病児保育を利用してみました(平成30年6月1日)

 

ページ番号1041410  更新日 令和6年3月7日 印刷 

「すぎラボ」は杉並区で子育て中のママライター・パパライターによるコンテンツです。

最新情報は施設及び区のホームページにてご確認ください。

病児が寝ているイラスト

これから夏風邪が増えていく時期、子どもの熱が長引いて、なかなか保育園や幼稚園に行けないというご家庭もあるかと思います。「今日はどうしても仕事を休めない。」そんな時、頼りになるのが病児保育です。
杉並区には区が運営委託している病児保育施設が2つあります。今回は、すぎラボメンバーのmomon(モモン)も利用したことがある「すぎなみ病児保育室しーず(seeds)」(以下、「しーず」)について、どのような施設で、どのように利用したら良いかをご紹介します(平成30年4月末時点)。

「しーず」とは?

「しーず」は、保護者が就労しており、杉並区内等の保育施設に通う生後5カ月から小学校就学前までのお子さんを対象に、病児・病後児保育を行う施設です。施設は、丸ノ内線方南町駅より徒歩11分のところにあり、病院に併設されています。
受け入れ可能な病状の場合に、月曜~金曜日の午前8時から午後6時まで子どもを預けられます。受け入れ不可の病名は、流行性耳下腺炎(おたふくかぜ)、水痘、風疹、麻疹、流行性角結膜炎(はやり目)などです。これらの疾患は、空気感染する疾患や感染力が非常に強い疾患のため、預かりが難しいようです。
1日の基本的な流れはおおむね保育園と同じですが、1人1人の病状や発達に合わせ、安静を基本として過ごします。保育中、症状に配慮していただけ、投薬も依頼可能です。
利用費用は1日一律2,500円で、すぎなみ子育て応援券も利用できます。

momonの場合は、子どもが1歳の時から何度か利用させていただいています。風邪や手足口病などで熱が続いた時にお願いしました。
持ち物には普段保育園に持って行くような着替えやオムツ、お昼寝用バスタオルなどに加え、食事やおやつが含まれ、少し準備するものは多いですが、可能なものは前もってセットを作っておくと急な際にも慌てず良いと思います。
予約は前日の午前8時から受け付け開始されます。定員が6名のため、キャンセル待ちになることもありますが、その場合も当日キャンセルが出ることもあるため、回ってくることも多い印象です。
時々の利用ですが、子どもは具合が悪いことが分かっているからか、朝預ける時はほぼ泣かず、すんなりお部屋に入ってくれます。何度か利用すると保育士さんも前回の様子を分かってくださるのか、フレンドリーで預ける側としても安心です。
実際の利用状況など、気になる点を「しーず」にお伺いしました。

年間のべ800名超が利用

しーず入口の写真

momon:昨年度の利用状況を教えてください。混雑時期はありますか。

しーず:平成29年度の登録者数は、約300名(「しーず」直接の登録数。杉並区役所や「ちぎら医院病児保育室 ラビットルーム」での登録は除く)で、利用者数は年間のべ824名でした。季節や、その年に流行する疾患によって利用者数の増減がありますが、混雑時期は、6月~8月の夏期に次いで1月後半~3月の冬期です。


momon:実際利用されたお子さんの、年齢や病状の傾向を教えてください。

しーず:年間を通して、1歳児の利用が半分以上を占めており、0歳~2歳児だけで全体の7~8割を占めます。また、1番多い疾患は年間では「感冒」、いわゆる一般的な風邪で、全体の半分以上を占めます。月ごとでは、冬期、特に1月、2月はインフルエンザでの利用が半分以上を占めることもあります。

momon:他の症状の子どもと居て、うつったりする心配は無いのでしょうか。

しーず:おもちゃやテーブル、イス、棚、ドアノブ等の消毒を徹底し、感染拡大防止には十分配慮しておりますが、当施設は1人1人個室での対応ではないため、他の病気がうつる可能性が全くないとは言い切れません。そのため、ご予約時の病状によっては、他の病後児保育施設などをご案内することもあります。

