この資料は、杉並区バリアフリー基本構想です。 令和5年3月に策定しています。 杉並区バリアフリー基本構想の改定にあたって これまで杉並区では、平成12年に施行された高齢者、身体障害者等の公共交通機関を利用した移動の円滑化の促進に関する法律に基づき、平成15年12月に杉並区交通バリアフリー基本構想を策定し、高円寺地区を重点整備地区として取り組み、バリアフリー化の成果を得ることができました。その後、平成18年に高齢者、障害者等の移動等の円滑化の促進に関する法律(バリアフリー法)が施行されたことを踏まえ、平成25年8月に方南町駅周辺地区を重点整備地区とした杉並区バリアフリー基本構想を策定したことに基づき、バリアフリー化を図ってまいりました。 また、区は、令和3年10月に、概ね10年後を見据えた、くせい運営の指針となる杉並区基本構想を策定し、その具体的な道筋となる総合計画・実行計画を定め、この中の重点的な取組の一つにユニバーサルデザインのまちづくりの推進を掲げています。 杉並区バリアフリー基本構想の改定にあたっては、平成30年と令和2年のバリアフリー法の改正等を踏まえ、これまでのバリアフリー化の取組を検証するとともに、新たな移動等円滑化促進方針や移動等円滑化促進地区の考え方に基づき、これまでの方南町駅周辺地区に加え、荻窪駅周辺地区、阿佐ヶ谷駅周辺地区、富士見が丘駅・高井戸駅周辺の計4地域を重点整備地区として設定いたしました。今後は、地区別バリアフリー推進計画に基づく取組とともに、区内全域でのバリアフリー化に重層的に取り組んでいくところです。 区としましては、関係事業者の皆様のご協力はもとより、区民の皆様のご理解とご協力を頂きながら、ハード・ソフト両面における取組を着実に進め、誰もが気軽に利用でき、移動しやすいまちづくりの実現を目指してまいります。 結びに、本基本構想の改定にご尽力いただいた、杉並区バリアフリー推進連絡会委員の皆様をはじめ、ご協力いただいた各事業者、団体、アンケートや貴重なご意見をお寄せいただいた多くの区民の皆様に心より感謝申し上げます。 令和5年3月、杉並区長  岸本 さとこ 目次。 第1章、はじめに。1ページ。 第2章、バリアフリー化の現状と課題。3ページ。 第3章、杉並区におけるバリアフリーの基本的な方針、(移動等円滑化促進方針)。25ページ。 第4章、重点整備地区の選定。41ページ。 第5章、重点整備地区における地区別バリアフリー推進計画、(特定事業)。51ページ。 第6章、バリアフリー化の実現に向けて。97ページ。 資料編。101ページ。。 本文中の一部の語句については、用語解説に説明を示しています。 1ページ 第1章、はじめに。 1の1、改定の背景。 我が国の総人口に占める65歳以上の高齢者人口の割合は、昭和25年以降一貫して上昇が続いており、令和3年は29.1%となっています。推計によると、令和22年には35.3%になると見込まれています。また、令和3年版障害者白書によると、国民のおよそ7.6%が何らかの障害を有しています。 区では、誰もが暮らしやすいまちを目指し、平成12年に施行された、高齢者、身体障害者等の公共交通機関を利用した移動の円滑化の促進に関する法律(以下、交通バリアフリー法という)に基づき、平成15年度に、杉並区交通バリアフリー基本構想を策定し、旅客施設や道路など、公共交通関連施設のバリアフリー化に取り組んできました。 平成18年に、高齢者、障害者等の移動等の円滑化の促進に関する法律(以下、バリアフリー法という)が施行されたことなどを受け、平成25年に、杉並区バリアフリー基本構想(以下、旧バリアフリー基本構想という)を策定し、令和3年度を目標年次としてユニバーサルデザインの考えかたに基づくまちづくりを進めてきました。 平成30年及び令和2年のバリアフリー法改正により、移動等円滑化促進方針制度が創設され、区市町村でも同方針の策定が努力義務となりました。また、同法の基本理念として、共生社会の実現、社会的障壁の除去が定められ、より一層の心のバリアフリーの推進が求められています。。 1の2、バリアフリー基本構想改定の目的。 杉並区バリアフリー基本構想は、年齢や障害の有無、国籍、性別などの違いを超えて、誰もが気軽に利用でき、移動しやすいまちを目指し、住宅都市杉並にふさわしいバリアフリー化の基本理念や基本方針、重点的にバリアフリー化を進める地区や、具体的な事業等を示すものです。 