子どものヒヤリハット2歳娘の転落事故編(令和3年7月15日)

 

ページ番号1067153  更新日 令和4年6月27日 印刷 

「すぎラボ」は杉並区で子育て中のママライター・パパライターによるコンテンツです。

経験したくはないけど経験してしまった小さな子どもの転落事故。幸いにも大事に至る事はなかったので、こうして記事にしてお話をしたいと思いました。事故の経緯と、その後の対応についてリアルにご紹介します。

2歳の娘が1.7メートルの高さから落下

2歳の娘の転落事故は、杉並区内の公園にある太い丸太でできたアスレチック遊具で起きました。
親の私がもっと注意していればよかった、その一言に尽きるのですが、娘の運動神経を過信しすぎていたと言うか、娘が無謀すぎると言うか。
娘は小さな頃から、3歳年上の息子がやるどんなことでも自分もできると思って、真似をしていました。この日も息子がアスレチックに上っているのを見て、後に続いていました。

兄の後を追うつもりの妹(写真)
兄の後を追うつもりの妹

転落事故が起きてしまった公園

もともとの自然を生かして作られた、年配の方から小さな子どもまで広い年齢の方に愛される公園です。ゆるやかな傾斜にたくさんの高い木があって、大きな木を囲むように作られた丸太を使ったアスレチックのような遊具があるのが特徴です。
アスレチックを組んでいる丸太の太さがおよそ20センチメートル。40センチメートル間隔くらいでかけられたはしごを2メートルほど登ると、縦横に丸太が2本ずつ組まれていて、木の周りをまわることができます。子どもはちょっとしたツリーハウスに上がったような気になるようで、この日も小学生位の子どもたちがひっきりなしに遊んでいました。

ハードなアスレチック

5歳児の息子であれば手も届くのですが、丸太が太く、つかまりにくいため、慣れるまでかなり慎重な様子でした。
息子でも苦戦するアスレチックですので、身長83センチメートルの娘の小さな手では、当然丸太をしっかりつかむことはできません。それどころか普通に足をあげるだけでははしごの次の段には届かず、ロッククライミングのように勢いをつけて片手をかけて、体を引き上げるように登っていました。
こんな大変なアスレチックなのに、娘は兄に続けとばかりに上っていき、なんと1回目から自力で上り切りました。しかしさすがに2メートルもの高さで怖くなり、その場から動けなくなってしまい、私が上って抱っこして下ろしました。

高さのある遊具(写真)
高さのある遊具

娘が転落

本当は1回でやめておけばよかったのです。自分で降りられないと言う事は、娘にとっては危険と言う事。
しかし、下ろすと当たり前のようにもう1回と娘は上に登っていきました。せめて手が届くところで見守っていればよかったのですが、1回目登ってしまったので、その時の私は油断していました。もしかしたら娘もそうだったのかもしれません。
最後の1段と言うところで手を滑らせて転落したのです。その高さ1.7メートル、娘の身長の2倍以上です。

娘は落下するも無事に見えました

娘が落ちた場所は落ち葉がたくさんある土の地面でした。はしごに合わせて傾斜状で、娘は傾斜の下側に頭がくる状態で落下しました。離れていたので、確信は持てませんが、幸いにも頭は打っていないように見えました。
大泣きする娘に駆け寄ると手を伸ばしてきたので、そのまま抱き上げて、確認しながら汚れを払いました。肘と背中のあたりで少し土汚れが目立ちましたが、やはり頭は汚れていませんでした。
でも。30分経ってもなかなか泣き止まず、その後うとうとし始めて、眠ってしまいました。40分ほど経って、心配になったので声をかけて起こすと、ぐずりながらも起きたので、ひとまず自転車で帰宅しました。
家に到着した時には、娘は落ち着いていました。
「どこが痛かったの?」と聞くと、
「ここ。ここだけ痛い」と、耳の後ろから首のあたりを指さしました。

娘の様子が変わったのは夕飯時でした

帰宅後、夕飯までとても元気に過ごしていました。おやつを食べ損ねていたので、夕飯が待てず、バナナとおやつをつまむ。食欲も戻ってすっかり元気。
落ちた事をすっかり忘れてしまいそうになっていた夕飯時、異変が起こりました。3・4口食事を運んだところで、娘の目がうつろになり、箸を握る手に力が入らなくなりました。ゆっくりと首が下がってきて、テーブルに頬をつけました。吐き気なのか、少し気持ち悪そうです。
慌てて娘に声をかけても、ぼんやりしていて、反応がありません。私は慌てて抱きあげました。力がなく、目が合いません。声をかけても驚くほど反応がない。これには5歳の息子もびっくりして、必死で娘に呼びかけていました。
頭を打っていなかったと思っていたけど、もしや頭を打っていたのか、気が動転して救急車を呼びそうになりましたが、なんとか冷静を保って、救急受診相談の連絡をする事にしました。

