杉並小中学校受験事情 その1「私立受験率と公立小中学校編」(平成29年11月1日)

 

ページ番号1037485  更新日 平成29年11月1日 印刷 

故郷を離れ、進学・就職などで東京で暮らすようになり、やがて結婚・出産。そしてわが子の進学となった際に、生まれ故郷とのあまりの違いに目まいを感じた保護者の方も少なくないのではないでしょうか。
かくいう私も、田舎では「私立小・中は特別な人だけが通うところ」みたいなイメージしかなかったのですが、どうやら東京、それも杉並では事情が違うらしい。区立の小中学校も、地域差なのか時代差なのか、なにやら色々違う模様。
そんな地方出身者の率直な疑問を、教育委員会側の公式なお話と、保護者側の事情との2つの目線で迫ってみました。

私立に進学する子ってそんなに多いの?

まず、調べてみて驚くのは、東京の私立小中学校の数の多さではないでしょうか。
東京都私学財団のホームページを見る限り、小学校で53校、中学校に至っては180校以上の私立校が存在しています(その他、数は多くありませんが国立及び都立中高一貫校などもあります)。

入学式母子二人

東京都と一口で言っても広いため、通える範囲に絞ればもっと数は少なくなるとは思いますが、それにしても目の回りそうな数です。特にお隣世田谷区は都内でも随一の私立小中学校林立地帯。通える範囲だけでも悩むほどの学校の数があることは確かでしょう。

「杉並小中学校受験事情その1」では、杉並区内の進学先の実情と、杉並区立小中学校の現在と今後について、杉並区教育委員会事務局学務課学事係長(以下「係長」)と杉並区立済美教育センター統括指導主事(以下「統括」)のお二人に、すぎラボメンバーである晶姐とらくちゃんママ(以下「らく」)がうかがってきた内容をお伝えしたいと思います。

杉並区内の小中学生の私立進学率について

係長「平成28年度4月7日時点での入学者数になりますが、区立小学校への入学者が3,367人、私立・国立小学校等への入学者が293人ですので、区立小学校へ進学されたお子さんが約92%、私立・国立等への小学校へ進学されたお子さんが約8%ということになります。
中学校への進学についても同じく平成28年度4月入学者数になりますが、公立中学校への進学者が2,063人、私立・都立・国立中学校への入学者が979人、その他が160人であり、公立中学校へ進学されたお子さんが約64%、私立・都立・国立の中学校へ進学されたお子さんが約31%、その他が5%となっています。
杉並区内でも地域によって多少の凸凹はあると思いますが、小学生はおおむね1割弱、中学生は3割程度のお子さんが私立等へ進学されています。都内でも杉並区は比較的私立等への進学率が高い地域であると思います。」

晶姐「受験率はどの程度あるのでしょうか。
係長「受験については各学校に届け出の義務がありませんのでわからないのが実情です。」
晶姐「以前立ち話程度で担任の先生に聞いた話ですが、うちの子の通う公立小学校では約半分程度が受験して、実際には3分の1程度が公立以外へ進学しているとか。」
係長「そうですね。あとは景気などにも左右されますので年度によって多少違ってくると思いますが、おおむねそんな状況かと思います。」

校舎のイラスト

晶姐「私立から公立小中学校に転入してくる例はあるのでしょうか。
係長「小学校では少ないのですが、中学校はある程度あります。
もし途中で区立小中学校へ転入を希望する場合には、区役所の学務課までご相談ください。住所変更等による転入であればお住まいの学区内の学校に転入となりますし、心身の問題など何か特別な事情を抱えていらっしゃる場合は専門の部署につないでご相談をお受けすることになると思います。」
 

