海外での感染症

 

ページ番号1004789  更新日 令和5年7月5日 印刷 

楽しい海外旅行にするために『感染症の予防について』

楽しい海外旅行中、旅行の思い出に浸りたい帰国後、体調を崩したことはありませんか。
食べ物や飲み水、虫刺され(蚊やダニなど)、動物との接触で思わぬ感染症にかかることがあります。海外で感染症にかからないようにするためには、感染症に対する正しい知識と予防方法を身に付けることが重要です。

出国前にしておくこと

長期滞在の場合は、渡航先の感染症流行情報を入手しておきましょう。空港の出国健康相談コーナーには各国の感染症等のパンフレットがあります。短期間の旅行であれば出国前のちょっとした時間に読んでおきたいものです。
渡航前に予防接種を受けておくこと、旅行保険を検討すること、現地の病院の情報を得ておくことも万が一の時には役立ちます。
必要な予防接種は渡航地、滞在期間、渡航地で何をするかによっても異なります。複数回接種するものもありますので、早めに医療機関と相談しましょう。

主な感染症

食べ物からうつる病気

  • 細菌性赤痢・コレラ・チフス・A型肝炎・E型肝炎など
    生の食品や現地の水は感染の心配があります。飲み物に入った氷は現地の水を凍らせて作っていますので注意が必要です。

蚊からうつる病気

  • マラリア・デング熱・黄熱・日本脳炎など
    媒介する蚊に刺されることによって病気になります。肌を出さない様な服装の工夫や、虫除けスプレーの利用、草むらなどに入らないなど行動に注意しましょう。

動物からうつる病気

  • 狂犬病・鳥インフルエンザ・中東呼吸器症候群〔MERS(マーズ)〕
    狂犬病は発病すると100パーセント死亡する怖い病気です。野生動物はもちろん犬や猫をむやみになでないようにしましょう。鳥インフルエンザは、感染した鳥や家禽との濃厚な接触でヒトへ感染する可能性があります。特に流行地などでは、死んでいる鳥や家禽には近付かない様にしましょう。中東呼吸器症候群〔MERS(マーズ)〕は、どのように感染するかはまだ正確には分かっていませんが、ヒトコブラクダがMERS(マーズ)ウイルスの感染源動物の一つであるとされています。MERS(マーズ)が発生している中東諸国でラクダなどの動物との接触は避けましょう。

エムポックス(旧名称:サル痘)

エムポックスは、主に感染した人や動物の皮ふの病変・体液・血液との接触(性的接触を含む)によって感染するウイルスの病気です。
一般的には発熱や発疹(ほっしん)、リンパ節のはれ等の症状がみられ、多くの場合、2~4週間で自然になおります。
主にアフリカ大陸で発生が報告されていましたが、令和4年5月以降、欧米を中心に感染事例が報告されており、令和4年7月には都内で感染者が確認されました。
詳しくは以下PDFおよびリンク先をご覧ください。
(注)令和5年5月26日に「サル痘」から「エムポックス」に感染症法上の名称が変更されました。

ジカウイルス感染症

中南米を中心に、ジカウイルス感染症が多数報告されています。
ジカウイルス感染症はデング熱、チクングニア熱などと同様、蚊を媒介して感染します。
主な症状は、軽度の発熱、発疹、結膜炎、筋肉痛、関節痛、倦怠感、頭痛等で症状は軽度のことが多く、症状の出ない不顕性感染も80%くらいあると言われています。ジカウイルスに感染した後にギラン・バレー症候群(下記説明参照)を発症することがあります。また妊娠中に感染すると、胎児が先天性ジカウイルス感染症により、小頭症などの先天性障害を起こす可能性があります。
ジカウイルス感染症に有効なワクチンはありません。海外の流行地へ出かける際は、できるだけ肌を露出せず、虫よけ剤を使用するなど、蚊に刺されないよう注意してください。妊娠の可能性のある女性は流行地への渡航を控えるようWHOが勧告しています。
また、性行為により男性から女性に感染した事例が報告されています。流行地から帰国したら、症状の有無にかかわらず6カ月はコンドームを使うか、性行為を控えることが推奨されています。

