今どき予防接種事情(平成30年6月1日)

 

ページ番号1042028  更新日 平成28年1月4日 印刷 

子どもが生まれてほっとしたのもつかの間、日常復帰よりも早くやってくるもの、それは予防接種の嵐。
最近は予防接種の種類も増えて、2人目3人目のベテランママでさえ頭を悩ますことも……。
そんな乳幼児時期の予防接種について、杉並保健所の保健予防課にお話をうかがいました。

それではまず、現在の予防接種の種類等について教えてください。

予防接種には大きく分けて

  • 子どもの予防接種(A類)
  • 大人の予防接種(B類)

があります。
今回はすぎラボさんの取材ということなので、主に子どもの予防接種(A類)についてお話しします。
子どもの予防接種はさらに「定期接種」と「任意接種」というものに分かれています。

  • 定期接種:予防接種法によって、対象疾病、対象者及び接種期間などが定められているもの。
  • 任意接種:定期接種以外の予防接種で、保護者と医師との相談によって判断するもの。(例:子どものインフルエンザ)

という区分になります。
現在の定期接種の種類については、区のホームページに最新版を掲載していますのでそちらをご覧ください。

なお杉並区の場合、お子さんが生まれると予防接種の予診票の冊子をお送りしていて、その中にも詳しい資料が入っておりますので、お子さんを出産された方は、ぜひそちらもご確認いただければと思います。

現在、区独自の補助等が出ている任意予防接種はありますか?

現在、任意接種になっているロタウイルスとおたふくかぜについては、杉並区独自の助成があります。
ただ、助成額は一律4,000円または6,000円で、それを超えた分については自費負担となりますので、その点についてはご注意ください。
特にロタウイルスについては、1価と5価によっても金額が変わってきますので、実際にいくらかかるかについては直接医療機関に確認をしていただければ、と思います。

予防接種マメ知識 ロタワクチン

1価(ロタリックス):一番流行して重症化しやすい1種類のロタウイルスを弱毒化したワクチン(24週0日までに2回接種)。
5価(ロタテック):5種類のロタウイルスを弱毒化したワクチン(32週0日までに3回接種)。

共に生ワクチンで、効果に大きな差はないとされています。
高月齢になると腸重積症を起こす可能性が高くなるため、接種期間が限られている(厳守)のが特徴。
接種希望の場合は生後2カ月からのスタートがおススメです。

なお、杉並区が独自に助成している任意予防接種については、区内の契約医療機関でしか受けられませんので接種の際にはご注意ください。

また、インフルエンザの予防接種は基本的に自費ですが、子育て応援券は使えますので、上手に利用していただければ、と思います。

そのほかにも、自費にはなりますが、子どもに限らずさまざまな予防接種があります(接種可能年齢はそれぞれ違いますので、詳細については医療機関等でご確認下さい)。
これらについては絶対打っておいた方がいい、というわけではないのですが、ご家庭の事情等に合わせて…… 例えばあまり衛生状態の良くない地域に出張されるとか、海外に留学する方とか、そういった方はかかりつけのお医者様とご相談のうえ、必要なものを追加で打たれたら良いかと思います(決められた予防接種を打っていることが定住(留学含む)条件になっている国もあります)。

自分が子どもの頃に比べ、今の予防接種は種類が大きく増えたように思うのですが……

医者のイラスト

最近マスコミなどでも「ワクチンギャップ」という言葉を耳にしたことがあるかと思いますが、日本は他の諸先進国に比べて予防接種の種類が非常に少ないと言われております。
日本でもワクチンで防げる病気はワクチンで防いでいこうということで、国としては定期接種の種類を増やしていく方針となっているため、以前に比べると定期接種の種類が増えてきています。
最近定期接種化されたものとしては、B型肝炎(平成28年10月から)が挙げられます。

ところで、定期接種の接種時期が幼い頃に集中しているのはなぜなのでしょうか?

