神のみぞ知るですが、あまり焦らずのんびり構えようと思っている今日この頃です。

すぎラボライター 晶姐

お問い合わせ先

WISC検査、就学支援について

教育委員会事務局特別支援教育課
〒166-0016 東京都杉並区成田西2丁目24番21号 就学前教育支援センター内
電話:03-5929-9481 ファクス:03-3311-0050

療育手帳(愛の手帳)について

  • 18歳未満の方
    東京都杉並児童相談所
    電話:03-5929-9481 ファクス:03-3311-0050
  • 18歳以上の方
    • 東京都心身障害者福祉センター 障害認定課認定調整担当
      電話:03-3235-2961 ファクス:03-3235-2959
    • 東京都心身障害者福祉センター 多摩支所相談担当
      電話:042-573-3311 ファクス:042-576-5295

精神障害者保健福祉手帳について

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このページに関するお問い合わせ

子ども家庭部管理課庶務係
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電話:03-3312-2111(代表) ファクス:03-5307-0686