区では、旧バリアフリー基本構想が目標年次に達したことから、これまでの重点整備地区の事業の評価や見直しを行うとともに、新たに移動等円滑化促進方針及び移動等円滑化促進地区を定め、区民、事業者、行政が連携し、面的、一体的なバリアフリー化に取り組むことを目的として、杉並区バリアフリー基本構想を改定します。 2ページ 1の3、バリアフリー基本構想の位置付け。 杉並区バリアフリー基本構想は、バリアフリー法及び移動等円滑化の促進に関する基本方針に基づき、区のバリアフリーの推進に係る総合的な方針を示すものです。 杉並区バリアフリー基本構想の改定に際しては、バリアフリー法及び移動等円滑化の促進に関する基本方針等の主旨を踏まえ、上位計画である杉並区基本構想、杉並区総合計画、杉並区まちづくり基本方針(杉並区都市計画マスタープラン)と、関連計画である杉並区地域公共交通計画や、杉並区保健福祉計画等との整合、調和を図ります。。 1の4、目標年次。 上位計画である杉並区基本構想、杉並区総合計画や、杉並区まちづくり基本方針との整合を図り、杉並区バリアフリー基本構想の目標年次は、令和12年度とします。 第5章で取扱う特定事業については、令和5年度から令和7年度までを前期、令和8年度から令和10年度までを中期、令和11年度から令和12年度までを後期として位置付けることとします。 なお、上位計画やバリアフリーに関連する社会情勢の変化などを踏まえ、必要に応じてバリアフリー基本構想の見直しを行うこととします。 3ページ 第2章、バリアフリー化の現状と課題。 2の1、社会情勢の動向。 (1)バリアフリーに関する法令等。 ①バリアフリー法。 高齢者、障害者等の、移動や施設利用の安全性や利便性向上を促進し、社会参加を促すことを目的に、平成18年6月に、高齢者、障害者等の移動等の円滑化の促進に関する法律(バリアフリー法)が制定されました。その後、東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会の開催を契機として、共生社会の実現を図り、バリアフリー化を一層推進するため、平成30年、令和2年に改正されました。。 平成30年、令和2年法改正の主な内容。 理念規定の明確化。 理念規定を設け、共生社会の実現、社会的障壁の除去を明確化。 心のバリアフリーとして、高齢者、障害者等に対する支援を明記。 公共交通事業者等によるハード、ソフト一体的な取組の推進。 ハード対策に加え、スロープ板の適切な操作や、明るさの確保等のソフト対策のメニューを作成。 事業者は、ハード、ソフト計画を作成、取組状況を報告、公表。 地域における取組の強化。 区市町村がバリアフリー方針を定めるマスタープラン制度を創設し、努力義務化。 その他の施策の充実。 これまでの公共交通事業者等に加え、新たにバリアフリー基準への適合義務が課されている施設管理者に対し、バリアフリー情報の提供を努力義務化。 障害者等の参画のもと、施策内容の評価等を行う会議の開催を明記。 市町村等による心のバリアフリーの推進。 心のバリアフリー、教育啓発特定事業を含むハード、ソフト一体の基本構想の策定を推進。 4ページ 移動等円滑化促進方針。 旅客施設を中心とした地区や、高齢者、障害者等が利用する施設が集まった地区において、面的、一体的なバリアフリー化の方針を区市町村が示すもの。。 移動等円滑化促進方針に示す事項。 1、移動等円滑化促進地区における移動等円滑化の促進に関する基本的な方針。 2、移動等円滑化促進地区の位置及び区域。 3、生活関連施設及び生活関連経路並びにこれらにおける移動等円滑化の促進に関する事項。 4、移動等円滑化の促進に関する住民その他の関係者の理解の増進及び移動等円滑化の実施に関するこれらの者の協力の確保に関する事項。 5、行為の届出等に関する事項。 6、市町村が行う移動等円滑化に関する情報の収集、整理及び提供に関する事項。 7、その他、移動等円滑化促進地区における移動等円滑化の促進のために必要な事項。 8、移動等円滑化促進方針の評価に関する事項。。 移動等円滑化促進地区。 旅客施設を中心とした地区や、高齢者、障害者等が利用する施設(生活関連施設)が集まり、移動等円滑化を促進することが必要である地区を区市町村が定めるもの。。 このページでは、移動等円滑化促進方針の範囲、移動等円滑化促進地区のイメージを図で示しています。 