救急受診相談の連絡をしてみた

子どもが一大事となるとつい救急車を呼びたくなったり、慌てて救急病院へ駈け込みたくなります。ですが、本当にそこまで緊急性が高いのでしょうか。冷静さを失うと正しい判断がしにくくなります。そんな時、相談先があるのです。

救急受診相談の電話をかけました

娘を抱きかかえたまま、杉並区のホームページを確認し、夫に区の急病医療情報センター(電話:#7399(ナミーキュウキュウ)または03-5347-2252)へ電話をかけてもらいました。しかし、コロナの影響からか、何度かかけなおしても全くつながりません。そこで、東京消防庁救急相談センター(電話:#7119または03-3212-2323)へ電話してもらったところ、すぐにつながりました。

センターとの電話の内容

センターにつながったところで、スピーカーにして家族で聞き漏らしがないようにして会話を始めました。
どもの年齢と氏名を伝え、高所から落ちた事と症状を簡単に伝えました。
すると、「声をかけてみて」とか「指を握らせて」など症状を判断するための指示をいくつか受けました。
その結果、現状であれば救急車は呼ばずに、救急病院に直接電話をかけてからかかってくださいとの事でした。
自宅の住所を伝え、近隣で受入れが可能な病院を紹介してもらいます。ただし、嘔吐したり、症状が急変したら、ためらわずに救急車を呼んでくださいとの事。もしこの電話の間に急変したら、救急車を手配しますと言われました。
案内されたのは自宅から5キロメートルから10キロメートル程度の6カ所でした。
小児科、整形外科、脳外科の3つが受診可能なところが1つ。小児科、整形外科のみが3つ。小児科、脳外科のみが2つ。いずれも杉並区外の病院です。
のちほどわかったことなのですが、杉並区には三次救急(生命危機が切迫している重篤患者に対するもの)に指定された病院がありません。今回紹介された病院はいずれも三次救急の病院でした。どうやら頭を打っていた事から救命救急センターや高度救命救急センターが設けられている病院を紹介されたようでした。

結局病院には電話しませんでした

電話を切り、家族で相談を始めたところで、突然娘が言葉を発しました。
「びょういんにはいかないよ」
夫が機転をきかせ、「ちょっと、今からアンパンマンの動画を見てみようか?」と聞くと娘は「やったあ」と駆け寄りスマートフォンを受取りました。目がしっかり画面を追っています。
「スマホを自分で持ってくれる?しっかり持たないとパパが取っちゃうからね」と夫が言うと、娘はしっかりと力強くスマートフォンを握ります。
どうやら眠気と頭を打ったあとの症状を誤解しただけだったようです。
でもやっぱり頭を打ったかもしれないから、24時間は特に注視しようと、夫婦で浅い眠りで朝を迎えました。

翌朝かかりつけ医を受診しました

朝になっても娘は元気。朝ごはんもしっかり平らげ、兄と二人で楽しそうです。でも1メートル70センチの高さから落ちたのだから念のためにと、かかりつけ医を受診しました。小児科と整形外科があるクリニックです。
結論、異常なし。触診で骨も見てもらいましたが異常はなく、目視できるあざや傷すらありません。
先生曰く、子どもは高い所から落ちても結構大丈夫だったりするそうです。高さよりもどこをぶつけたかが大事なのだそう。アンラッキーじゃなかったって思いましょうと諭されました。

かかりつけ医(イラスト)

頭を打った時に注意するべきこと

頭を打った場合、少なくとも24時間は下記症状がでないか注視する必要があるそうです。いずれかに該当した場合は速やかに病院へ相談しましょう。

  • 意識の状態に変化がないかどうか
  • 頭痛が増強していないか
  • 嘔吐を繰り返していないか
  • 失禁がある時
  • 言語がもつれたり、手足の動きがおかしくなった時

おわりに

身近な公園で起こった転落事故。娘に降りかかるとは全く想像していませんでした。でも子どもを持つパパママと話をしていると決して少ない事ではありません。
事故から4カ月がたちましたが、幸いにも娘に異常はでていません。
ですが、公園では子どもたちから目を離さないだけではなく、高い所に上った際には下で待機するように再徹底するようにしようと思った出来事でした。

参考情報

杉並区のホームページに救急受診相談に関する案内があります。

すぎラボでも過去に救急に関する記事やヒヤリハットに関する記事を執筆しています。参考にしてください。

すぎラボライター らくちゃんママ

 

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