環境の調査と保護

 

ページ番号1004942  更新日 令和6年8月23日 印刷 

道路の騒音・振動、川などの水質汚濁、大気汚染、ダイオキシン類などの測定調査を定期的に行っています。

大気環境調査

(1)大気汚染常時監視

杉並区では、区役所前測定室(青梅街道)、富士見丘測定室(放射五号線・中央自動車道)、高円寺測定室(環状七号線)の3カ所の常時測定室を設置しています。なお、放射五号線が開通した久我山に窒素酸化物測定機を令和5年度末まで設置していましたが、近接地の富士見丘測定室と統合しました。また、東京都の測定局は杉並区久我山測定局(一般環境大気測定局)、早稲田通り下井草測定局(自動車排出ガス局)の2カ所となっています。主な環境基準は、以下のとおりです。

大気環境基準

二酸化硫黄
1時間値の1日平均値が0.04ppm以下であり、かつ、1時間値が0.1ppm以下であること。
二酸化窒素
1時間値の1日平均値が0.04ppmから0.06ppmまでのゾーン内又はそれ以下であること。
一酸化炭素
1時間値の1日平均値が10ppm以下であり、かつ、 1時間値の8時間平均値が20ppm以下であること。
光化学オキシダント
1時間値が0.06ppm以下であること。
浮遊粒子状物質
1時間値の1日平均値が1立方メートルあたり0.10ミリグラム以下であり、かつ、1時間値が1立方メートルあたり0.20ミリグラム以下であること。
微小粒子状物質(PM2.5)
1年平均値が1立方メートルあたり15マイクログラム以下であり、かつ、1日平均値が1立方メートルあたり35マイクログラム以下であること。
写真:区役所測定室
区役所測定室

過去の測定結果はリンク先からご覧ください。

(2)自動車排出ガス測定

窒素酸化物の1つで呼吸器疾患の恐れがあるとして環境基準が設定されている二酸化窒素は、自動車の排ガスが主な発生源です。区では、区内の幹線道路沿い等で約1カ月間の連続測定をしています。

写真:NOX移動測定機
NOX移動測定機

過去の測定結果はリンク先からご覧ください。

交通騒音・振動調査

(1)自動車騒音・振動

区内の幹線道路(環状七号線・八号線、甲州街道・首都高速四号線、青梅街道)沿い等で自動車騒音・振動を測定しています。特に騒音については、夜間の交通量が多く、大型車両の混入率が高い環状七号線や環状八号線沿いの地点では、昼間とほぼ同程度の騒音が発生している状況にあります。

写真:自動車騒音・振動測定の様子
自動車騒音・振動測定の様子

過去の測定結果はリンク先からご覧ください。

(2)自動車騒音常時監視

区内の幹線交通を担う道路(高速道路、国道、都道など)の自動車騒音の影響がおおむね一定であるとみなせる区間(評価区間)毎に基準点を設定します。この基準点毎に24時間自動車騒音、交通量及び速度を測定し、住居等の建築物の情報を調査して道路から50メートルの幅で面的に評価をしています。

【幹線交通を担う道路に近接する空間の環境基準】

昼間(午前6時~午後10時):70デシベル以下
夜間(午後10時~翌午前6時):65デシベル以下

(3)鉄道騒音

区内を走行する在来線鉄道(地下鉄を除く)4路線のうち毎年2地点で鉄道騒音及び振動を測定しています。

過去の測定結果はリンク先からご覧ください。

河川水質調査

杉並区内を流れる3つの河川は、北から妙正寺川、善福寺川、神田川ですが、善福寺川中流域の一部を除いて、コンクリートの垂直護岸に囲まれた典型的な都市河川となっています。
杉並区では、3河川の水質を調査するため、全体で5カ所の橋で年4回の調査を実施しています。水質は、魚が生息するための指標となるBOD(生物化学的酸素要求量)やDO(溶存酸素量)の数値で見ると、下水道の普及とともに改善されてきて、短時間の激しい雨などの場合の水質悪化を除けば、一定の良好な水質を保っています。
環境基準にはAA~E類型の水域類型があり、杉並区内の河川では、妙正寺川がB類型・神田川がC類型に指定されています。環境基準の適用項目は、次の4項目です。

