子どもセンターってどんなとこ?(平成27年9月30日)

 

ページ番号1014138  更新日 令和4年6月27日 印刷 

「すぎラボ」は杉並区で子育て中のママライター・パパライターによるコンテンツです。

この4月から杉並区が設置した「子どもセンター」って、何なんだろう?

2015年9月30日

そんな疑問を抱いている方は結構多いのではないでしょうか。
実を言えば、すぎラボメンバーもその想いは同じ!
そんな訳で「子どもセンターって何?」という質問を、すぎラボメンバーふたりが代表して、荻窪子どもセンター担当係長の阿部宏之さんに直接訪ねてきました!(取材日:2015年8月18日)。

写真:柱に貼られた紙に「荻窪子どもセンター」の文字。動物のイラストとさまざまな色・大きさの丸で周りを囲っている
保健センター内に設けられた「子どもセンター」。
看板の手作り感がなんとも言えません。

そもそも「子どもセンター」とは何のために設置された施設なのでしょうか?

国の「子ども・子育て支援法」の施行が平成27年4月から始まり、その中に「利用相談」という概念があるのですが、さまざまな子育てのサービスの利用について、妊婦さんから子育て中のママさんまで、身近な場所で情報提供や相談を受けられる窓口を作りましょうというものがあり、杉並区では区内5カ所ある保健センターの中に「子どもセンター」を作りました。
ちなみに他の区や市での対応はまちまちなようで、全ての区が杉並区と同じ形態な訳ではありません。

ではもし、子ども関係のことで悩みがあって、でもどこへ相談したらわからないというようなことがあれば、まずは「子どもセンター」に連絡すればよいということですね。

その通りです。
基本的に子どもや子育てに関する情報は「子どもセンター」へ集まってくるようになっていますので、ご相談さえ頂ければ、センター内で対処できるものは対処させていただきますし、専門性の高いご相談などがあれば一番適した部署へと繋がせていただきます。
悩んだらまずは「子どもセンター」、そう思って頂ければ間違いないかと思います。

「子どもセンター」の「子ども」とは、いくつくらいまでのお子さんを想定されていらっしゃるのでしょうか?

基本的には妊婦さんから未就学児くらいのお子さんのいらっしゃる家庭を想定しています。
でもだからと言って小学校に入ったからうちでは見ません、という訳ではなく、そのあたりは臨機応変に対応させて頂いております。
ただ、中学生とか高校生くらいのお子さんになってくると、「子どもセンター」よりは児童館や子ども家庭支援センター、教育センター等での対応がメインになってくるかとは思います。

写真:担当者に相談をしているお母さん
相談コーナーは4席、その奥には個室と掲示コーナーもあります。

4月に開設されてから、現在までにどのようなご相談が寄せられていますか?

一番多いのは、やはり保育園関係でしょうか。
まだ4月に開設されたばかりで細かい解析まではしていないのですが、来場者数は5センターの集計で4月は284件、5月は494件、6月は605件、7月は633件。
だいたい妊婦さんから2歳くらいまでのお子さんをおもちのお母さんお父さんが多いのですが、そのうち5~7割は保育園関係の相談です。

「子どもセンター」では保育園への入園申し込みも受け付けられていますが、幼稚園への入園相談もできるのでしょうか?

相談は受け付けておりますが、「子どもセンター」でご案内できるのは幼稚園のリストや基本情報程度なのが実情で、例えばお弁当の内容などと言った踏み入ったことまではご案内出来ていません。
特に私立の幼稚園のことで詳細が知りたい場合は、直接幼稚園に問い合わせて頂いた方が早いかとは思います。

他には今までどんなご相談がありましたか?

保健センターで行われる乳児の集団健診の帰りなどに、子育てに関する不安などでご相談に寄られる例はいくつかあります。その場合は詳しくお話を聞いて、保健センター内のそれぞれの窓口に直接案内して…といったことも多いです。

後は、杉並区に引っ越して来た方が右も左も、それこそ公園の場所もよくわからなくて…という風にご相談に見られることも結構多いですね。そのような時は、近くの児童館やひととき保育などについても併せてご案内させていただいております。

他には、娘さんの住んでいるアパートにいつも泣いてばかりいるお子さんがいて心配で…というご相談に来られた女性がいらしたので、お話をうかがって保健センターの地区担当保健師に話をお繋ぎした、というようなこともありました。

写真:阿部担当係長さん
お話を聞かせて下さった阿部担当係長さん。

4月に出来たばかりの「子どもセンター」ですが、担当の職員の方々はどういった経歴の持ち主なのでしょうか?

さまざまです。もともと子育て支援課や保育課にいた職員もいれば、保育園・児童館で園長・館長をやった経験のある職員もいます。もちろん、そういった経験のない事務方の職員もいます。
ただどこのセンターも、子どもに関する課にいた職員が多く配置されています。
そういう私自身も、「子どもセンター」に来るまでは児童館の館長を務めていました。

センターに配属された皆さんは、何か特別な研修などは受けられたのでしょうか?

何しろ開設までの期間が短かったもので、じっくりとした研修は行えませんでしたが、開設当初に缶詰状態で一斉に研修を行い、みんな必死に勉強しました。
いずれは、職員のスキルアップ等を目指した研修等も定期的に行いたいとは考えています。

現在、ご相談の待ち時間はどんな状況でしょうか?

今のところそんなにお待たせすることはないのですが、職員総出で対応することもたまにですがありますので、そういった時は多少お待ち頂くこともあるかと思います。
職員は各センター4~5人、所用などで席を外していることもありますが、常時3人以上はいるよう心がけてはいます。

相談中、子どもが遊んで待っていられるような部屋などは用意されていますでしょうか?

