越境した竹木の枝の切除に関する規定について

 

ページ番号1093474  更新日 令和6年3月25日 印刷 

空き家から樹木が越境してお困りの場合は、民法の規定に則って、ご自身で対処できる場合があります。
令和5年4月1日の民法改正により、越境した竹木の枝の切除に関する規定が変わりました。

改正前

土地の所有者は、隣地の竹木の根が境界線を越えるときは自らその根を切り取ることができますが、枝が境界線を越えるときはその竹木の所有者に枝を切除させる必要がありました(旧民法233条)。

改正後

土地所有者による枝の切取り

越境された土地の所有者は、竹木の所有者に枝を切除させる必要があるという原則を維持しつつ、次のいずれかの場合には、枝を自ら切り取ることができます(新民法233条3項)。

  1. 竹木の所有者に越境した枝を切除するよう催告したが、竹木の所有者が相当の期間内に切除しないとき
  2. 竹木の所有者を知ることができず、またはその所在を知ることができないとき
  3. 急迫の事情があるとき

注:1の場合に共有物である竹木の枝を切り取るに当たっては、基本的に、竹木の共有者全員に枝を切除するよう催告する必要があります。もっとも、一部の共有者を知ることができず、またはその所在を知ることができないときには、その者との関係では2の場合に該当し、催告は不要となります。
注:1の「相当の期間」とは、枝を切除するために必要な時間的猶予を与える趣旨であり、事案にもよりますが基本的には2週間程度と考えられます。
注:越境された土地所有者が自ら枝を切り取る場合の費用については、枝が越境して土地所有権を侵害していることや、土地所有者が枝を切り取ることにより竹木の所有者が本来負っている枝の切除義務を免れることを踏まえ、基本的には、竹木の所有者に請求できると考えられます(民法703条・709条)。

竹木の共有者各自による枝の切除

竹木が共有物である場合には、各共有者が越境している枝を切り取ることができます(新民法233条2項)。

  • 竹木の共有者の一人からの承諾により、越境された土地の所有者などの他人がその共有者に代わって枝を切り取ることができます。
  • 越境された土地の所有者は、竹木の共有者の一人に対してその枝の切除を求めることができ、その切除を命ずる判決により、代替執行(民事執行法171条1項・4項)が可能となります。

ご案内

越境した竹木の枝の切除についてお困りの時は、法律の専門家に相談することをおすすめします。
区で法律相談(予約制)も行っていますので、ご活用ください。

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