令和5年11月8日 区長記者会見

 

ページ番号1090726  更新日 令和5年11月20日 印刷 

令和5年11月8日(水曜日)開催の「区長記者会見」について、会見の様子をYouTube(ユーチューブ)杉並区公式チャンネルでご覧いただけます。
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冒頭の区長コメント

本日はお集まりいただきありがとうございます。それでは、記者会見を始めさせていただきます。本日は、現在、改定作業中の総合計画等に関連する事項並びに第4回区議会定例会に提出する補正予算案についてご説明させていただきます。

早いもので私が区長に就任してから1年4カ月が経過しました。任期4年の3分の一が経過したことになります。
私は、就任後できるだけ早く公約の実現に向けた検討を開始するため、昨年度中に総合計画・実行計画等の一部に修正を加えましたが、残りの任期で公約に関する取組を更に進めるとともに、区政を取り巻く社会経済状況に的確に対応するために、来年度に予定されていた計画改定を1年前倒しで改定することとしました。現在、改定案について区内7地域での説明会を開催し、区民の皆さんとの意見交換を行っています。12月4日までパブリックコメントを実施していますので、是非、多くの区民の皆さんにご意見をお寄せいただきたいと思っています。
なお、今回の改定の特色としては、これまでの「施設再編整備計画」を「施設マネジメント計画」に改め、計画策定のプロセスにより多くの区民の意見を反映するようにしました。これは、この間行ってきた施設再編整備計画の検証を踏まえ変更したものですが、これまでは、区が検討・作成した計画案について、パブリックコメントなどで区民から意見をいただく方法でしたが、これからは、計画案の作成段階から対話によるプロセスに重きを置き、施設利用者や地域住民の皆さんと現状や課題を共有し、ワークショップや地域意見交換会などで対話をしながら、計画案としてまとめ上げていくこととしました。

ここで、計画事業に関連して2点ご報告させていただきます。1つ目は、昨年度の計画の一部修正において、参加型民主主義を推進するため私の公約に基づき計画化した「参加型予算」についてです。去る10月31日に区民投票を締め切り、約2,500件を超える投票をいただき、現在、投票者の要件などのチェックを行っているところです。投票いただいた区民の皆様にはこの場をお借りして感謝を申し上げます。今後、投票結果を踏まえ、区の次年度予算案に反映する事業案を決定し、その後、予算案を区議会に提案していく予定です。

2つ目は、今回の改定で新たに施策に加えた「人権を尊重する地域社会の醸成」に関してです。私は、すべての区民が相互に人格と個性を尊重し合いながら共生する地域社会の実現に向け、この間、条例や制度の整備を進めてきましたが、ジェンダー平等や性の多様性の理解増進に関する取組の充実につなげるため、所管の男女共同参画担当課長について、専門的な知識や経験のある方を、令和6年4月1日から任期付職員として公募により採用したいと考えております。そのため、現在、必要な準備を進めているところです。