広さ等はセンターにもよりますが、何らかのスペースは用意されています。
ベビーベッドや授乳室なども各保健センターには用意されていますので、お声をかけて頂ければと思います。

写真:さまざまなおもちゃが置かれたキッズコーナー

写真:ベビーベッド


個室の中のキッズコーナーと相談コーナー脇のベビーベッド。
空いてさえいれば個室内での授乳も可能とのこと。

今年の秋から、保育園の4月入園一斉受付を「子どもセンター」でも受け付けることになっていますが、何か混雑対応などは考えていらっしゃいますでしょうか?

まだこれからの試みで細かいことは決まっていない(8月18日現在)のですが、できるだけお待たせする時間が少なくてすむよう、アイデアを練っている段階です。
詳しくは9月21日号の広報に載るかとは思いますので、そちらをご確認頂ければ、と思います(すぎラボ注記:9月21日付けで予約制受付のお知らせが出ています)。
ただ、見ての通りそれほど広いスペースではないので、そのあたりも対応は考えないといけないかなとは思っています。
ちなみに、申し込み開始直後とギリギリの時期は毎年混雑しているようですので、そこを外して頂いた方がゆっくりお話も聞けるかなと思います。

話は少々変わりますが、杉並って、実は子どもに関するサービスがすごく充実しているのに、知らないまま終わっている例も多いですよね。

そうですね、そう言ったさまざまなサービスについても、「子どもセンター」を通してもっとPRしていけたらなとは思っています。
それも、ただ単に「こういうところがありますよ」と教えるだけではなく、サービス内容についてもっと細やかな案内がしていければと考えてはいます。

たとえば、きずなサロン。
きずなサロンは社会福祉協議会さんがとても力を入れてくれていて、区内に40カ所以上あるんですが、きずなサロンは赤ちゃん連れだけじゃなくて年配の方にも利用されているので、場所によっては年配の人の方が多いとか、赤ちゃん連れの方が多いとか特徴があるんですよね。
出来ればそのあたりまできちんと情報を把握して、あそこのサロンだったら赤ちゃん連れも多くて気軽に入りやすいですよ、とかそういったきめ細かな案内までできるようになりたいな、とは思っています。

写真:情報コーナーの一角。さまざまなチラシやパンフレット
さまざまな支援に関する情報コーナーもあります。

ところで「子どもセンター」という名称なのですが、○○センターという名称の施設が多すぎて、利用者側からするとややこしくてよくわからないというのが本音なのですが…

確かに、元からある子ども関係の施設にも子ども家庭支援センターとか、こども発達センターとか、「子ども」や「センター」が付く名称が結構あって、じゃあ「子どもセンター」とは結局何をするところなのか?何が違うのか?というお話は結構多いんですよね。
とりあえずなんでもいいから、子どもに関する相談ごとがあれば来てほしいと案内させてはいただいてはいるのですが…。

いち母親の立場からご意見させて頂くなら、それらの施設やサービスの一覧・チャート表といったものが載った「杉並区の子育て支援」みたいな一冊の冊子があるとうれしいですね。

そうですね、そういったものを作ることも、案内の一部として考えてみたいとは思います。

それでは最後に、今後「子どもセンター」としては、どのような運営を目指していきたいと考えていらっしゃるのかお聞かせ頂けますでしょうか?

先ほどもお話した通り、現状では保育園相談がとても多いのですが、保育園相談以外にもたくさん利用して頂きたいとは思っています。
きずなサロンと言った交流の場にお伺いしてチラシを配らせていただいたり、保健センターでの乳児健診や母親学級でも子どもセンターの役割を説明したりしているので、これからは応援券や児童館、産前・産後支援ヘルパー・訪問育児サポーターの利用と言ったような、さまざまな面での相談が増えてくるのではないかと期待しています。

あと、これはまだ荻窪の職員の間で出てるひとつの意見に過ぎないのですが、若いお母さんが赤ちゃんを連れてつどいの広場を訪ねてみたけれど、すでに場の雰囲気が出来ていてなかなか輪の中に入れなかった、といったような相談もあり、可能ならば初回だけでも職員や地域の先輩ママが一緒について行ってあげられるような、そんなきめ細やかなサービスが出来ないだろうか、という風には考えています。
他にも、母親学級や乳児健診で先輩ママの話を聞く機会があるかと思うのですが、あれの延長というか、集団健診の時期を過ぎたあとでも気軽に先輩ママの話を聞けるような、そんな受け皿作りも出来たらいいなとは思っています。

この4月にスタートしたばかりで、5カ所のセンター間で時々連絡会などもやってはいるのですが、目指す方向はまだまだ見えてないところもあってこれからの課題も色々あるかとは思いますが、とにかく、子どもや子育てに関する相談や支援利用に対する質問など、なんでもかまいませんので、まずは「子どもセンター」にお声がけいただければと思います。
電話での問い合わせもOKですので、お子さんが小さくてまだ出歩くことが難しいといった方も、ぜひ一度ご連絡ください。

写真:取材中の様子

取材を終えて

4月に始まったばかりで職員の方もまだまだ手探りといった感じではありましたが、それでも子育て環境のことを真摯に考えてくれている様子がヒシヒシと伝わってきて、今後の取り組みにとても期待が持てました。
働くママとしては保育園の4月入園一斉申し込みの状況についても気になるところですので、その後の行方も含めて、来年改めて取材させて頂きたいなと思いました。

すぎラボライター 晶姐・ひなたぼっこ

 

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