杉並区独自の取り組みである小中一貫校について

統括「杉並区では全ての公立小中学校が中学校1校と小学校2校の組み合わせを基本とする連携校グループにおいて小中一貫教育を行っており、校舎自体は離れていても連携して教育活動に取り組んでいます。
連携校の交流は、小学校が中学校の授業を体験したり、中学生が小学校を訪問し、中学校生活の様子を伝えたり、また、その他、学校の独自の(多様性を生かした)もの、年1回の小中学生が一緒になって行う「すぎなみ小中学生未来サミット」などの活動があります。
おそらくおっしゃりたいのは、施設一体型小中一貫教育校のことだと思いますが、こちらは現在、杉並和泉学園一校のみとなっています。今後、高円寺地域にもう一校開校予定となっています。」

晶姐「今後、施設一体型一貫校が増える予定はあるのでしょうか。
統括「施設一体型は、日常的に小学校と中学校が連携して多様な教育活動の展開ができる特長があるため、今後、学校用地や敷地状況、さらに校舎の改築年限等の条件等を総合的に勘案し、地域特性や意向に配慮しながら、可能な場合には施設一体型の設備について検討していくこととしています。」

らく「施設一体型とそれ以外の連携校で、内容に違いはあるのでしょうか。また、施設一体型小中一貫教育校の方が学力向上等に手厚いのではないか、というイメージがあるのですがその点についてはいかがでしょうか。
統括「一貫教育そのものは区内全校共通です。施設一体型については、一体であることで、小中間での日常的な連携のしやすさ等の違いはあると思います。
学力に関しては、施設一体型であることで中学校の先生が小学生の頃から同じ子どもと同施設で活動していることで一層深く子どもを理解することができ、日常的に連携ができることが学びをつなげ、切れ目のない教育がより推進できると考えられます。ただ、こういった取り組みについては施設一体型でなくとも全ての小中学校が、中学校1校と小学校2校の組み合わせを基本とする連携校グループにおいて行っております。」

地域のみんな

晶姐「一貫校の小学校と中学校の学区は現在一致していないように思いますが、今後一致させる予定はあるのでしょうか。
統括「杉並和泉学園の通学区域については、平成31年度から33年度にかけて、小中一貫教育を推進する等の観点から、小学校と中学校の通学区域を一致させる方向で見直す考えです。高円寺地域の小中一貫校についても、同様の考えで検討を進め、通学区域を定める予定です。今後も、これらの実績等を踏まえ、保護者や学校関係者、地域の方々の意見を聞きながら、新しい学校づくりの計画などとあわせ、通学区域に係る必要な検討、見直しを行いたいと考えています。
なお、一貫校としての取り組みは、特定の学校の特定の活動に対してだけではなく、中学生はこんなことを学んでいるんだということ等を知る意味での活動が多いので、たとえ通う中学校の学区が違っても、小中一貫教育の効果はあると考えております。」
 

隣接学区への希望制の中止と学校ごとの特色について

晶姐「公立小中学校の隣接学区への希望制が数年前になくなりましたが、学校ごとの特色も今後なくなっていく予定なのでしょうか。
統括「区では希望制がなくなったことと特色がなくなることについてはまったく別ものと考えており、各校の特色については今後も今まで通り推進していくこととしています。

らく「学校による特色とはどのようなものがあるのでしょうか。
統括「例えば、キャリア教育や環境教育に力を入れたい学校があれば、それらに関わる予算を付けたり、地域に特色のある場所であれば地域に住んでいる方たちと共同で何かイベントを行ったり、参加したりという形で学校がそれぞれの活動を行っております。」

らく「各校の特色が一目で分かる資料などはないのでしょうか。
統括「先ほど話に出た「すぎなみ小中学生未来サミット」は、杉並区内の全公立小中学校の代表が集まり、連携校グループによる取り組みの発表等を行いますので、そちらで雰囲気を見ていただくことはできます。
あとは各学校のホームページを見ていただくか、杉並区報や教育報などを見ていただければと思います。」

