子ども家庭支援センターの子育て相談(令和元年7月15日)

 

ページ番号1054158  更新日 令和5年7月4日 印刷 

「すぎラボ」は杉並区で子育て中のママライター・パパライターによるコンテンツです。

高円寺に、杉並区で2カ所目となる、子ども家庭支援センターができました。
それをきっかけに、子ども家庭支援センターの活動内容についてインタビューしてきました。
子育て相談の事業と子育て支援サービスの事業に分けて、2回(7月15日と8月1日)に渡って、ご紹介いたします。

杉並子家庭外観の写真
杉並子ども家庭支援センター
高円寺子家外観の写真
高円寺子ども家庭支援センター

子ども家庭支援センターは、どんな施設なのでしょうか?

インタビュー風景の写真
インタビュー風景

子ども家庭支援センターを一口で言うと、子育ての相談やサービスをおこなっているところで、「子育てに関する総合相談窓口」と言われています。
大きく分けると、子育てに関する相談と、子育てに関するサービスを提供しています。
1つ目の子育てに関する相談窓口としては、専用の電話番号があり、子育てに関する相談員が常駐しています。子育てに関する相談であればなんでも応じます。
もう1つの子育て支援サービスは、子どもショートステイ、産前・産後支援ヘルパー、ファミリーサポートセンター、訪問育児サポーターがあります。ファミリーサポートセンターと訪問育児サポーターの運営は、社会福祉協議会に委託しています。また、ひとり親家庭への支援もおこなっています。

子育てに関する相談窓口

サービス概要(パンフレットより)

電話と応接セットの写真
電話または来所で相談できます。

ゆうライン(相談専用窓口)

0歳から18歳までの子育てに関する相談を受けます。
お子さんのこと、子育てのこと、ご家族のことなどお気軽にご相談ください。

18歳までの子どもからの相談を受けます。
困ったときは思いつくことから話してみてください。自分のこと、学校のこと、家族のこと、どんなことでも一緒に考えます。

電話番号:03-5929-1901
月曜から土曜の午前9時から午後7時まで(祝日・年末年始を除く)
電話または来所で相談できます。

専門相談をご案内する場合もあります。

  • 子どものこころの相談(担当:児童精神科医)
  • 家族相談担当(担当:家族心理士)

インタビュー

Q.第三者が相談してもいいんですか。
A.親族の方やご友人の方など保護者以外の方からの相談も対応します。状況に応じた対応の仕方や、適切な相談先やサービスなどについて紹介させていただきます。最終的にはお困りになっている当事者の方からご相談いただくことが重要ですので、ご本人への紹介の仕方をいっしょに考えるような対応をさせていただく場合もあります。

Q.虐待相談も受け付けているんですよね?
A.はい。児童虐待の相談窓口にもなっています。児童に関わる関係機関からが多いのですが、区民の皆様やご家族から相談が入る場合もあります。

Q.どれが一番多い相談ですか?
A.実は、児童虐待に関するご連絡が増えています。
通常の子育て相談が年間1,500件くらいで、児童虐待の可能性があるということで受理して対応した件数が例年400件くらいだったのが、昨年は700件を超えました。
ただ、中には調査してみると虐待にはあたらないものもありますし、お子さんが実際に住んでいるかどうか不明で調査が必要など、児童虐待未然防止の視点から実態把握をする取り組みを広げておりますので、多くなっている面もあります。
もちろん非常に重篤な相談も入ります。その場合は児童相談所に連絡します。

Q.男女平等推進センターなど、ほかの機関と連携もしているの?
A.連携しています。それも非常に重要な役割であります。
例えば、DVが子どもに悪影響を与えているのではないかという相談や、子育てがつらいという相談を詳しく聞いていくと、DVを受けていたという場合もあります。そういった場合は、お子さんに関わることであれば、私どもで対応していきますけれども、DVに関しては、避難するレベルであれば、福祉事務所をご紹介します。そこまでではないけれども継続して相談したほうがいいということになりますと、DV相談窓口を紹介します。
また、お子さんの発達に課題がある場合には、児童発達相談係を紹介させていただきまし、その他、済美教育センターや保健センターなど、お子さんの年齢や相談内容に応じてさまざまな機関を紹介するなど、必要に応じて連携させていただいています。

連携のイメージのイラスト

Q.内科のお医者さんみたいですね。
A.そうかもしれないですね。
ただ、相談自体は気軽にしていただければと思います。中には、自分は相談をしなきゃいけないような状態なのか、など、相談すること自体にネガティブな感情を抱いてしまったり、ハードルが高いと思ってしまったりすることもあるかもしれないんですけども、そこは気軽に相談をしていただければいいかなと思っています。
うまくいかなかったり、つらかったりすることありますよね?子育てで。

(インタビュアー)うんうん、そうです。ほんとに。

軽いうちはいいですけども、たまっていくと、それが結局子どもに跳ね返ってくるということもあるかもしれません。早い段階で誰かに話す、自分の気持ちをためておかないで吐き出すということが大切だと思います。
そういう風に使っていただきたいと思っていますので、どうぞご利用いただければと思います。

Q.子どもがいじめられている、という相談は?
A.件数は多いわけではありませんが、お子さんの友だち関係を心配したり、友だちとうまくいってないようだが、親としてどうしたらいいかなどのご相談があります。
また、お子さん自身からの相談の場合は勉強が分からない、お母さんが厳しいといった相談もありますが、友だちとうまくいかない、といった友人関係の相談や、家族関係の相談もあります。

