誰もが自らを肯定し、希望を持って生きていけるように(令和5年3月17日)

 

ページ番号1086997  更新日 令和5年3月17日 印刷 

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杉並区長 岸本 聡子

3月15日の杉並区議会本会議で「性の多様性が尊重される地域社会を実現するための取組の推進に関する条例」が可決されました。

同性を好きになる方や異性も同性も好きになる方、身体の性と心の性に違和感を持つ方など、性的マイノリティの方々の生活上の不自由さや不安を軽減し、自分らしく生きるためには、区民一人一人が性の多様性について理解することが不可欠です。そのため、性的指向や性自認を内心にとどめることを希望する方の平穏な生活の確保に配慮しつつ、全ての区民が相互に人格と個性を尊重し合いながら共生する地域社会の実現に向けて取り組むために、この条例を制定いたしました。

条例可決に至る過程では、国の法整備を待つべきではないか、東京都が昨年11月からパートナーシップ宣誓制度を開始したのだから区の制度は不要ではないか、といったご意見がありました。しかし、待ちの姿勢で自ら動こうとしないのでは、女性・障害者差別等の歴史的経緯をみても、アンコンシャスバイアス(無意識の偏見)を助長することにつながりかねません。すでに世界の多くの国や自治体が性的マイノリティへの差別をなくしたり、同性婚を認めたりする法律や制度を、時には激しい議論を生みながらもつくってきたのです。杉並区は、住民に最も身近な自治体として、条例により明確に性的マイノリティに対する偏見をなくすための取り組みを“自ら”進めていくべきと考えております。

区としては、区民・事業者に条例の趣旨が正しく理解され、適切な行動につながるよう、啓発活動にしっかり取り組んでいく考えです。また当事者の方々の協力を得て、地域社会の中で全ての区民が対等・平等な人間関係をつくり、相互理解を深めるための努力をしていく所存です。

4月からは、この条例に基づき、「杉並区パートナーシップ制度」がスタートします。これまで生きづらさを感じてきた性的マイノリティのカップルを地域社会が祝福し、支えるための制度として運用するとともに、ここを出発点として、多様なご意見等を把握しながら制度を育ててまいります。誰もが自らを肯定し、希望を持って生きていけるように皆様のご理解とご協力をお願いいたします。

 

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