食品衛生ミニ知識
食中毒
食品中に含まれる有害物質や食品中で大量に増えた菌、毒素を、食品とともに摂取することで起こる胃腸炎症状などの健康被害の総称です。
原因となる物質によって、細菌・ウイルスによる食中毒とフグ・毒キノコなどによる化学性食中毒に分けられます。
従来、食中毒発生のピークは夏でしたが、冬もノロウイルスによる食中毒が多く発生しています。このため、年間を通じて食中毒への対策が必要です。
食中毒を起こす主な細菌・ウイルス
ノロウイルス
- 主な症状
- 吐き気、おう吐、下痢、発熱
- 潜伏期間
- 約1日から2日
- 原因となりやすい食品
-
カキの生食、シジミ醤油漬けなど
感染者の手指等で汚染された食品
カンピロバクター
- 主な症状
- 下痢、発熱
- 潜伏期間
- 約2日から5日
- 原因となりやすい食品
- 鶏肉の生食(鳥刺し等)、加熱不十分な鶏肉、汚染された飲料水など
サルモネラ
- 主な症状
- 腹痛、下痢、発熱(38℃以上)
- 潜伏期間
- 約8時間から48時間
- 原因となりやすい食品
- 食肉(レバ刺し等)、鶏卵加工品(自家製マヨネーズ、洋生菓子)、ウナギ、スッポンなど
腸管出血性大腸菌O157
- 主な症状
- 下痢(血便)、腹痛
- 潜伏期間
- 約1日から14日(多くは3日から5日)
- 原因となりやすい食品
- 加熱不十分な牛肉や牛内臓肉
腸炎ビブリオ
- 主な症状
- 腹痛、下痢、おう吐
- 潜伏期間
- 約8時間から24時間
- 原因となりやすい食品
- 魚介類の刺身、すしなど
黄色ブドウ球菌
- 主な症状
- おう吐、吐き気
- 潜伏期間
- 約2時間から6時間
- 原因となりやすい食品
- おにぎり、仕出し弁当、サンドウィッチなど
ウェルシュ菌
- 主な症状
- 下痢、腹痛
- 潜伏期間
- 約6時間から18時間
- 原因となりやすい食品
- 前日に大量調理したカレー、スープなど
アニサキス症
- 主な症状
- 激しい腹痛
- 潜伏期間
- 8時間以内
- 原因となりやすい食品
- 魚介類の生食(サバ、イカ、カツオ、サンマ等)
食中毒予防の3原則「食中毒菌をつけない、増やさない、やっつける」
食中毒予防のため、3原則を徹底しましょう。
つけない
- 調理前は、よく手を洗い消毒する。
- 食材の汚れを落とす。
- 海の魚は水道水で洗う。
- まな板を使い分ける。
- 体調の悪いときは、調理を避ける。
- 調理後は、使用した器具を洗浄・消毒する。
増やさない
- 調理後、早めに食べる。
- 食品を保存するときは冷蔵庫に入れる。
- 生ものは買い物の最後に購入する。
やっつける
- 中心部まで十分に加熱する。
(注)消毒は、洗剤などを用い、汚れを落とした後、十分に水を流してから行います。
関連ホームページ
- 特集「食中毒を防ぐ3つの原則・6つのポイント」(政府広報オンライン)(外部リンク)
- お役立ち情報「ご注意ください!お肉の生食・加熱不足による食中毒」(政府広報オンライン)(外部リンク)
- つけない!増やさない!やっつける!家族と自分を食中毒から守る予防法(政府インターネットテレビ)(外部リンク)
- 家庭でできる食中毒予防の6つのポイント(厚生労働省ホームページ)(外部リンク)
- 食中毒予防のポイント(食品安全委員会ホームページ)(外部リンク)
消費期限と賞味期限
食品の期限表示には「消費期限」と「賞味期限」があります。
これらの期限は、食品の製造者や輸入者が、保存試験などの科学的根拠に基づき、設定しています。
また、容器・包装が未開封で、指定された方法により、保存した場合の期限です。
食品の購入時には、表示をよく確認し、開封後は、急速に品質が劣化する可能性があるため、期限にかかわらず早めに消費しましょう。
消費期限
- 対象となる食品
- 製造後、品質(状態)が急速に劣化する食品
- 具体的な食品の例
- 弁当、調理パン、ケーキ、生肉など
- 表示方法
- 年月日
賞味期限
- 対象となる食品
- 製造後、比較的品質が劣化しにくい食品、期限までは製造時の品質(味、芳香等)が保たれる食品。
- 具体的な食品の例
- ハム、菓子、調味料など
- 表示方法
- 年月日(一部年月のみ)
注意事項
- いずれも未開封の状態で、表示に記載された保存条件で保存した場合の期限です。
- 賞味期限が3カ月を超える場合、年月のみの表示ができます。
- 消費期限で表示された食品で、期限が過ぎた場合には、なるべく食べずに処分しましょう。
関連情報
このページに関するお問い合わせ
杉並保健所生活衛生課食品衛生担当
〒167-0051 東京都杉並区荻窪5丁目20番1号
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