続きまして、今議会に提案する補正予算案について、主な事業を中心に項目ごとにご説明いたします。お手元の資料もあわせてご覧ください。

今回の補正予算は、22事業について総額約13億円を計上いたしました。予算規模については、資料に記載のとおりです。そのうちの主な事業について説明いたします。

最初に、より良い子どもの居場所づくりの推進についてです。
杉並区では、平成26年度以降、児童館の再編整備による子どもの居場所づくりを進めてまいりましたが、この取組には区民の中にさまざまなご意見があったことから、私が区長に就任して以降、原則として一旦休止し、この間の検証作業を行ってまいりました。
その検証結果は、先の第3回定例会でお示ししたところですが、さまざまな課題があることや、新たな居場所には見られない児童館ならではの特性などが改めて確認できたところです。
こうしたことを踏まえまして、区では、今後のより良い子どもの居場所づくりの指針となる「(仮称)杉並区子どもの居場所づくり基本方針」を令和6年度中に策定することとし、その策定に向けた取組をスタートすることとしました。
この間、数多く行ってきた区民との対話の中では、今後は、子どもの視点からまちづくりや区の政策を描いていくべきではないか、とのご意見を数多く頂戴しました。私も、これからの区政を進める上では、子どもの視点や意見をこれまで以上に大切にし、区政に反映していくことが、重要であると考えております。
こうした思いから、今回のこの基本方針の検討に当たりましては、当事者である子どもの意見を十分に聴いていく、また、聴くだけではなくて一緒に作り上げていくことといたしました。
そこで、今般の補正予算では、子ども自身がどのような居場所を求めているのか、子どもたちの意見を直接聞かせてもらうため、さまざまな居場所を利用する子どもを対象としたヒアリング調査に要する経費を計上いたしました。また、既に再編を行った地域からの意見聴取や、より幅広い子どもや子育て当事者の意見を把握するための無作為抽出アンケート調査や居場所実施者へのアンケート調査などに要する経費も計上しています。
まずは、これらの取組を通じて把握した子どもの思いや意見をしっかりと踏まえて、令和6年4月ごろには、基本方針の(素案)を作成してまいりたいと思っています。
その後の取組に要する経費は、令和6年度当初予算で改めて計上することとなりますが、令和6年4月以降、基本方針(素案)をベースに、子どもたちとディスカッションを重ねながら、子どもの意見を反映するための子どもワークショップの開催を念頭に置いております。
このようなかたちで、子どもの参画を得ながら子どもと共につくる基本方針を令和6年度中に策定できるよう、取組を進めてまいります。

次に、セーフティネット住宅の家賃の低廉化への補助について説明いたします。
私は、常々「住まいは権利」という観点を尊重すべきと考えており、住宅都市杉並の価値を更に高めていくためには、住宅施策の充実が欠かせないと申し上げてきました。
その具体的な手法の一つとして、私の公約でもあります、家賃助成制度については、令和6年度中の創設に向け、検討を進めているところですが、それまでの間、住宅施策として住宅確保要配慮者のために何かできないかということを並行して検討してきました。
そうした中で、不動産団体や賃貸人等に対して、住宅セーフティネット制度の普及啓発を図り、住宅確保要配慮者のみが入居可能な専用住宅への登録を促してきました。
この間、所管がさまざまなチャンネルを使って、賃貸人等に専用住宅の登録の働きかけを行ってきた結果、複数の賃貸人から区の取組にご協力いただけるとの意向が示されたため、当初令和6年度から実施を予定していた住宅セーフティネット制度の家賃低廉化補助を令和5年度中に前倒しして実施することといたしました。
この補助制度は、住宅に困窮する低額所得者が低廉な家賃で賃貸住宅に入居できるよう、専用住宅の賃貸人に対し家賃を引き下げるための補助を行うもので、令和5年度は3戸へ補助を実施する予定です。

その他、実績を踏まえた各事業の追加経費等について、新たな事情や緊急性等の観点から必要な経費を計上しています。詳しくはお手元の資料をご確認ください。

私からの説明は以上になります。ありがとうございました。続いて皆さまからのご質問にお答えする時間にしたいと思います。

記者質問

広報課長
それではここからは皆様からのご質問をお受けいたします。ご質問の際はこちらからご指名の上、マイクをお渡しいたしますので、まず社名とお名前をおっしゃっていただきますようお願いいたします。それでは、ご質問のある方挙手をお願いします。

記者
産経新聞の大森と申します。よろしくお願いします。ちょっと古い話で恐縮ですが、岸本聡子オフィス広報というX(旧ツイッター)をなさっていて、ご自身でいろいろ発信されているかと思いますが、その中で今年の4月区議選の直後に本来は性別を公表していない区議の方の性別を女性に含めて区長が発信なさっているという表記があります。実際に、私もXを確認しましたが、そういう書き込みをされていました。本来公表していないものを公表してしまうというのは、これはいかがなものかという指摘が区議会からも上がっているようですが、この辺について区長はどのようにお考えでしょうか。