定期の予防接種は、追加や2期等を除けばほとんどが1歳以下に集中しているかと思います。
それは、どの感染症に関しても、低月齢のお子さんがかかった場合ほど重症化するリスクが高い、という理由からです。

例えば、ヒブや肺炎球菌などは遅くとも5歳まで(推奨は1歳前後まで)に4回も受けることになっていますが、5歳寸前に受け始めた場合は1回目だけで定期接種は終わってしまいます。
これは「5歳を過ぎたら感染しないから受けなくてもいい」とか「5歳を過ぎたら受けてはいけない」という意味ではなく、重症化する例は5歳以下で多いため、とにかく一番危険な5歳以下の時期を守る事が定期接種のメインの目的となっているためです。

もちろん、5歳を過ぎてもそれらの感染症にかかる可能性はありますので、たとえスタートが遅くなったとしても、可能な限り定期接種を済ませておいて頂くことをお勧めはしております(自費にはなりますが、定期接種で受けられなかった分を任意接種として継続して受けることは可能です)。

定期接種をきちんと受けるための、おススメのスケジュールがあれば教えて下さい。

絶対にこれ、というものはないのですが、予診票と一緒に配っている資料に、それぞれスケジュールが書き込めるようになっている一覧がありますので、そちらを参考にしつつ、かかりつけのお医者様とご相談して決めて頂ければ、と思います(下のPDF画像参照)。

ただ気をつけてほしいのは、先ほども述べたように接種対象年齢が決められているワクチンもあるということです。
また、現在の定期接種はかなり種類も多いので、同時接種(同時に複数のワクチンを接種する)をしていかないと全て接種するのは難しいかもしれません。

なお、スケジュールの相談については各保健センターの担当の保健師もご相談を受け付けています。
また、万が一予診票を無くしてしまった場合には、区内の保健センターか区役所の子育て支援課母子保健係に母子手帳を持って来ていただければ再発行しますので、お気軽にお問い合わせください。

同時接種というお話がありましたが、同時接種がOKなワクチンとNGなワクチンはありますか?

基本的には、全ての予防接種について同時接種が可能です。
ただ、打てる場所が両腕・両足など、体中にそう何か所もあるわけではありませんので、一度に打てる数はどうしても限られてしまいます(基本1か所1ワクチン)。
また、一度に何本まで打つかについてはお医者様によっても考え方がさまざまですので、その点についてはやはりかかりつけのお医者様と相談して頂くしかないかと思います。

ちなみに、不活化ワクチンと生ワクチンは同時接種することが可能ですが、同時接種は同じ日の同じ時刻に受けないとダメということになっていますので、その点についてはご注意ください。
午前と午後とか、昨日と今日と言ったような受け方をしてしまいますと、副反応等があった場合に原因が分からなくなってしまいますので、接種間隔だけはきちんと守って頂けますようお願いいたします。

なお、次の予防接種を受けるまでの期間は下記の通りで、不活化と生を同時に接種した場合は期間の長い方(4週間)を空けて下さい。

  • 不活化ワクチン:7日間
  • 生ワクチン:4週間

不活化ワクチン、生ワクチンという言葉が出来てきましたが、両者の違いを教えて下さい。

  • 生ワクチン:生きたウイルスの毒性を弱くして、ごくごく弱く感染した状況にして、そのウイルスへの抗体を付けるもの。
  • 不活化ワクチン:1回ウイルスを殺して毒性を無くし、そこから抗体を付けるのに必要な成分だけを取り出し、体に擬似体験をさせることにより、そのウイルスへの抗体を付けさせるもの。

となっています。
ちなみに生ワクチンよりも不活化ワクチンの方がより安全だとはされていますが、その分抗体が付きにくく、どうしても接種回数は多くなってしまうのが現状です。

現在不活化していないワクチンについては何か理由があるのでしょうか?

BCGについてはちょっと特殊なのですが、それ以外のワクチンについては「今はまだ無い」というだけで、特段理由があるわけではありません。

手帳のイラスト

予防接種を受ける際に特に気を付けることはありますか?

