浜田山小学校 意見交換会(5年12月4日)
生活向上委員会・栽培委員会5・6年生 意見交換会テーマ「安心できる浜田山小学校をつくるためにできることって何だろう?」
浜田山小学校では、人とのかかわりをとおして非認知能力(注1)を育てるため、特別活動に力を入れ「考える委員会活動」「自分たちから動く委員会活動」を目指しています。
今回は、生活向上委員会と栽培委員会の子どもたちが「安心できる浜田山小学校」をつくるために(1)自分たちにできること(2)先生たちや地域、杉並区にしてほしいことについて意見を交換し合い、現在の学校生活に対する思いを話しました。
(注1)非認知能力:積極性や粘り強さ、リーダーシップやモチベーションの高さといった数値では図りにくい能力のこと。
はじめに…
冒頭に、教育委員会の指導主事から今回の意見交換会についてお話がありました。
「子ども権利条約」は世界中の全ての子どもたちがもつ権利を定めたルールであり、また、「杉並区教育ビジョン2022」は「みんなのしあわせを創る杉並の教育」を掲げ、全ての人が学びをとおして自分らしく豊かに生きていくための基本的な考え方を示しているものである。そして、子どもの権利条約と教育ビジョンが、子どもが自分の思いを相手に伝えること、大人が子どもの思いを尊重して受け止めることを大切にしているという説明がありました。
その上で、これからの杉並区の教育や子どもの権利について、子どもたちの意見を聴き、その声を反映させたいというお話でした。
「子どもってだけで損をしていること」「大人だけずるいと思っていること」は何だろう?
まず始めに、「子どもってだけで損をしていること」「大人だけずるいと思っていること」はどんなことか考えました。普段から親や先生など大人とコミュニケーションをとる中で、子どもからは言えないことや子どもだから言われること、また子どもにはできないことや大人だけができることなどを振り返りながら、グループに分かれて自分の考えを自由に出し合いました。
子どもたちから出た意見
- ビールとかお酒を飲んでみたい
- お金を自分で稼いで、好きなものを買いたい
- 自分のやりたいことを自分で決めたい
- 子どもがご飯をこぼすと大人はすぐ怒るけど、自分(大人)がこぼしても怒らない
あるグループでは、子どもは経験が浅いから「やりたいこと」や「自分の気持ち」をうまく伝えることができずに大人に頼ることが多いけど、結局は大人が決めてしまって子どもの思いとちがうことが多いという意見が出てきました。本当はもっと自分(子ども)で選択肢を持った上で決めたいという子どもたちの切実な思いが伝わってきました。
「安心できる場所や時間帯・ホッとする場所や時間帯」を考えてみよう!
続いて、「安心できる場所や時間帯・ホッとする場所や時間帯」を考えました。これまで学校や家などで生活する中で、自分が安心したりホッとした気持ちになったときのことを思い浮かべてみると、子どもたちからさまざまな意見が出てきました。
子どもたちから出た意見
-
図書館や本屋
【理由】本が好きな自分にとって、好きなものに囲まれていると安心する。 -
教室
【理由】教室で先生やクラスメイトとおしゃべりするとホッとした気持ちになる。 -
ふくにわ(永福町駅のショッピングモールにある屋上庭園)
【理由】夕日が凄くきれいで気分が癒される。もっと、みんなにも知って欲しい! -
算数の難しい問題が解ける瞬間
【理由】頭がスカッとしてすごく気分が良くなる。
ほかにも「自然が多いところ」や「おばあちゃんの家」にいると気持ちが落ち着くという意見もありました。このように、普段は「家」「学校」または「塾」で過ごすことが多いことから、ときにはいつもと違う場所で気分転換したいという子どもたちの思いを感じました。
一方で、友達とおしゃべりができるから「学校」や「塾」が安心するという意見もあり、安心したりホッとしたりする気持ちは人によって感じ方が大きく異なることが分かりました。
「安心できる浜田山小学校」をつくるために…
ここまでのグループワークをとおして、子どもたちからさまざまな思いや意見を聞くことができました。その上で、今度は「安心できる浜田山小学校」をつくるためにどんなことをしていけばいいか、子どもたちは2つのテーマから考えました。
(テーマ1)自分たちにできること
(テーマ2)先生たちや地域、杉並区にしてほしいこと
「安心できる浜田山小学校」をつくるために、クラスでできることや上級生としてできること、また生活向上委員会や栽培委員会としてできることなど、さまざまな視点から活発な議論が行われました。グループワークが終了し、全体に向けてグループで出た意見を発表する場となると、多くの子どもたちから手が挙がりました。
子どもたちから出た意見(テーマ1:自分たちにできること)
- 自分から積極的にあいさつする
【理由】生活向上委員会では月曜日に10分挨拶運動をやっている。生活向上委員会のみんながあいさつすることで、先生や地域の人みんながあいさつできるとよいと思った。 - 縦割り班活動のときに、自分より小さい学年の子に声をかける
【理由】上級生から声をかけることで、下級生にも安心して学校生活を送ってもらいたいと思った。 - これからもいじめゼロを目指す!
【理由】浜田山小学校では、今も「いじめゼロ」を目指してアンケート調査などをやっている。この取り組みにより困っている人を知ることができるから、これからも「いじめゼロ」に向けた取り組みを続けたい。
子どもたちから出た意見(テーマ2:先生たちや地域、杉並区にしてほしいこと)
- 全校生徒が参加する行事・イベントを増やしたい!
【理由】縦割り班活動以外にも、下級生から上級生までが交流したい。 - いろいろな先生と話したい!
【理由】担任の先生だけでなく、たくさんの先生と会話してお互いを知りたい。 - 今も地域の人はいろいろなことをしてくれていると思う!
【理由】この前に開催した開校70周年式典に、地域の人がたくさん来てくれた。ほかにも、地域の人が桜の木を植えたり体育館のスクリーンなどを寄贈してくれたりしたと聞いた。通学路でも交通安全のシルバーさんが立ってくれるなど、普段から地域の人にお世話になっている。
意見交換会を振り返って…
意見交換会では、始めに「子どもってだけで損をしていること」「大人だけずるいと思っていること」を考えました。さらに「安心できる場所や時間帯・ホッとする場所や時間帯」について考えた上で、「安心できる浜田山小学校」をつくるために(1)自分たちにできること(2)先生たちや地域、杉並区にしてほしいことについて意見を出し合いました。
今回は生活向上委員会と栽培委員会の子どもたちが参加したことから、学年やクラスが異なるメンバーでのグループワークとなりました。それでも、どのグループにおいても、子どもたちはメンバーとの会話を楽しみながら自分の思いを熱心に伝えていました。与えられたテーマに対して、自らで考え、お互いの声に耳を傾け、そして思いを伝える。そんな子どもたちの姿から、浜田山小学校が目指す「主体的・対話的に学び、 自立する児童」が着実に育っていると感じることができる意見交換会となりました。
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