平成19年 意見書・決議等

 

ページ番号1010404  更新日 平成28年1月14日 印刷 

在日外国人無年金高齢者及び障害者に対する救済措置に関する意見書

議決年月日:平成19年12月10日
提出先:衆議院議長 参議院議長 内閣総理大臣 総務大臣 厚生労働大臣

在日外国人無年金高齢者及び障害者に対する救済措置に関する意見書

昭和五十七年の難民条約の批准に伴う国籍要件の撤廃によって、我が国に定住する外国人も国民年金の適用対象となった。
しかし、在日外国人で、当時二十歳以上で既に重度障害のあった者や、さらには昭和六十一年の国民年金法改正時に六十歳以上であった高齢者については救済措置が講じられず、いわゆる「制度的無年金者」となっている。
平成十六年十二月に公布された「特定障害者に対する特別障害給付金の支給に関する法律」によって、障害基礎年金を受給できない学生無年金障害者などは救済されたが、在日外国人無年金障害者については支給の対象とならなかった。
また、在日外国人無年金高齢者についても依然として救済されない状況が続いている。
よって、杉並区議会は、国会及び政府に対し、在日外国人無年金障害者及び高齢者に対する救済措置を早急に講ずるよう強く要請する。
以上、地方自治法第九十九条の規定により意見書を提出する。

平成19年12月10日

杉並区議会議長 河野庄次郎

原爆症認定制度の抜本改善を求める意見書

議決年月日:平成19年12月10日
提出先:衆議院議長 参議院議長 内閣総理大臣 総務大臣 厚生労働大臣

原爆症認定制度の抜本改善を求める意見書

広島・長崎で原子爆弾の被害を受け、「被爆者健康手帳」の交付を受けている被爆者は全国に二十五万人以上存在しているが、「原爆症」と認定されている被爆者はわずか一パーセントにも満たない約二千二百人に過ぎない。
このような状況の中、全国の被爆者が原爆症の認定を求めて各地で集団訴訟を起こしてきた。
昨年から大阪地裁、広島地裁では原告全員について、今年三月の東京地裁などでも一部原告について「原爆症」と認定されるべきとの判決が出されたにもかかわらず、国は控訴するなど認定を拒み続けている。
被爆者の多くは高齢で、白血病などのがんやさまざまな病気に苦しみながら不安な毎日を送っているといわれており、原爆症認定制度の改善は待ったなしの時期を迎えている。
本年九月に、厚生労働省は、内閣総理大臣より見直しの指示を受けて、「原爆症認定の在り方に関する検討会」を立ち上げたが、先行きは未だ不透明であり、被爆から六十年以上が経過し、高齢化している被爆者の人道的、社会的見地から一刻の猶予も許されるものではない。
よって、杉並区議会は、国会及び政府に対し、原爆症認定制度の早急な抜本的改善と、被爆者の立場に立った支援を行うよう強く要請する。
以上、地方自治法第九十九条の規定により意見書を提出する。

平成19年12月10日

杉並区議会議長 河野庄次郎

割賦販売法の抜本的改正を求める意見書

議決年月日:平成19年12月10日
提出先:衆議院議長 参議院議長 内閣総理大臣 経済産業大臣

割賦販売法の抜本的改正を求める意見書

クレジット契約は、代金後払いで商品が購入できる利便性により消費者に広く普及している一方で、強引・悪質な販売方法と結びつくと、高額かつ深刻な被害を引き起こす危険性をはらんでいる契約方法である。
現在、クレジット会社の与信審査の甘さから、年金暮らしの高齢者に対し、支払能力を超える大量のリフォーム工事、呉服等の販売が繰り返されたり、年齢・性別を問わず、クレジット契約を悪用したマルチ商法・内職商法、その他の詐欺的商法の被害が絶えないところである。このようなクレジット被害は、クレジット契約を利用するがゆえに悪質な販売行為を誘発しがちとなる、クレジット契約の構造的危険性から生じる病理現象であると言える。
経済産業省の産業構造審議会割賦販売分科会基本問題小委員会は、このように深刻なクレジット被害を防止するため、平成十九年二月から、クレジット被害の防止と取引適正化に向けて割賦販売法の改正に関する審議を進めており、本年中には報告書が取りまとめられる見込みにある。
今回の改正においては、消費者に対し、安心・安全なクレジット契約が提供されるために、クレジット会社の責任においてクレジット被害の防止と取引適正化を実現する法制度が必要である。
よって、杉並区議会は、国会及び政府に対し、割賦販売法改正に当たっては次の事項を実現するよう強く要請するものである。