区長
はい、ご指摘のとおり、選挙の直後に発表した私の公式の広報Xで性別非公表の方を公表してしまったという経過がございます。これに関してはそれを取り消してご本人ともお話をした上で、ご本人からもこれがアウティングに当たらないという理解をいただいていたところでございます。

記者
わかりました。今回、区長本人が確認されたということですけれど、私もご本人に確認をしたところ、実際には区長が書き込みをする前にはそもそも性別を公表していいですか、どうですかという確認はなかったんですよとおっしゃっていました。今回の問題がアウティングに当たる、当たらないということが本質ではなくて、そもそも性別非公表の方の性別を出していいかということを確認しないで出してしまったというところにあるような気もしますが、その辺についてはどうお考えですか。

区長
適切でなかったと思っておりまして、ご本人にも謝罪をいたしました。

記者
まだXは3本くらいですかね。当該に関する内容は残ったままですけれども、それについては削除等のお考えはありますか。

区長
その投稿について残ったままということですか。すみません、それを残しているということも含め、ご本人と確認したのか、私が削除したのか、それは確認させてください。

記者
最後に、ご本人と確認していなかったことが、適切ではないとお話がありましたけれども、性の多様性の理解増進に関する取り組みに取り組むということになると思いますが、今後、性の多様性尊重条例も制定されておりますし、こういった経緯を踏まえてどういった思いで性の多様性の尊重に取り組みたいとお考えでしょうか。

区長
先ほどの今回の計画改定で新たな人権施策を打ち立てましたけれども、その中には性の多様性を尊重する地域社会をつくるという条例を、さらにその理解促進を地域社会の中で広げていきたいということが条例の本旨ですので、これを改めて全庁的に、そして地域社会とともにやっていきたいという思いを強くしています。やはり、今までの人権施策はもちろん、杉並区も行ってきたのですが、このような新しい課題に対して自治体が主体となって、その理解や促進していくということは大変重要だと私は考えております。

記者
4月の書き込みを踏まえて、今後どう取り組みますか、という事だったんですけれど。性別を勝手に公表してしまったという行為を踏まえた上で、今後どう性の多様性の尊重に取り組んでいかれますか。

区長
それも全く私にとっては関係していると思っておりまして、適切じゃない公表をしたということについて、きちんと謝罪した上で、いろいろな性に関していろいろな立場、センシティブなことがあると思うので、こういったことをみんなで気遣っていこう、尊重していこうという趣旨の条例ですので、これを私自身も当然、強く肝に銘じてまいりたいと思います。

記者
その謝罪というのはご本人に対してのものなのか、あるいはこういう性の多様性に関わる全ての方に対してなのか。そこらへんはどうですか。

広報課長
これで最後の質問でお願いします。

区長
この選挙の直後に不適切なことを公表したということと、杉並区としてこの条例を推進していくことと、大きな関係があるということですか。

記者 
ご自身で性の多様性条例の内容をいろんなところに発表されて推進をされてきましたので、区長ご自身の行為を踏まえた上で何か思いがありますかという質問です。

区長
それはまさにこの条例の趣旨に従って、杉並区だけでなく、たくさんの自治体がこの新しい人権制度、多様性、性のマイノリティーの方たちが苦しんできた状況を救済していく。そして、幸せな人をふやしていくという条例の趣旨というのは、杉並区だけでなく、たくさんの自治体が行っているわけで、杉並区もその一助になろうとしているわけです。これに対して私が不適切に行ってしまったことは、これから地域社会としてというか、杉並区でしっかりと対応していくというレッスン、教訓ということではないでしょうか。

記者
最後の質問の確認なんですが、謝罪はどなたに対して行ったんですか。最後にそれを確認したいです。先ほど謝罪した上でとおっしゃっているので、この謝罪というのは当該区議に対してのものなのか、あるいは性的少数者全てに対するものなのか、どちらに対しての謝罪なんですか。

