平和都市宣言
昭和29年、操業中のマグロ漁船「第五福竜丸」がアメリカの水爆実験による“死の灰”を浴びたことから、核兵器の廃絶へ向けて気運が高まりました。
杉並区内では、話し合いや署名運動が散発的に始められましたが、公民館を拠点にあらゆる層の団体や個人が参加して「水爆禁止署名運動杉並協議会」が結成されました。署名は、当時人口が40万人弱の杉並区で2カ月足らずの間に27万人余りの署名が集められました。署名運動は、近隣地域、そして全国に広がり、翌年には、第1回原水爆禁止世界大会が開催されるに至りました。
今日も、世界の恒久平和と核兵器の廃絶を願う心は脈々と引き継がれています。区では、昭和63年に区議会の議決を経て「杉並区平和都市宣言」をしています。
平和のシンボル
オーロラ(杉並区立公民館跡地の碑)
瀧 徹氏作
地球に存在する神秘と美しさが、永遠に続くことを願い、オーロラのもつ自然の素晴らしさを通して宇宙の偉大さを表現しています。原水爆禁止署名運動の発祥の拠点となった公民館の歴史をとどめ、人類普遍の願いである永遠の平和を希求して建立されました。
ジーンズ(平和都市宣言記念像)
佐藤 忠良氏作
スリムなジーンズを履いた半裸の女性像です。無駄のないフォルムと洗練された感覚で、日本人の体質感を表現しています。
背筋をのばし、前を見据えた姿は、健康的で生き生きとしており、通りすぎる人にやさしく語りかけ、まさに“平和”を象徴するブロンズ像です。
アンネ・フランクのバラ
朱・オレンジ・ピンクへと多様に変化するこのバラは「アンネの日記」に感銘を受けたベルギーの園芸家がアンネ・フランクの父、オットー・フランク氏に捧げたものです。
「アンネの日記」を学習した生徒の希望に応えて、平和のシンボルとして昭和51年にオットー氏から高井戸中学校へ贈られました。最初は3株だったバラも、今では、こんなにたくさんの花を咲かせるまでに育ちました。
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