一 クレジット会社が、顧客の支払能力を超えるクレジット契約を提供しないように、具体的な与信基準を伴う実効性ある規制を行うこと。
二 クレジット会社には、悪質販売行為等にクレジット契約を提供しないように、加盟店を調査する義務だけでなく、販売契約が無効・取消し・解除となるときは、既払金の返還義務を含むクレジット会社の民事共同責任を規定すること。
三 一回又は二回払いのクレジット契約を適用対象に含め、政令指定商品制を廃止することにより、原則として全てのクレジット契約を適用対象とすること。
四 個品方式のクレジット事業者(契約書型クレジット)について、登録制を設け、契約書面
交付義務及びクーリング・オフ制度を規定すること。
以上、地方自治法第九十九条の規定に基づき、意見書を提出する。

平成19年12月10日

杉並区議会議長 河野庄次郎

沖縄戦「集団自決」についての教科書検定に関する意見書

議決年月日:平成19年10月17日
提出先:衆議院議長 参議院議長 内閣総理大臣 文部科学大臣 沖縄及び北方対策担当大臣

沖縄戦「集団自決」についての教科書検定に関する意見書

文部科学省は、本年三月三十日、平成二十年度から使用される高等学校用日本史の教科用図書を審査する教科用図書検定調査審議会において、沖縄戦における集団自決の記述について、「沖縄戦の実態について誤解するおそれのある表現である」との検定意見を付し、日本軍の関与を削除する修正を行った。これに対する沖縄県民の願いを十分に理解し、その動きを注視するものである。
追い詰められた戦争末期、国内唯一の地上戦が行われた沖縄において、県民が筆舌に尽くしがたい境遇におかれ、多くの戦没者、犠牲者が生まれたことについては、紛れもない事実であり、心からの哀悼の意を表するとともに亡くなられた方々への思いを真摯に受け止め、その体験の持つ重みを日本国民全体で享受し、平和を希求する思いを強く持たなければならない。
教科書は、未来を担う子どもたちに事実を伝える重要な役割を担っている。沖縄戦における「集団自決」の事実を正しく伝え、沖縄戦の実相を教訓とすることの重要性や、平和を希求することの必要性を子どもたちに教えていくことは、我々に課せられた重要な責務である。
よって、杉並区議会は、国会及び政府に対し、平成二十年度から使用される高等学校用日本史教科用図書における沖縄戦の記述に関して、速やかに対策を講じることを強く求めるものである。
以上、地方自治法第九十九条の規定に基づき、意見書を提出する。

平成19年10月17日

杉並区議会議長 河野庄次郎

後期高齢者医療制度の見直しを求める意見書

議決年月日:平成19年10月17日
提出先:内閣総理大臣 総務大臣 財務大臣 厚生労働大臣 内閣官房長官

後期高齢者医療制度の見直しを求める意見書

現在、平成二十年四月からの施行に向け、後期高齢者医療制度については、全国各地において準備が進められている。
後期高齢者医療制度は、高齢者が安心して医療を受けられるようにするため、その費用は国が責任をもって負担すべきものである。
しかしながら、厚生労働省は、各都道府県の広域連合の所得格差による財政力の不均衡を調整するため、交付調整された減額分を、被保険者の保険料に加算しようとしている。
本来、国が負担すべき減額分を保険料に加算することは、諸制度の変更とともに高齢者の負担を増やし、その生活に大きな影響を与えることは必至である。
よって、杉並区議会は、政府に対し、後期高齢者の保険料等に影響を生じさせないため、次の事項を実現するよう強く求めるものである。