区長
それは区議に対してです。

広報課長
それではお時間なので申しわけありません。ここで一区切りさせていただきます。それでは、後ろのそちらの席のグレーの方お願いします。

記者
フリーランスの亀松と申します。よろしくお願いします。今日の発表の直前のキーワードとしては出ていないのですが、こちらの事業を執行していくにあたって、非常に関連性があると思うので質問させていただきます。お聞きしたいのが生成AIについて、どのように杉並区として取り組んでいくのかということです。日本時間でいうと昨日ですが、アメリカでチャットGPTの運営企業が発表しました。さらに生成AIの普及が進むだろうと伝えられています。日本でも政府あるいは自治体の多くがこの生成AIを導入する、あるいは一部では条例をつくるなどの動きもあります。杉並区でも議会の中で、ある議員から生成AIについてはどうかという質問も出ております。そういう中で杉並区として今後、この生成AIに対して積極的に導入していくという考えもあれば、慎重に取り組んでいくというのもあるでしょうし、いずれにしても社会にどんどん影響が進んでいく中で、生成AIにどのように取り組むのかというのをお伺いしたいと思います。

区長
生成AIに関して、これは当然と言うか、杉並区として慎重な立場で取り組んで臨んでいくべきだと思っています。この慎重さというのは当然、日本全体、世界全体で慎重さが求められる課題がたくさんございます。著作権に関することもそうですけれども、これはこういった新しい技術に関する国際的、そして国内でもそうですけれども、それを規制するようなルールを決めるようなことが、まだできておらず、適切にできていると考えておりませんので、当然これは杉並区として私としても慎重に見ております。ただ、生成AIを、この新しい技術に対して、しっかりと学習しながら、どのように自治体が生かしていけるかということに対して後ろ向きであるというわけではなく、こういった問題をきちんと考えた上で、慎重な対応をとりたいと思っています。

記者
そうすると他の自治体ではもう導入するというところもあるんですが、杉並区はまだ導入という感じじゃないということですかね?

区長
はい。検討というか研究ですよね。そういう段階だと考えています。

広報課長
はい。それではそちらの方どうぞ

記者
フリーランスライターの畠山理仁です、よろしくお願いします。参加型予算の事についていくつか伺いたいと思うんですけれども、2,500件を超える投票があったということで、まずその数字についての受けとめを伺えればと思います。

区長
参加型予算ですね。2,500件、とても貴重な意思表示だと思って本当にうれしく思います。これは杉並区57万人の区民がいる中で0.5%に満たない、0.44%ぐらいになると思うんですけども、赤ちゃんからお年寄りまで、参加型予算は選挙の投票が可能な18歳ではなく、お子さんから参加できるようにいたしました。このように選挙で意見を表明できない方に開いてご意見を聞きたい、投票してほしいというメッセージを私自身も積極的に発信いたしました。そしてこの2,500という数がとても貴重であると同時に、参加型予算という取り組みを続けていきたいと考えております。これがですね、増えていくということを目指しておりますし、こういった試験的なモデル事業をやることによって、さらに次の時もできることを願って今計画を考えておりますけれども、さらにどのように広げることができるのか、もしくはテーマ設定などについても検討しております

記者
関連で2問目なんですが、今投票者の要件などのチェックを行っているということですが、これは具体的にどのようにして実行しているのかということを教えてください。

区長
まず投票の段階で途中でいろいろなご指摘いただきまして、区民であること、そして職員、議員、区長、特別職でないことということにチェックをして投票画面に行くという改定を行いました。

広報課長
細かいことは所管の課長が後ろに控えておりますので後ほどお願いいたします。

記者
わかりました。あと細かいことになるかもしれませんが、投票のチェックと合わせて投票の内容が知られてしまう可能性というのがないのかということも伺えたらと思いますが、これも課長さんですか?

