済美小学校 意見交換会(5年10月31日)
6年生 意見交換会テーマ「済美小学校の大事な一人になろう」
杉並区教育ビジョン2022では「みんなのしあわせを創る杉並の教育」を掲げ、「学びあい、信頼をつくり、共に生きる」「ちがいを認め合い、自分らしく生きる」「誰もが社会の創り手として生きる」ことを大切しています。
一方で、済美小学校は「かしこく、心ゆたかに、たくましく」を教育目標とし、合わせて「済美小学校の大事な一人になろう」「みんなと生きる済美の子」を掲げています。
今回の意見交換会は、済美小学校の6年生が「杉並区教育ビジョン2022」や「子どもにやさしいまち」について事前授業で理解を深めたうえで、「教育目標を実現するために自分たちにできること、やるべきことは何か?」を話し合いました。
事前授業(5年10月26日)
事前授業には教育委員会と子ども政策担当の職員が参加し、子どもを取り巻く状況に関する2つのテーマから意見交換会の目的や趣旨などについて話しました。
テーマ1「子どもにやさしいまち」ってどんなまち?(子ども政策担当)
テーマ2「杉並区教育ビジョン2022」ってなんだろう?(教育委員会)
事前授業の様子
テーマ1「子どもにやさしいまち」ってどんなまち?(子ども政策担当)
子ども政策担当課長から、「子どもにやさしいまち」「全ての子どもが自分らしく生きていくことができるまち」を実現するための決まり(約束)となる条例をつくろうとしていること、そのために主役である子どもたちから思いを聴き、たくさんの意見を取り入れたいというお話がありました。
テーマ2「杉並区教育ビジョン2022」ってなんだろう?(教育委員会)
教育委員会の指導主事から、杉並区教育ビジョン2022が子どもたちの声を取り入れながらどんな思いが込められてつくられたか、「子どもの思いを尊重する」「対話を大切にする」などビジョンが大切にする5つの視点についてお話がありました。
このような区職員の説明をとおして、子どもたちは意見交換会の目的や趣旨について知りました。普段は聞きなれない言葉が多く並ぶ中、難しい話にも真剣に耳を傾ける子どもたちの様子を見ることができました。
意見交換会(5年10月31日)
はじめに…
意見交換会の当日は、冒頭に校長と杉並区子ども家庭部長から、今日の意見交換会のテーマや主旨についてお話がありました。
事前授業では、子どもの権利条約に掲げる4つの原則や子どもの権利擁護に関する区の取り組みなどから、子どもたちは自分を取り巻く国や区の状況について知りました。その上で、今度は済美小学校の教育目標を実現するために自分たちに何ができるか、意見を交換しました。
みんながしあわせになる学校
まずは、教育ビジョンに掲げる「みんなのしあわせを創る杉並の教育」を受けてどんな学校を作りたいか、グループで考えました。各グループには区職員や子どもの権利擁護に関する審議会委員などの大人も加わり、子どもたちの考えをもとにさまざまな意見が飛び交いました。
子どもたちから出た意見
- 一人一人が自分の意見を持てる学校
【理由】自分の意見を持つと自信がつき、自ら行動することができる。 - 自分の意見を自由に言える学校
【理由】人それぞれ価値観は違うから全員の意見を取り入れるのは難しいと思うけど、意見を取り入れられるようにルールを工夫して作れる学校がよい。 - 自分の意見がしっかりと相手に伝わる学校
【理由】嫌なことを嫌と言い、それが学校に伝わればいじめや問題が少なくなると思う。
話し合いの中で意見という言葉が多く出てきました。「みんなのしあわせ」を実現するためには、子どもたちの意見が尊重される必要があり、そのためには、(1)意見をしっかり持つこと(2)意見をはっきり言えること、そして(3)意見をきちんと受け止めることの3つの視点が大切であるという考えに辿り着きました。
教育目標の実現に向けて…
続いて、済美小学校の教育目標を実現するために自分たちに何ができるか、グループごとに2つのテーマについて意見を出し合いました。
テーマ1「済美小学校の大事な一人になろう」を実現するために自分たちにできること
テーマ2「みんなと生きる済美の子」を実現するために自分たちにできること
子どもたちから出た意見(テーマ1)
- 1年生から5年生のお手本になる行動をする
【理由】下級生のお手本になる行動をすることで、下級生が上級生になったときに自分たちの行動を真似して良い行動をとってくれる。 - 全校(児童)みんなで引っ張っていくものだと理解する
【理由】一人一人に学校をつくる役割があることを意識して、みんなで良い学校を作ろうと思わないといけないと思う。 - 先生たちとも仲良くする
【理由】先生や校長先生と仲良くして顔や名前を覚えてもらえると、済美小学校の大事な一人になった気がしてうれしい。
子どもたちから出た意見(テーマ2)
- 1年生から5年生と交流して仲を深めていく
【理由】学年に関係なく済美小学校みんなが仲良く生活したい。 - 委員会やクラブなどの時間にさまざまな学年と話し合う
【理由】委員会やクラブの時間に上下関係なく意見を出し合ったり、交流したりしたい。 - 何事にも一人じゃなくてみんなと取り組む
【理由】みんな「と」とあるのは、みんなと「一緒に」という意味だと思う。また、みんなで取り組むことで協調性が向上する。
他学年との交流を深めることで済美小学校の「みんなと生きる」ことにつながり、そしてみんなが学校に意識を向けることで一人一人が済美小学校の「大事な一人」になることができると、子どもたちは考えを深めました。
意見交換会を振り返って…
今回は、事前学習で「子どもにやさしいまち」「杉並区教育ビジョン2022」について知り、その上で、済美小学校の教育目標「済美小学校の大事な一人になろう」「みんなと生きる済美の子」を実現するために自分たちにできることをグループで話し合いました。授業の最後に今日の振り返りをする中で、子どもたちはさまざまな感想を話してくれました。
意見交換会の感想
意見交換会をして、子どもが大人に意見を伝えないといけないと感じた。
しっかり伝えられるように頑張る!
話し合うことで意見がはっきりした。
自分で考えたことを言語化するのは楽しかった!
大人が自分の話を真剣に聞いてくれてうれしかった!
また、大人も自分の思ったことを伝えてくれたので良かった!
いろいろな意見が出て、自分の考えが6倍くらい広がった!
また、あるグループからはこんな意見が挙がりました。
(済美小学校のために)自分たちにできることを聞かれるのはむずかしいけれど、残りの学校生活で自分たちがやりたいことを実現していけば、済美小学校が「みんながやりたいことを実現できる学校」になることにつながると思う!
ただ自分がやりたいことをやるのは簡単ですが、それではみんなと生きる、みんなが済美小学校の大事な一人になるということにはつながりません。しかし、意見交換会に参加した子どもたちは「みんなが楽しむために自分ができることは何か?」を第一に考え、その中で自分のやりたいこと、やるべきことを選択しているように思いました。そんな子どもたちの様子を見ていると、一人一人がお互いを大事に思いやり、みんなで残りの学校生活を充実させようという気持ちが伝わってきました。
「済美小学校の大事な一人になろう」「みんなと生きる済美の子」これまで済美小学校が大切にしてきた考え方が、今もたくさんの子どもたちに根付いていることが分かりました。
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