5ページ ②障害者差別解消法。 全ての国民が、障害の有無によって分け隔てられることなく、相互に人格と個性を尊重し合いながら共生する社会の実現に向け、障害を理由とする差別の解消を推進することを目的として、平成25年6月に、障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律(障害者差別解消法)が制定されました。 令和3年5月に同法の一部が改正され、これまで努力義務となっていた、民間事業者による合理的配慮の提供が法的義務となりました。区では、杉並区障害者活躍推進計画(令和4年度策定)に基づき、職員の障害理解向上に取り組んでいます。。 主な内容。 不当な差別的取扱いの禁止。 障害のある人等に対して、正当な理由なく、障害を理由としたサービスの提供の拒否など、差別的な取扱いをすることを禁止。 合理的配慮の提供。 国、都道府県、区市町村などの行政機関、事業者等は、障害者等から意思表明があった場合、障害者の権利利益を侵害することとならないよう、社会的な障壁(バリア)を除去するよう対応に努める。。 ③ユニバーサル社会実現推進法。 全ての国民が、障害の有無、年齢等にかかわらず、等しく基本的人権を有するかけがえのない個人であるとの理念にのっとり、障害者、高齢者等の自立した日常生活及び社会生活が確保され、ユニバーサル社会の実現に向けた施策を総合的かつ一体的に推進することを目的として、平成30年12月に、ユニバーサル社会の実現に向けた諸施策の総合的かつ一体的な推進に関する法律が制定されました。。 主な内容。 ユニバーサル社会の実現に向けた諸施策。 ユニバーサル社会推進会議の設置による情報共有と関連法律の施策の推進。 6ページ ④移動等円滑化の促進に関する基本方針。 バリアフリー法第3条第1項に基づき、移動等円滑化を総合的かつ計画的に推進するための方針を、主務大臣(国家公安委員会委員長、総務大臣、国土交通大臣)が定めるものです。平成18年12月の策定以降、バリアフリー化の進展に伴い整備目標の見直しが行われ、令和3年4月に施行されました。。 このページでは、各施設の整備目標(令和7年度末)を表で示しています。 7ページ このページでは、各施設の整備目標(令和7年度末)の続きを表で示しています。 8ページ ⑤東京都福祉のまちづくり条例。 ユニバーサルデザインを基本理念とし、高齢者や障害者を含めた全ての人が、安全、安心、快適に暮らし、訪れることができるまちづくりを目的として、平成7年3月に、東京都福祉のまちづくり条例が制定されました。。 主な内容。 施設区分に応じた整備基準。 対象となる施設。 都市施設、整備基準への適合努力義務。 特定都市施設、新築または改修の際、整備基準への適合遵守義務、届出義務。 対象となる都市施設(規模の要件あり)。 学校施設、医療施設、集会施設、宿泊施設、福祉施設、文化施設、公衆浴場など。。 令和3年度改正の内容。 バリアフリートイレに関する表示。 国土交通省が令和3年3月に、高齢者、障害者等の円滑な移動等に配慮した建築設計標準を改正したことに伴い、建築物、公園、公共交通施設のトイレの出入口の表示について、従前の表示を改め、車椅子使用者用便房の設備及び機能を表示するよう変更。。 (2)その他の社会動向。 エスディージーズ。 平成27年9月の国連サミットにおいて、令和12年に向けた国際目標であるエスディージーズ(持続可能な開発のための2030アジェンダ)が、採択されました。 バリアフリーの取組においても、バリアフリー法の基本理念で示す、共生社会の実現につながり、地域のまちづくりや区民の社会生活の課題解決にも資する考えかたであることを踏まえ、次のゴール等への寄与を念頭に取組を進めます。 エスディージーズの目標とユニバーサルデザインのまちづくり方針に関連する事項。 目標1、貧困をなくそう。 目標3、すべての人に健康と福祉を。 目標4、質の高い教育をみんなに。 目標9、産業と技術革新の基盤をつくろう。 目標11、住み続けられるまちづくりを。 9ページ ②交通政策基本法。 豊かな国民生活の実現、国際競争力の強化、地域の活力の向上、大規模災害への対応など、政府が推進する交通に関する施策について、基本理念と施策の基本的な方向性を定め、政府及び関係者が一体となって交通政策を推進していくため、平成25年12月に、交通政策基本法が制定されました。 