晶姐「特色と言えば、井戸端会議レベルで聞く特色ですが、ランドセルを6年生まで使う学校と高学年になると恥ずかしいと言ってランドセルを使わなくなる学校があるとは聞いたことがあります。他にも、受験率が高くて塾に通っている前提で授業が進んでしまう学校の噂なども聞いたことがありますので、できれば自分の子が通う予定の学校の保護者をつかまえて話を聞ければそれが一番かもしれませんね。」

小学生女の子

らく「ほか、杉並区独自で力を入れている点などはありますか。
係長「区独自採用教員などを活用して、35人学級を実施していることや、中学校で部活の外部指導員を付けるなど、区独自の試みは色々あると思います。
ちなみに、学校希望制度の廃止に伴い、指定校変更の認定事由に「学校の特色ある教育活動等に参加を希望する場合」を新たに設けました。指定校に隣接する学校であれば、志望する理由を書いて変更の申立てをすることが出来ます。希望する学校の状況にもよりますが、部活動への参加など、志望理由の審査があり、受入れ枠の範囲内で指定校の変更が認められる場合があります。詳細は学務課にお問い合わせください。
また、手続き方法や認定事由の内容等については区のホームページに詳しく掲載されていますので、そちらをご参照いただければと思います(小学校と中学校で適用範囲が違うので注意)。」

晶姐「ところで、前から区ホームページのテキストでの住所一覧はわかりにくいと思っていたのですが、学区の地図はどこかで見られないのでしょうか。
係長「区のホームページからすぎナビの地図サービスに入れば見ることができます。区役所などで1部100円でお分けしていますが、ホームページの地図の方がほかにも色々な情報が見られますし拡大もできるので便利かと思います。」

晶姐「多様性ついでの質問なのですが、杉並の公立中学校は制服のある学校とない学校がありますが、それも変わらない予定でしょうか。
係長「特に変わる予定はありません。ちなみに制服はあくまで標準服ですので、これに準じた服装であればOKと聞いています。」
 

特別支援教室の全学校への配置について

統括「杉並区では、平成30年度までに、全ての区立小学校に特別支援教室を設置することとしています。各学校の特別支援教育コーディネーターが、子どもたちの状況を把握するとともに、新たに配置された特別支援教室専門員がこまめに調整を行うことで、担任と巡回指導教員・保護者が連携できるようにサポートしていきます。
私事となりますが、前任校において、週に1日、特別支援教室に通うことで、子どもたちが自信を付けて変わっていく姿を見てきました。それが全校にできるとなれば期待は大きいと感じています。」

晶姐「でも、特別支援教室に通うことがいじめの原因になったりはしないでしょうか。
統括「あくまで自分が見てきた範囲ではありますが、特別支援教室に通うことで自分への自信が高まり、教室を利用するよさを実感し、教室へ通う際に「いってきます」と出かけていきますし、それを見送るクラスメイトも「いってらっしゃい」と自然に送り出してくれていました。
特別支援教室は決して特別な場ではなく、例えば英語を学ぶことでコミュニケーション対象の幅が広がるのと同じように、自分への自信を高めていくことで、コミュニケーションの幅を広げていけると期待しています。」
晶姐「各校に教室ができる当初に、それが特別なことでない「あたりまえ」な雰囲気ができるといいですね。」

特別支援学級

統括「そうですね。そうなるよう教育委員会・学校が努力しなければならないと思います。一人一人が必要な学びに取り組むことを認め合い、共に成長する雰囲気が大切だと考えています。」

らく「各学校に特別支援教室ができることになったということは、それだけニーズが増えているということなのでしょうか。
統括「各調査の結果からも、特別支援教室の利用希望者は増加しています。また、各学校に潜在的なニーズがあることも分かってきました。他校に通わせることが難しい場合でも、自分の小学校に特別支援教室があるのなら利用したいという声をよく伺っています。」

最後に

普段からもやもやしていた区立小中学校への疑問も色々聞けて、今後の子どもの進路について大変参考になったと思います。
次回その2は、保護者目線での私立小中学校受験についてレポートをお送りする予定でおります。

「すぎラボ」ライター:晶姐

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