基本的には予診票に書かれていることが全てですので、熱や過去の症状等、きちんとチェックをお願いします。

中にはアレルギー等で予防接種をためらう方もいらっしゃるかもしれませんが、アレルギーがあるから即接種不可というわけではありません。
例えば、インフルエンザワクチンなどは卵由来のワクチンにはなりますが、だからと言って卵アレルギー全員がダメ、というわけではありません。
アレルギーの程度や本人の体調など、やはり個人個人での差も大きいので、かかりつけのお医者様とよく相談しながら接種を決めていただければと思います。

あとは、兄弟姉妹等で一緒に接種に行かれるご家庭も多いとは思いますが、お医者様も人間ですので、ワクチンの種類を間違えて打ってしまったりしないよう、親ごさんの方でも直前にきちんと確認して頂ければ、と思います。

副作用について教えて下さい。

よく「副作用」という言葉が使われますが、予防接種の場合「副作用」ではなく「副反応」と呼んでいます。
一番怖いのはワクチンに含まれる卵やゼラチンなどの成分による「アナフィラキシーショック」ですが、これについてはおおむね30分以内に出ることが多く、接種後しばらくは待合室で待機するよう言われることが多いのはこのためです。

予防接種は体にとっては何らかの異物を取り入れるわけで、100%何もおきない、ということは断言できません。
極論として言うならば「副反応が出た場合のリスク」と「自然にかかって重症化した場合のリスク」のどっちを取りますか? という事になります。

ただ、例えば麻疹にかかった際の重症化のリスクですが……

  • 自然罹患の際の脳炎合併症のリスク:2/1000(0.2パーセント)
  • ワクチン接種による脳炎合併症のリスク:1/1000000(0.0001パーセント)

と言われており、統計学的には予防接種を受けていただいた方がリスクはずっと低いとも言えます。
そのため、国としては自然罹患よりもワクチンの接種の方を勧めているのです。
自然に罹患した場合の方が、結果的に医療費も多くかかってしまうという面もあります。

ただ、予防接種は義務ではありませんので、最終的には保護者の方の判断になります。
罰則があるわけではありませんので、副反応リスクをゼロにしたいから絶対に受けない!という判断であれば、それはそれで尊重したいと思っています。

不活化ワクチンより生ワクチンの方が副反応が多い、というような事はあるのでしょうか?

そういう統計は特にはありません。
ただ、生ワクチンの方が危険ということでは決してないのですが、不活化ワクチンの方が「より安全」ではあるため、国としては不活化ワクチンへと切り替える動きの方が主流になってきているようです。

予防接種は受けない、という方もいるという話を聞いたことがありますが、実際にはどれくらいいらっしゃるのでしょうか?

定期の予防接種を受けないというご家庭もゼロではありませんが、乳幼児期の定期の予防接種については、ほぼ100%近く受けていただいております。
2期(複数回目を一定期間空けてから打つもの)などで数年あいてしまってそのままうっかり……というパターンはもう少し多いようですが、それでもほとんどのお子さんについては定期予防接種をしっかりと受けてくださっています。この数年で特に増減している、ということもありません。

もし予防接種を受けない人が増えたら、どういうことが考えられますか?

自分の子には副反応のリスクをゼロにしたい、というお考えを否定するわけではありません。
ただ、その子が幼稚園へ行ったり学校へ行ったりと、いわゆる集団生活の中へ入っていくと、ワクチンを接種していないお子さんが何らかの感染症に罹患する可能性はどうしても高くなるわけです。
自分の子はかかって免疫付けるからいいよ、というのはそれでいいかもしれませんが…… 例えば、いくら予防接種を受けているとはいえ、水痘の子が近くにいるという状況は他の親ごさんからしてみれば決して好ましくないわけです。

また、他の子は予防接種を受けてるんだからうつらないんでしょ、となるかと言うと、そうでもありません。
免疫の付き方は個人差も大きいですから、予防接種を打った子が全員絶対かからないとはなりません(軽く済む可能性は高いですが)。
また、持病等の問題で予防接種を打ちたくても打てなかったお子さんがいた場合、その子にうつすことで命に関わる問題になってしまうこともあり得ます。
そういう意味では、出来れば定期の予防接種はきちんと打っていただきたいと思っております。

日本脳炎など一時中断等で受けられなかった予防接種は、もう任意では受けられないのでしょうか?