交通政策基本法に基づき、交通に関する施策を総合的、計画的に定め、持続的で強靭、高度なサービスを提供する次世代型の交通システムへの転換を目指し、平成27年2月に、交通政策基本計画が策定されました。。 交通政策基本計画の主な内容。 今後の交通政策の基本的方針。 誰もが、より快適で容易に移動できる、生活に不可欠な交通の維持、確保。 我が国の経済成長を支える、高機能で生産性の高い交通ネットワークシステムへの強化。 災害や疫病、事故など異常時にこそ、安全、安心が徹底的に確保された、持続可能でグリーンな交通の実現。。 ③ウォーカブルなまちなかの形成。 人口減少や少子高齢化が進み、地域の活力の低下が懸念される中、都市の魅力を向上させ、まちなかににぎわいを創出することが、多くの都市に求められています。 こうした背景を踏まえ、居心地が良く歩きたくなる空間づくりを促進し、魅力的なまちづくりを推進するため、区市町村がまちなかにおける交流、滞在空間の創出に向けた官民の取組をまちづくり計画に位置付けることができるよう、都市再生特別措置法が一部改正されました。。 主な内容。 都市再生整備計画の策定。 まちづくりの主体である市町村等が、地域の実情に応じ、都市再生整備計画を策定し、官民一体で行う、居心地がよく歩きたくなる、まちなかづくりのための取組を位置付け。 10ページ ④未来の東京戦略(東京都)。 東京都では、令和3年3月に、未来の東京戦略を策定し、成長と成熟が両立した持続可能な都市の実現を目指し、取組を続けています。 東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会が終わり、新しいステージに立つ今、大会の成果を都市の発展へつなげるとともに、新型コロナウイルスとの厳しい闘いなど時代のニーズや状況変化に対応するため、政策をバージョンアップし、未来を切り拓く取組の加速を掲げています。 このような中、聴覚障害者のための総合スポーツ大会、デフリンピックの2025年大会の開催都市が東京に決まりました。。 主な内容。 政策をバージョンアップする6つの切り口。 1、安全安心、都民の命と生活を守る基盤、危機管理。 2、共生社会、バリアフリー、段差のない社会。 3、グリーンアンドデジタル、自然と共生した持続可能な都市。 4、グローバル、世界から選ばれる金融、経済、文化都市。 5、チルドレンファースト、子供の目線からの政策展開。 6、都政の構造改革、シン、トセイの加速。。 バリアフリー、段差のない社会。 バリアフリー基本構想等の推進。 区市町村支援の推進。 地域公共交通の充実、強化。 情報バリアフリーの取組。 多文化共生社会実現のための取組。 聴覚障害特別支援学校における、情報保障の充実。 デジタル技術を活用した、聴覚障害者コミュニケーション支援。 心のバリアフリーの取組。 バリアフリーへの関心の向上と、理解の促進。 心のバリアフリーの普及促進。 11ページ 2の2、杉並区の現況。 (1)上位計画、関連計画。 杉並区基本構想。 杉並区基本構想は、杉並区の将来の姿と、進むべき方向性を描くものであり、区の近未来に向けた道筋を指し示す、羅針盤とも言えるものです。区が、くせいを担う責任主体として行政運営を行う際の、全てのもととなる考えかたでもあります。期間設定は、今後の社会経済環境の変化を見据え、実効性や実現可能性を確保することを念頭に置き、令和4年度から概ね10年程度の将来を展望しています。分野ごとの将来像を、次のとおり描き、その実現に向けて、取り組んでいます。。 主な内容。 区が目指すまちの姿。 みどりゆたかな、住まいのみやこ。。 分野ごとの将来像と取組の方向性。 防災、防犯。みんなでつくる、災害に強く、犯罪を生まないまち。 まちづくり、地域産業。多様な魅力と交流が生まれ、にぎわいのある快適なまち。 環境、みどり。気候危機に立ち向かい、みどりあふれる良好な環境を将来につなぐまち。 健康、医療。人生100年時代を、自分らしく健やかに生きることができるまち。 福祉、地域共生。すべての人が認め合い、支え、支えられながら共生するまち。 子ども。すべての子どもが、自分らしく生きていくことができるまち。 学び。共に認め合い、みんなでつくる学びのまち。 文化、スポーツ。文化を育み継承し、スポーツに親しむことのできるまち。。 