pH
(水素イオン濃度)
水溶液が酸性であるかアルカリ性であるかを示す数値で、pH7が中性、それより数値が大きければアルカリ性、小さければ酸性です。
BOD
(生物化学的酸素要求量)
水中の有機物を二酸化炭素や水などに分解するために、好気性微生物が必要とする酸素の量。この数値が高いほど川は汚れていることになります。魚の生育環境には1リットルあたり5ミリグラム以下が望ましく、悪臭発生限界は1リットルあたり10ミリグラムであるといわれています。
SS
(浮遊物質量)
水中に浮いている不溶性の物質量。川床にたまったり、魚介類に付着したりします。
DO
(溶存酸素量)
水中に溶けている酸素の量。酸素のない川や少ない川は、いわば死んだ川で魚介類は生存できません。比較的汚染に強いコイ・フナ等でも1リットルあたり5ミリグラム以上が望ましいといわれています。
表:生活環境の保全に関する環境基準(河川・抜粋)

類型

利用目的の適応性

水素イオン濃度(pH)

生物化学的酸素要求量(BOD)

浮遊物質量(SS)

溶存酸素量(DO) 大腸菌群数

B類型

水道3級
水産2級
及びC以下の欄に掲げるもの

6.5以上
8.5以下

1リットルあたり3ミリグラム以下

1リットルあたり25ミリグラム以下

1リットルあたり5ミリグラム以上

100ミリリットルあたり5000MPN以下

C類型

水産3級
工業用水1級

及びD以下の欄に掲げるもの

6.5以上
8.5以下

1リットルあたり5ミリグラム以下

1リットルあたり50ミリグラム以下

1リットルあたり5ミリグラム以上

指定なし

過去の測定結果はリンク先からご覧ください。

ダイオキシン類、アスベスト調査

(1)ダイオキシン類

ダイオキシン類は、工場等で意図的に作られる物質ではなく、主にモノが燃焼する過程で極微量生成する物質です。
通常の生活では健康に影響はありませんが、発がん性や生殖機能障害などが心配されており、法律により、主な発生源である焼却炉の排出抑制策が進められてきました。
杉並区では、平成11年度からダイオキシン類の調査を行っています。

【ダイオキシン類の環境基準】

  • 大気:年平均値1立方メートルあたり0.6ピコグラム-TEQ以下
  • 水質:年平均値1リットルあたり1ピコグラム-TEQ以下
写真:ダイオキシン類調査機器
大気ダイオキシン類調査機器

過去の測定結果はリンク先からご覧ください。

(2)アスベスト調査

アスベストは天然に産する鉱物繊維で、クロシドライト、クリソタイル、アモサイトなどの種類があります。耐熱性、耐薬品性、絶縁性などに優れているため、建設資材、電気製品、自動車、家庭用品など、身の回りのいろいろなものに使われていました。
しかし、アスベストは肺がんや中皮腫を発症する発がん性が問題となり、現在では、アスベストの製造・使用等が全面的に禁止されています。
杉並区では、平成17年度から一般大気中のアスベスト濃度の調査を行っています。

写真:アスベストの顕微鏡写真
アスベストの顕微鏡写真
アスベスト調査機器
大気アスベスト調査機器

過去の測定結果はリンク先からご覧ください。

光化学スモッグ

昭和45年7月、杉並区内の私立立正高校で発生した光化学スモッグによる被害は、日本初の発生事例として知られています。光化学スモッグは大気中の窒素酸化物や炭化水素などの汚染物質が、紫外線の作用で光化学オキシダントと呼ばれる酸化性物質に変わったもので、一定濃度以上では目や呼吸器など人体への影響が強くなります。発生は、主に紫外線が強くなる夏期で、風が弱くどんよりとした気象条件の時に多くなっています。そのため、東京都ではこの被害を未然に防ぐため、各測定局からのデータを基に、都内を8つの地域に分けて光化学スモッグ緊急情報を提供しています。例えば、光化学オキシダント濃度が0.12ppm以上の場合、東京都から光化学スモッグ注意報が発令されます。杉並区(区西部に含まれます)では注意報の発令を受けて、区内約120カ所に設置されている防災行政無線屋外放送塔による霧笛放送や防災情報メールのほか、区施設や薬局などに垂れ幕を掲出しています。環境基準は「1時間値が0.06ppm以下であること。」です。

画像:杉並区は区西部に含まれています


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このページに関するお問い合わせ

環境部環境課公害対策係
〒166-8570 東京都杉並区阿佐谷南1丁目15番1号
電話:03-3312-2111(代表) ファクス:03-3312-2316