日本脳炎については、一時期副反応が問題になり、ワクチンを改良している間、接種を見合わせていた時期があるため、以下のとおり一部特例措置がとられています。

平成7年4月2日~平成19年4月1日生まれのお子さん:20歳になる前日まで定期接種可能
平成19年4月2日~平成21年10月1日生まれのお子さん:1期未接種がある場合、2期の接種期間に定期接種可能

お心当たりがある方は、区内の保健センターか、区役所の子育て支援課母子保健係までお問い合わせください(母子手帳を持参していただければその場で予診票を発行いたします)。
なお、現在特例措置が取られているのは日本脳炎のみとなっております。
ちなみに日本脳炎は、以前は北海道では定期接種をしていませんでした。蚊が媒介する病気なので、蚊の発生が少ないという理由からだったのですが、最近は転勤等で国内を移動する方も多いですし海外に出かける例も多い。
そういった理由もあり、北海道でも現在は定期予防接種となっています。

日本脳炎については国内での発症例は少ないのですが、全世界で見れば年間1万人くらいは亡くなられているというデータもあります。
海外に出かける場合や、沖縄など南の方へ行かれる機会の多い方は、ぜひとも受けておいた方が良いワクチンだと思います。

注射器のイラスト

子どもの頃に受けた予防接種の免疫は一生続くのでしょうか?

ワクチンによっても違いますし、個人差も大きいので一概にこうだとは言えませんが、だんだんと抗体が低くなっていく事が多いとは思われます。
特に、不活化ワクチンの場合は生ワクチンよりも抗体が徐々に落ちていきやすいとは言われています。

最近マスコミなどで良く耳にするものとしては、水痘ウイルスによる帯状疱疹や妊婦の風疹などがあるかと思います。
帯状疱疹は高齢化してきて体力が落ちてくると出てくるからと、水痘ワクチンの再接種を進めるお医者様もいらっしゃいますが、水痘ワクチンを再接種したからと言って絶対帯状疱疹にならない、というデータがあるわけではありません。
水痘を含め他の感染症に関しても、知らないうちに軽くかかって抗体を高めている例もありますので、「とりあえず予防接種をしておきましょう」というのものではないと思っています。

ですので、大人になってからのワクチンの再接種については、例えば感染症にかかるリスクの高い地域に行く予定があるとか、身内に妊婦さんがいらっしゃるとか、各々の状況に応じて検討していただく必要があります。

新生児の風疹症候群なども含め、妊婦やその周りの人が気を付けるべき感染症等はありますか?

風疹については妊婦さんがかかると先天性風疹症候群のお子さんが生まれる可能性があります(必ずそうなる訳ではありません)。
また、20週未満の妊婦さんが水痘に感染した場合、流産したり、お子さんに障害が出る可能性も出てきます。

特定のウイルスでなくとも、どんな病気でも重症化すれば問題が出てくる可能性が高くなりますので、とにかく妊婦さんは病気にならないよう心がけてほしいと思います。
なお、妊婦の感染症については妊婦健診時に説明があると思いますので、そこできちんと話を聞いていただければと思います。

ちなみに、杉並区では大人の風疹の抗体検査と予防接種の助成を行っております。
MR(風疹・麻疹)の予防接種を受けたことがない、抗体があるか調べたい、といったことのほかに、パートナーが妊娠中(予定含む)の配偶者への一部助成等もありますので、詳しくは区のホームページをご参照ください。

最後にひとことお願いいたします。

予防接種については不活化ワクチンが増えたこともあって、スケジュールをこなすのが一番大変なのかな、とは思います。
お子さんの体調などもあるかとは思いますが、ついつい後回しにしてしまうと受けられなくなるワクチンもありますので、できれば早め早めの接種を心がけていただければと思います。
特にヒブは低月齢で重症化するため、早期の接種がおススメです。

予防接種については、区のホームページにも詳しく載っていますので、ぜひご確認ください。

その他予防接種に関して分からないこと等ありましたら、保健センターおよび区役所でも予防接種の担当者がおりますので、お気軽にご相談やお問い合わせいただければ幸いです。

取材を終えて


予防接種は種類も多くて大変。
しかも、今後はもっと種類が増えるかもしれない?!
でも、子どものためにも、大流行を抑えるためにも、きちんと打っておきたいものだとお話を通して再認識しました。
色々なお話、ありがとうございました。

ライター:「すぎラボ」メンバー

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子ども家庭部管理課庶務係
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