一 療養給付に対する定率交付は、十二分の四を確保すること。
二 調整交付金は、国において別枠で調整額を確保すること。
三 保険料の設定は、高齢者の生活実態に即したものになるよう、国民健康保険の保険料相当とすること。

以上、地方自治法第九十九条の規定に基づき、意見書を提出する。

平成19年10月17日

杉並区議会議長 河野庄次郎

第三十一回オリンピック競技大会の東京招致に関する決議

議決年月日:平成19年10月17日

第三十一回オリンピック競技大会の東京招致に関する決議

オリンピックは、スポーツを通じて世界の人々が相互理解と友好親善を深め、平和の実現に大きく寄与する世界最大のスポーツ・文化の祭典である。
一九六四年の第十八回オリンピック東京大会は、我が国の戦後復興の象徴として開催され、生まれ変わった東京の姿を世界の人々に示し、多くの国民に感動と自信を与えた。そして、これを契機に、東京は更なる発展を続け、政治、経済、文化が高度に集積する世界に類を見ない大都市となった。
その後、約半世紀を経て、東京において再びオリンピックを開催することは、我が国がこれまで培ってきた伝統や文化、先端技術を世界に発信するとともに、戦後一貫して世界平和を希求する強い意思と、多くの都市問題を乗り越え環境にやさしく成熟した東京の姿を示し、改めて世界の平和と発展に貢献する絶好の機会となる。
また、杉並区にとって、オリンピックの東京開催は、未来を担う子どもたちに、世界のアスリートの姿が大きな感動を与え、スポーツを通じた健やかな成長を促すなど、本区が目指す「人が育ち人が活きる杉並区」の実現に向け、大きく貢献するものである。
今後、具体的な財政計画や、施設整備に関連した江東区豊洲における土壌汚染問題等、諸課題の解決を期待し、杉並区議会は、二〇一六年開催の第三十一回オリンピック競技大会の東京招致を強く求めるものである。
右、決議する。

平成19年10月17日

杉並区議会

特定疾患の医療費公費負担制度の継続を求める意見書

議決年月日:平成19年6月28日
提出先:衆議院議長 参議院議長 内閣総理大臣 総務大臣 厚生労働大臣

特定疾患の医療費公費負担制度の継続を求める意見書

国の特定疾患治療研究事業(医療費公費負担)の対象疾患は、特定疾患対策懇談会の意見を踏まえ決定されるが、平成十八年十二月十一日に開催された当懇談会において、潰瘍性大腸炎及びパーキンソン病については、特定疾患治療研究事業の対象者を重症者に絞り込む方向での取りまとめが行なわれた。ただし、平成十九年度については、患者団体等からの要請もあり、この取りまとめに基づく対象者の見直しは行なわれず、従来と同様の取り扱いとなっている。
しかし、平成二十年度以降の取り扱いについては、現段階では「白紙の状態」とされているものの、患者団体等からは強い不安の声が寄せられている。
今後の国の検討において、軽症者が医療費公費負担の対象外となるようなことがあれば、高額な医療費を敬遠して受診が抑制され、症状の悪化を招くとともに、患者の身体的・精神的負担は増加することが懸念される。
軽症の段階から適切な医療により進行予防を図るためには、医療費に対する公費負担を今後とも継続していくことが必要である。
よって、杉並区議会は、国会及び政府に対し、従来どおりの医療費公費負担制度の堅持と特定疾患対策の安定的な財源確保を図るよう強く要望する。
以上、地方自治法第九十九条の規定に基づき、意見書を提出する。

平成19年6月28日

杉並区議会議長 河野庄次郎

 

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