「ギラン・バレー症候群」とは
急性の末しょう神経障害で運動麻痺を起こし、両手両足に力が入らなくなり、動かせなくなります。症状は遅くとも1カ月以内でピークに達し、その後徐々に回復、半年から1年で多くの患者はほぼ完全に回復します。

詳しい情報は下記の関連情報のページをご覧ください。

  • 潜伏期間 2~7日
  • 予防方法 ワクチンはありません。海外の流行地にでかける際は、長袖、長ズボンを着用し、虫よけスプレーを使用するなど、蚊に刺されないように注意することが重要です。帰国してからも2週間は蚊に刺されないように対策します。    
  • 治療方法 ジカウイルスに対する特有の治療はありません。対症療法を行います。

エボラ出血熱

エボラ出血熱は、主として患者の血液、分泌物、吐物、排泄物に触れることにより、エボラウイルスが感染して発生します。しかし、簡単に人から人へ感染する病気ではありませんので、一般の日本人旅行客に対する感染リスクは低いと考えられています。詳しい情報は下記の関連情報のページをご覧ください。

  • 潜伏期間は2~21日で通常7日程度です。発生国からの帰国時に発熱・頭痛・下痢など体調に不安がある場合は、空港や港にある検疫所にご相談ください。
  • エボラ出血熱流行地(ギニア、リベリア、シエラレオネ)への過去1か月以内の滞在歴を有し、かつ発熱症状を呈した場合には、直接、病院等を受診せずに、最寄りの保健所へご相談ください。

その他注意

  • その他にも、ヒトのくしゃみのしぶきでうつる病気(インフルエンザなど)、ヒトの血液や体液でうつる病気(エイズなど)があります。海外旅行という非日常的な環境下では気分も開放的になり、無理もしがちです。充分に注意しましょう。
  • 感染しない・させないためには、食べ物などに気を付けることも大切ですが、感染予防の基本は手洗いです。海外などで手洗いが難しい場合には、消毒用のウエットティッシュを持ち歩くなどしましょう。特に下痢症状がある場合には、軽い症状でも菌を保菌し、家族や身近なヒトへうつす可能性があります。トイレの後などは石鹸を使ってしっかりと手洗いをしましょう。また、咳やくしゃみなどの症状がある場合は、マスクをするなどの咳エチケットを心がけましょう。

帰国したら

帰国のときに体調が悪い場合は、空港検疫所健康相談室で相談しましょう。病気により潜伏期間が異なります。帰国後5日後までに下痢症状があった場合、帰国後7日後までに発熱やのどの痛みなどの症状があった場合には保健所または医療機関に相談しましょう。潜伏期間が長いものもありますで、帰国後2カ月くらいは体調に注意しましょう。もし受診する場合は、海外渡航があった旨を医師に伝えるようにしましょう。

下痢症状がある時の注意

下痢・腹痛などの症状がある場合は、自己判断で薬(下痢止め等)を飲むのではなく、脱水症状が起こらないよう水分補給に注意して医療機関を受診することが大切です。治療は、抗菌剤の服用と症状にあわせた治療になります。
病原体が便の中に出るので、手指や食品、物品について他の人の口の中に入ると二次感染が起こります。感染症予防の基本は手洗いです。日頃からきちんと洗う習慣をつけておくことが最大の予防法です。

海外渡航者むけの情報掲載ホームページ

  • 東京都保健医療局「海外旅行者・帰国者のための感染症予防ガイド」
    海外旅行における感染症の注意点や、予防のポイント、帰国後の健康状態をチェックできる独自の体調管理シートなど。
  • 厚生労働省検疫所(海外渡航者のための感染症情報)
    海外旅行者のための国別情報、流行地域地図、予防接種、検疫所の仕事や所在地情報。
  • 厚生労働省(海外へ渡航される皆様へ)
    ポスターやリーフレットを用いた海外で発生している感染症の予防に関する注意喚起。
  • 厚生労働省(動物由来感染症)
    動物からうつる感染症とその予防方法など。
  • 外務省(各国・地域情勢)
    各国・地域の情報は下記のページをご覧ください。

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このページに関するお問い合わせ

杉並保健所保健予防課
〒167-0051 東京都杉並区荻窪5丁目20番1号
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