子ども電話相談のイラスト

Q.相当な数の相談があるんじゃないですか。
A.子どもからの相談数は、実は、以前より少なくなっています。
今は各学校にスクールカウンセラーが配置されており、子どもが相談できる環境が整ってきたことが背景にあるような気がします。中学生以上になるとスマホを持っていて、いろんな情報を手に入れられるようになったということもあると思います。


Q.大人からは増えてるんですか?
A.相談数そのものは大きく変わらないのですが、内容面で、子育てに負担感を感じている方、相談が増えている印象があります。
相談内容を少しご紹介しますね。乳幼児のご相談の例ですが、離乳食の進め方や怪我への対応、夜泣き、かんしゃくがひどい、発達に不安がある、偏食、登園しぶりなどお子さんの現状に関するご相談が寄せられています。一方、イライラする、子どもを好きになれない、怒鳴ってしまう、子育てに疲れ果てた、子どもを捨てたい、夫婦げんかがひどく子どもに影響があるのではないか、など、お母さん・お父さん自体のストレスが少し高くなっているような相談も同じくらい寄せられています。

こうしたご相談には、一時預かりや子どもショートステイなどのサービスを紹介し、少しお子さんと離れてリフレッシュしてみませんか、と提案させていただく場合もあります。

(インタビュアー)うちもまさにそれでした。夜泣き、夜寝ない、子どもが食べない、発達が遅い、言葉も遅いし、歩かない。どうしたらいいですか。というような。

そうですね。そんな風に、1回の相談で十分お話が聴けないかなという場合には、今後もご相談いただくことを提案したり、保健センターに行って、保健師さんに相談してみてはいかがでしょうか、という話をさせていただくこともあります。

また、今はインターネットで簡単に多くの情報を得られますが、情報がありすぎてかえって不安になってしまうこともあるのでは、と感じています。例えば「小学校1年生」「落ち着きがない」で検索したら、発達障害に関する情報が洪水のように出てきて、次々と見ているだけで不安だけが大きくなってしまいます。

情報過多に悩む母のイラスト

情報があるというのはいいことなんですけども、ともするとお子さんの実際ではなくて情報に振り回されてしまうことあります。やはりお子さんを見て、自分はどこに問題を感じているのか、どこの部分は専門家に相談をした方がいいのかなど、お感じになっていることを整理する必要があるんだと思います。
その意味で、相談するということを活用していただきたいなと思います。

(インタビュアー)こんな手厚い支援があったなんて、本当に知りませんでした。私、子育て中に、鬱々としていた時期があるんですよ。それで、福祉事務所かなんかに電話したことがあるんです。そうしたら、いや、もっと重篤な人専門なんで、とか、元気そうですよね、とか言われて。いや、元気じゃないですよ、みたいな。

ママ友には言えないってこともあるんですよね。児童館のママ友だと、みんな元気だし、元気じゃない自分を見せられない、というのもあるかもしれないし。

Q.匿名でもいいのですか。
A.はい。匿名でも構いません。

Q.実は、10年前に、すぎラボができたときに取材させていただいて、その時は、こういう場所があるということが知られていないということで取材させていただいたんですけども、10年経って、おおむね知られるようになっているということでしょうか。
A.そうですね。子ども家庭支援センターだけでなく、区では、妊娠期からの相談体制を作ったり、保健センターがお子さんの生まれた全家庭を訪問する取り組みを行ったり、子育てサービスに関する相談を充実させるため子どもセンターを整備したりするなど、相談体制を充実させてきました。まだまだ「相談する」というのは敷居が高く、私たちのPRも足りないかもしれませんが、どうか気兼ねなくご相談いただければと思います。

Q.訪問育児サポーターは0歳の子どもがいる家庭にと書いてあるけれども、そうなんですか?
実は私は、別の区で母子手帳をもらって、杉並区で産んだんですけど、母親学級の情報もなく、下の子を産んだ時には、2人目だと利用できないと言われて、そんなもんかと思ったんですけど、10年以上前なので、今はそんなことはなく、情報が行き渡っているのでしょうか?
A.訪問育児サポーターも、2人目でも利用できます。

(インタビュアー)当時は、子育てに慣れているから、ということだったのでしょうか。今は、核家族化しているから、2人目の方が大変なこともたくさんあるから、と(理解が進んで)サポートが充実したということなのかな。

Q.そもそも、こういうサービスがある趣旨があるわけですよね?
A.子ども家庭支援センターは東京都下の全自治体にあり、杉並区でも平成9年に設置されましたが、子育てに関する相談窓口を身近な自治体に置いて気軽に相談していただこう、というのが趣旨です。その後児童福祉法が改正されたことを受け、児童虐待の相談窓口ともなり、現在に至っています。まわりに相談できる人がおらず、孤立してしまうと、子育てが困難になってしまう場合があります。相談とともに、さまざまな子育て支援サービスにつながっていただく窓口として活用していただけると、と思います。

Q.今、電話しかないですか。LINE相談とか始めているところもあるじゃないですか。電話はハードルが高いという話があったけれども、メールアドレスはないな、と思ったんですけども。
A.区ホームページの子育てサイトには、インターネットで相談できる窓口があり、子ども家庭支援センターも含め子育て支援課で対応しています。

インターネットでの相談はこちら

おわりに

対面、電話、メールと、さまざま方法で相談が出来ます。
つらいときや、つらくなる前に、気軽に相談して、悩みの元を整理できるといいですね。
筆者も子どもに当たってしまう悩みがあって電話したことがありますが、「物を投げる時には、ぜひ危険がないように投げていただいて」とアドバイスいただいたときは、思わず笑ってしまい、少しほっとしました。つらい時には自ら相談できる自分でいたいと思います。

すぎラボライター:ヤリタガリ

 

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