広報課長
それもシステム的なところになりますので、後ほど課長にお願いします。

記者
なるほどわかりました。後ほど伺います、以上です。

広報課長
そちらの一番前の方お願いします。

記者
読売新聞の松下と申します。参加型予算について追加でお伺いしたいのですが、1点目が投票結果の公開などスケジュールが決まっていたら教えていただきたいです。

区長
詳しい何月何日ということはちょっと申し上げられませんが、そもそも参加型予算で決めた記名投票が多かった事業を次年度の予算に反映させていくということでありますので、その予算編成の時期に間に合うように当然選択を行った上で発表し、そしてそれ以外の情報についてもできるだけ、例えばいただいた意見だとか、そういったことも含めて公表していくという予定です。

記者
ありがとうございます。あと、一部の区議さんとかから指摘というか、誰でも何回でも投票できるのではないかという投票の方法などについて一部批判などもありましたけれど、それに関して区長の受けとめと今年モデル事業だと思うので、来年度以降改善などを考えているのか、考えているのであればどういうふうに投票の方法を変えていくと考えているのかをお伺いしたいです。

区長
この参加型予算の取り組みというのが杉並区だけでなく、東京都、そして豊島区もですし、広がりをみせています。この背景ですが、日本の外に目を向けますと、参加型民主主義をいろんな地域でつくっていく取り組みというのは多く行われており、その数はいろいろ報道されています。ここにはやはり、新しい、市民・区民が参画する、私も対話の区政と言っておりますが、さまざまなチャンネルをつくっていきながら、特に若年層が意見表明をするような機会とか、区の皆さんの税金を使ってどのような事業をしてるのかということに対して関心を持っていただく。そして参画していただくという大きな目標がございます。そのため、この参加型予算の取り組みというのが、私は杉並区にとっても全体にとってもその一つの新しいチャレンジとして大切なことだと思っていますし、それを育てていきたいと思っています。その方法については、いろいろ区議会でもご指摘を受けたことは貴重な意見ですので、この仕組みをさらに良いものにしていくために生かせるものは生かして、仕組みそのもの制度設計を改善していきたいと思っております。

記者
現状については、いろいろな指摘を受けたと思いますが、区長としてこの部分は改善の余地があるとか、ここはもう少しこうしたほうがいいなとか、現時点で何か既に問題意識を持っているのか、投票の方法に関してもしありましたら、それも教えていただきたい。

区長
投票の方法は、デジタルデバイドの問題があります。こういったデジタルをスマートフォンも含め使わない方たちも、きちんと包摂するような形でできる方法がありますが、むしろこういったツールを使ったことのない人たちもツールを使うとこんなに簡単に投票ができるんだという、そういう体験をしてもらうという意味でも、このような投票方法や機会は重要だと思っています。そういう世代とは違う、デジタルネイティブ世代は、特に教育の外でも中でも、こういった形で意見を表明できるという体験をしてもらいたいと思っていますし、それが自分たちの生活に、もしくは区政に生かされるんだという、そのつながりを見せていくことがこの仕組みの大切さだと思っておりますので、そこに尽力していきたいと思っています。よろしいでしょうか。

広報課長
ありがとうございます。すみません。ちょっとここでひとつお知らせです。現在、機材にトラブルが生じておりまして、ライブ配信が中断となっております。申し訳ございません。後日のアーカイブ配信はいたしますので、ご了承ください。区長記者会見はこのまま続行いたしますのでよろしくお願いいたします。

広報課長
それではご質問のある方。

記者
ありがとうございます。新聞赤旗の林と申します。子どもの居場所づくりについてお伺いします。細かいことでしたらすみません。子どもの意見を直接聞かせてもらうため、さまざまな居場所を利用する子どもたちを対象としてヒアリングをするとあるんですけれど、これまで行政ともあまり繋がってこなかったような人たちへ行政がどうつなげるかというアウトリーチの問題もよく言われますが、そもそもの居場所というのはどんな場所を想定していますか。

区長
子どもの居場所ですが、子どもの居場所には、学校の中に小学生の居場所をつくっていく放課後等居場所事業というのがありますし、今は杉並区に児童館がございます。今までは子どもの居場所である児童館を学校の中に学童とともに移していくという方針でしたが、それは一旦中止をして児童館にしかない特性とか、今現在の子どもたちが抱える、例えば学校に行きにくい子どもたちの数が残念ながら増えてしまっている状況を踏まえれば、第3のサードプレイスというものを地域社会の中につくっていくというような検討も含め、多様な子どもの居場所、もしくは行政がつくる場所だけではなく、地域社会には本当にたくさんの小さな居場所というのも実際に存在していますし、それらをどのように増やしていくかということも含まれるかもしれません。または公園など、野外で遊べるような場所も含め、どんな子どもものびのびと過ごせる場所が杉並区にあるということが重要だと思っておりまして、これをみんなで検討していくという趣旨でございます。