専門スタッフが保育

momon:病児保育ですと症状のケアなども必要かと思いますが、スタッフはどのような方々ですか。

しーず:当施設は、保育士4名看護師2名がお預かりしたお子さまに保育と看護を行っており、全員有資格者です。医療保育専門士の資格(民間資格)を有する保育士も1名おります。

momon:症状が悪化した場合は、どのような対応になりますでしょうか。お迎えなどの連絡もありますか。

しーず:当施設に隣接しています病院が協力医療機関となっており、病状悪化や急変時などの場合は、小児科医師にご協力いただき、医師の判断により必要な場合は処置などを行っていただきます。この場合は、必ず保護者にお迎え依頼をいたします。
その他、数日間食事が摂れていない、水分が摂れず脱水の危険性が考えられる場合も、保護者へ連絡し早めのお迎えをお願いすることがあります。また、慣れない環境で過ごすことにより、安静がはかれず病状が悪化する可能性がある(1日泣き続ける、睡眠がとれないなど)と判断される場合も早めのお迎えをお願いすることがあります。

施設内の様子の写真

施設内壁装飾の写真

身近な施設としてお気軽にご利用を!

momon:持ち物で気になるのがお昼やおやつですが、保育園ママなど、普段お弁当に慣れてないご家庭もあるかと思います。どのようなものを用意したら良いでしょうか。

しーず:体調が悪いと食欲がなかったり、慣れない環境の中では食事が進まない、ということがよくあります。そのため、お食事は普段お子さまが食べ慣れているもので、その時の体調に合わせたものをご持参ください。
熱が高い、のどが痛い、下痢が続く、などの場合は、おかゆややわらかく煮たうどん、ゼリー、バナナ、プリン、ヨーグルトなど、食べやすく消化のよいもののご準備をお願い致します。当施設には冷蔵庫や電子レンジもございますので、冷蔵保存や温めが必要なもの、市販のものでも可能です。夏季は、食中毒対策のため、「傷みやすい食材は使用しない」、「保冷剤を使用する」などのご配慮をお願いします。
おやつについてですが、ここでは、おやつ=お菓子類ではなく、「補食」(1日3食では補えない栄養素やエネルギーを摂るための食事)になりますので、甘いお菓子類ではなく小さめのおにぎりやパン、野菜や果物類、ヨーグルトやチーズなどの乳製品をおすすめします。誤嚥の危険性が高い、団子、飴、ガムなどの持参はご遠慮ください。お薬を飲む際に必要な場合はゼリーやアイスなどもご持参ください。病状により食事がなかなか摂れないなどで、持参の食事に迷う場合は、ご予約時にスタッフまでご相談下さい。

momon:最後に、皆さんにメッセージをいただけますでしょうか。

しーず:初めて利用される方には、病児保育室とはどのような施設なのか?何をするところなのか?どのような場合に利用して良いのか?など、わからないことや、不安なことがたくさんあるかと思います。ぜひ、利用案内や2カ月に1回発行している「しーず通信」(区内保育施設などに掲示)などをご覧ください。また、ご質問などがありましたら、お電話でお気軽にお問い合わせください。「すぎなみ病児保育室しーず」をもっとたくさんの皆様に知っていただき、身近な施設として今後も地域の皆様に貢献できればと思います。どうぞよろしくお願いいたします。

施設内装飾の写真

終わりに

「しーず」は園長先生を始め、スタッフ皆さんが温かい素敵な場所でした。まだご利用されていない方は、もしもの際の頼れる場所として、ぜひ利用を検討してみてください。
利用にあたっては、年度ごとに事前登録が必要です。詳しくはこちらをご覧ください。

今回、ご紹介した他にも杉並区には「ちぎら医院病児保育室 ラビットルーム」や民間施設の病児保育があります。最寄りのエリアで病児保育施設を探してみてはいかがでしょうか。

すぎラボライター momon(モモン)

 

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