高円寺学園 意見交換会(5年7月20日)

 

ページ番号1088979  更新日 令和5年9月1日 印刷 

9年生 意見交換会テーマ「杉並区子ども基本条例案を考えよう!」

杉並区教育ビジョン2022では、全ての人が「学び合い、教え合い、かかわり合う」教育の当事者として、「子どもの思いを尊重する」「対話を大切にする」「社会を創る当事者として考える」ことを大切にしています。
今回の意見交換会では、高円寺学園9年生の生徒たちが、「子どもの人権」について国や杉並区の動きから理解を深めながら、「杉並区の子ども全員を幸せにする条例案」を考えました。

用語を整理してみよう!

意見交換会の冒頭では、条例案を考えるために必要な用語について、担当の三輪巧介主任教諭からレクチャーがありました。

用語の説明を聞く生徒たちの写真

「子ども」「条例」「人権」など、「ニュースや新聞で目にすることはあるけど、よく考えるとどういう意味なんだろう?」と疑問に思う用語について、三輪先生の話を聞きながら改めて整理しました。

子どもの人権は守られていますか?

次に、タブレットに表示された「子どもの人権」に関する5つのアンケートを通して、「子どもの人権は守られているのか」考えました。

子どもの人権に関する5つの質問に回答する生徒の写真

  • 自由に生きる権利はおおよそ守られているか
  • 平等に生きる権利、差別を受けない権利はおおよそ守られているのか
  • 健康で文化的な生活をする権利はおおよそ守られているのか
  • 学校に通う権利はおおよそ認められているのか
  • 幸せを追求する権利はおおよそ守られているのか

普段はあまり考えないような質問に、「今までの自分の経験」「家や学校のこと」などに考えを巡らせながら、タブレットに答えを入力しました。

国や東京都、杉並区の「子どもの人権等にかかわる動き」を知ろう!

「子どもの人権」について考えた上で、今度は国や東京都、そして杉並区の「子どもの人権・生活等にかかわる動き」について学びました。

国や東京都の動き

戦後の「日本国憲法」施行から今年の「子ども基本法」の施行まで、「子どもの人権に関する歴史」について三輪先生から話を聞きました。

「杉並区基本構想」の策定や「杉並区子どもの権利に関する条例」の制定について話を聞く生徒たちの写真

「杉並区教育ビジョン2022」について話を聞く生徒たちの写真

杉並区の動き

「杉並区基本構想」の策定や「杉並区子どもの権利に関する条例」の制定など、杉並区のこれまでの動きや、「杉並区教育ビジョン2022」について、区職員の話を聞きました。

実際に条例案を考えてみよう!

三輪先生や区職員の話から「子どもの人権」について理解を深めた上で、今回の授業の目標である「杉並区の子ども全員を幸せにする条例案」を実際に考えました。

条例案を考える生徒の写真

生徒から出た条例案

  • 有休がほしい!
    【理由】無理をしないでぼうっとする時間が欲しいので、「欠席」にならない「有休」がほしい。
  • 自分の伸ばしたい分野を伸ばす権利を守りたい。
    【理由】将来の夢がある子どもが、自分の夢に向かって力を伸ばすことができる。
  • 1日の授業時間を6時間から5時間に減らす。その代わりに土曜日も授業をする。
    【理由】たくさん学校にいきたい!

「自分のしあわせ」「みんなのしあわせ」について考えながら、理由も含めて条例案をつくる生徒たちの様子を見ることができました。

考えた条例案をグループで共有しよう!

続いて、グループに分かれて条例案を共有しました。「子どもにとってしあわせってなんだろう?」「子どもが幸せになるためには、どんな権利が必要だろう?」。自らで考えた条例案を振り返りながら、各グループに区職員も加わり、意見を出し合いました。

 

条例案について意見交換する職員と生徒の写真

自由ってなんだろう?

これまでの自身の経験や、グループで出た意見を振り返りながら条例案を考えていく中で、「そもそも自由ってなんだろう?」という疑問にたどり着きました。人によって自由の感じ方が異なることから、子どもたちからはさまざまな意見が出てきました。そこで、ある生徒から自由じゃないと感じる状況を出し合おう」と提案がありました。

自由について意見交換する職員と生徒たちの写真

自由じゃないと感じる状況として出た意見

  • 学年間のフロアの行き来ができない(他学年と交流できない)
  • 部活動の時間や種類が少ない
  • 個性を発揮できる場がない
  • 個人にあった授業や学びがない
  • 親からの制限を受けている
  • こどもの夢を受け入れてもらえない

学校や家庭、将来の夢などさまざまな場面で自由が制約されてしまうことがあることがわかりました。また、「子どもたちのさまざまな思いや意見を否定されることが一番自由ではないと感じる」という意見には、グループ全員が頷いていました。「そもそも自由ってなんだろう?」という疑問について意見を出し合った結果、こんな条例案が出来上がりました。

出来上がった条例案

私たちのグループは、「自由に活動できる権利」を条例に盛り込むべきだと思います。
【理由】自由に活動をする(いろんなことにチャレンジする)ことが個人の成長につながる。制限があると子どもは成長できなくなってしまう。

他のグループからも多くの条例案が挙がりました。

その他のグループから出た条例案

私たちのグループは、「自分がやりたいことを受け入れてもらうことが大切」という内容を条例に盛り込むべきだと思います。
【理由】なんでも頭ごなしに否定することは子どもたちの意見や、将来を潰してしまうかもしれない。

私たちのグループは、「自分らしく、自分にあった選択をできる権利」という内容を条例に盛り込むべきだと思います。
【理由】子どもの時から親や周りの大人にいろいろ決められて生きていたら、大人になったときに本当に自分がやりたいことができず充実した人生が送れない。

グループワークをとおして、仲間や区職員の声に耳を傾けながら、協力して条例案をつくることができました。

意見交換会をとおして…

今回は、「子どもの人権」について、5つのアンケートと国や東京都、杉並区の動きから理解を深めました。また、「杉並区の子ども全員を幸せにする条例案」を実際に考え、区職員も参加したグループワークで意見を交換しました。「条例案をつくる」という難しい目標だったにもかかわらず、どのグループも「子どものしあわせ」を第一に考え、仲間との対話を大切にしながら責任感を持って目標と向き合っていました。

授業の講評を話す区職員の写真

生徒たちから出た意見交換会の感想

これからの条例が自分たちの意見が採用される可能性があると聞いて、びっくりした。自分たちの意見が反映されるために、どんどん自分の意見を伝えることを大切にしていきたいと思った。

みんなの意見を改めて聞くことができたし大人の考えも交えて話し合いをすることができてよかった。条例は大人だけが決めるものだけじゃないと知ることができた。自分の思いも他の人の思いも平等に尊重されるべきだと思った。

杉並区の子どもみんなをしあわせにする条例の制定に一歩近づく。そのために今回の意見交換会が有意義な機会となったと感じることができました。

授業の感想を入力したタブレットの画面

 

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