記者
ありがとうございます。2点目ですが、セーフティーネット住宅の家賃の低廉化への補助についてです。これは区の独自施策でしょうか。

区長
この施策そのものは国が行っているものです。国の制度を使って自治体がこのセーフティーネット低廉住宅を見つけ、賃貸人が了承し、その制度を使います。そのため、国からの補助と自治体からの補助で成り立っているシステムです。

記者
ありがとうございます。国の制度を、杉並区で使うということにあたって、何か杉並区の独自のものはありますでしょうか。

区長
セーフティーネット住宅のことでよろしいですか。制度そのものの枠組みというのが決まっているので、この件に関しては特に杉並区独自のオリジナリティーのようなものは特にないです。むしろ今、民間の賃貸の空き家の問題があります。一方で区営住宅を新設するのが非常に難しい中で、特に住宅に困窮する方、それから高齢者の方も賃貸住宅に入りにくい状況がございます。民間で空き家になってしまっているところを積極的に呼びかけて、セーフティーネット低廉住宅に登録させていただくという取り組みです。今、3戸の協力を得られたのですが、この数を増やしていく方法を一生懸命考えているところですし、住宅関連のネットワークの方々にも協力していただいて、この住宅制度があることをまず知っていただく。そして、これが賃貸人の方にとっても借りる方にとっても、双方にとってよい制度であるということを見せながら、増やしてまいりたいと思います。

記者
はい、ありがとうございます。

記者 
都政新報の岸です。ハラスメントについて伺いたいのですが、1年前に区長はハラスメントゼロ宣言をされて、少し前に結果が出て、去年に比べて減ったという調査結果が出ているようですが、この要因について区長はどのあたりにあるとお考えですか。

区長 
はっきりとしたことはデータに基づくことではないので、これが理由ですと申し上げることは難しいのですが、やはりまず宣言をするということと、管理職がそれを認識した上で、自分の言葉で私はハラスメントをしません、許しませんというコミットメントを職場で表明するということに、一定の成果があったと考えております。そして、その後も、ちょうど先日でしたが、2回目のハラスメントゼロの職場をつくるという研修を弁護士の先生にやっていただいております。管理職だけでなく、来年度管理職になる職員も含めてこの研修に参加してもらっています。やはりこういう取り組みを継続的に意識的に続けていくことが重要だと思いますし、先ほど申し上げた任期付職員の採用のところは男女共同参画という部署ですので、ここでもハラスメントゼロということを宣言だけではなく、庁内的に重要な文化・事項として行っていくためにも、この新しいポストの方にも活躍していただきたいと私は思っています。

記者
先ほどの新しい方は、そういったハラスメントについても取り組まれる予定ということなんですか、ポストとして。

区長
ポストは今現在あるポストで、その仕事の役割をどのように調整するかというのはまだ検討中なので、これですとはっきりと言えるわけではないのですが、男女共同参画という枠組みはあります。その中で場合によってはお願いできるかもしれないと検討しているところです。

広報課長
よろしいでしょうか。ありがとうございます。それでは、こちらの2列目の方お願いします。

記者
東京新聞の奥野と申します。今日はありがとうございました。子どもの居場所づくりについてなんですけれど、これも広い意味では参加型予算と似ていて、子どもの声を政策に反映するということだと思いますが、子どもの年齢と人数の規模をどのようにお考えでしょうか。あと区長が直接子どもたちの声を聞くことも考えていらっしゃるのか、その辺りを教えてください。

区長
この件に関する子どもの年齢ですが、子どもの居場所の検討に関しては、0歳から18歳までを想定しております。それは、児童館の対象年齢がそうですし、特に今、この居場所に関しては、小学生そして中高生の重要な声を聞くという意味ではこの年齢が重要ではないかと思っています。規模に関してはさまざま行ってまいりますが、0歳から18歳までの子ども各年齢500人ずつにアンケートを実施いたします。さらに重要だと思っておりますのは、子どもたちが複数回参加するワークショップです。複数回にわたって職員とともに意見を聞き、子どもたちとも討論をしながらというワークショップをやりますが、これが重要な取り組みだと思っています。私自身も全部ではありませんが、可能な限り、ぜひ参加したいと思っております。

広報課長
ありがとうございます。先ほど機器トラブルで配信が中断したということを申し上げましたが、現在直りました。会見中ライブ配信が一時中断になっている部分につきましては、議事録など後日ホームページに掲載いたしますので、ご確認をお願いいたします。大変申し分けございませんでした。

区長
子どものヒアリングについて補足させてください。今、子どもの居場所となっている場所のうち、目的や対象、年齢の異なる居場所を10カ所程度選定し、計100人程度の子どもたちを対象にヒアリングを行う予定です。また、小中学校でも3クラス程度でヒアリングを行う予定です。

広報課長
それではご質問のある方、ではお願いします。

記者
NHKの鵜澤です、よろしくお願いします。セーフティーネット住宅の家賃の低廉化の補助の件ですが、先ほど3戸をさらに増やしていきたいということでしたが、この3戸というのはまだまだ少ないというご認識なんでしょうか。

区長
現在杉並区では登録数が既に8戸あります。そして新しく3戸ということで、これを少ないと見るか多いと見るかというと決して十分だとは思っていませんので、これを増やしていきたいという目標を持っています。ただ、今まで8戸しかなかったことを考えても、この制度が知られていないという、その周知などの課題があると思います。これは全国的にもあまり上手に使われていない制度だということはさまざまな指摘があり、ではどうして使えていないのだろうということからいろいろ議論をしています。この3戸というのは、私はとても象徴的に重要だと思っております。こういった取り組みが進むということを、先ほども申し上げたように民間の賃貸で貸したいのに貸せないとか、こういった制度があることを知らないとか、そういった方に伝わっていくことで倍々に増えていってほしいという、そういう気持ちというか計画でやっておりますので、今の時点での数というのは3戸という象徴的ではあると思いますが、これが重要な展開になっていかなければいけないと思っています。

記者
男女共同参画担当課長の公募についても伺いたいのですが、専門的な知識や経験のある方ということですが、具体的にどんなお仕事をされてきた方か、何か考えはありますか。

区長
まだ公募の要綱もできていないので、私があまり詳しいことをいう段階ではないのですが、社会一般を見ますと、例えばたくさんの企業で男女共同参画という枠組みよりは、むしろその多様性とかダイバーシティとか包摂とか、いろいろな立場の方が仕事をしやすい環境というのが、その企業なりその組織にとって大きなプラスになりますし、企業においていえば、まさにそういうことに取り組まないと国際的な競争に参画できないという状況が生まれているのだと思います。そこでの知見や知識・経験というのは相当なものがあると期待しておりますし、区役所においても一生懸命取り組みを進めているところですが、なかなか内部からは見えない視点について国際的な、もしくは民間の今までの良い施策とか実行できるような知見に期待しているところです。

記者
民間からの管理職の登用という形は杉並区ではこれまでも例があるでしょうか。

区長
実はございまして、杉並区では過去に科学館の館長に外部の方を採用した経験がございます。これは平成18年ですね。

記者
最近のこういった担当課長とか、そういう方ではなかったということですよね。

区長
この1件、杉並区では今までの経験としてはこれのみです。

記者
わかりました、ありがとうございます。

広報課長
では、時間も迫ってまいりましたので、ご質問のある方はあと1つ2つとさせていただきたいと思います。ご質問のある方、挙手をお願いいたします。特にございませんでしょうか。ありがとうございます。それではちょっとお時間より前ですけれども、これをもちまして区長記者会見を終了させていただきます。本日はどうもありがとうございました。

区長
ありがとうございました。

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