まちづくり、地域産業。 多様な機能と魅力がある、たしん型まちづくりを進める。 誰もが気軽に移動できる利便性の高いまちをつくる。 多様なライフスタイルに対応できる持続可能で柔軟なまちづくりを進める。 暮らしや環境と調和した地域産業を育み、にぎわいと活力のあるまちをつくる。。 福祉、地域共生。 互いを理解し、認め合い、支え・支えられながら暮らすことができる社会をつくる。 地域に多様な福祉基盤が整い、自分らしく歳を重ねることができるまちをつくる。 多種多様なつながりかたをつくり、孤立させないまちをつくる。 12ページ 杉並区総合計画。 時代や環境の変化に対応した、くせいを推進していくため、新たな杉並区基本構想の実現を目指す具体的な道筋として、杉並区総合計画を策定しています。杉並区基本構想の計画期間を令和4年度から概ね10年程度としていることから、総合計画の計画期間は9年間としています。8つの分野ごとの将来像に向けた取組を具体化するための29の施策を定めています。29の施策展開を支える基盤となる、くせい経営改革、協働、デジタル化の推進を図るための基本方針を示しています。。 関連する計画。 杉並区実行計画。 杉並区総合計画の各施策に掲げる目標を達成するために、特に計画的に実施していく必要がある取組、事業を具体的に明らかにした、財政上の裏付けを有する計画。 杉並区くせい経営改革推進計画、杉並区協働推進計画、杉並区デジタル化推進計画。 各基本方針に基づいた取組を推進する計画。 杉並区区立施設再編整備計画(第2期)。 区立施設の再編整備や長寿命化を総合的、計画的に推進する計画。。 バリアフリーに関連する主な内容。 多様な魅力と交流が生まれ、にぎわいのある快適なまち。 人々の暮らしを支える都市基盤の整備。 誰にとっても移動しやすい地域交通環境の整備。 暮らしやすい住環境の形成。。 すべての人が認め合い、支え・支えられながら共生するまち。 高齢者とその家族が安心して暮らせる生活の確保と社会参加の支援。 障害者の社会参加と地域生活の支援。 13ページ 杉並区まちづくり基本方針(杉並区都市計画マスタープラン)。 まちづくりに関する施策の総合的かつ計画的な推進を図ることを目的としており、令和5年度から概ね20年後の未来を展望しながらも、新たな杉並区基本構想及び杉並区総合計画との整合性を図るため、令和12年度を目標年次としています。まちづくりに関する基本的な方針と具体的な方向性を提示するものであり、都市整備分野の総合的方針として、関連する部門の計画、個別事業の指針となるものです。 分野別方針では、ユニバーサルデザインのまちづくり方針として、誰もが気軽に利用でき、移動しやすいまちづくりを推進していくとともに、交通事業者や民間施設の管理者、行政など様々な主体の協働による、施設のバリアフリー化やユニバーサルデザインに基づく整備を面的・一体的に進めていくこととしています。また、2050年ゼロカーボンシティを実現するため、まちづくり基本方針においては、基本姿勢や、改定における基本的な考え方にゼロカーボンシティの実現に向けた視点を位置付けるとともに、総合(分野別)方針の一つとして、ゼロカーボンシティを目指すまちづくり方針を掲げています。こうした考え方は、他の総合(分野別)方針に反映し、各分野の取組と連携しながら、みどりゆたかな、住まいのみやこの実現に向けた取組を進めていくこととしています。。 主な内容。 基本姿勢。 誰もが暮らしやすいまちを創る。 地域特性を生かした個性的なまちを創る。 区、区民及び事業者の協働によりまちづくりを推進する。 総合的な視点からまちづくりを促進する。 災害リスクに対応する安全・安心のまちづくりを推進する。 ゼロカーボンシティ実現の視点からまちづくりを推進する。。 ユニバーサルデザインのまちづくり方針。 誰もが気軽に利用でき、移動しやすいまちづくりの推進。 重点整備地区等におけるバリアフリー化の推進。 14ページ 杉並区地域公共交通計画。 地域公共交通の活性化及び再生に関する法律に基づく計画で、地域にとって望ましい地域旅客運送サービスの姿を明らかにする、地域交通のマスタープランの役割を果たすものです。 本計画は、区の地域交通の基本方針に基づいて、5つの目標を設定し、目標を達成するための施策と取組を進めることで、持続可能な地域公共交通の形成を図っていきます。。 主な内容。 地域交通の基本方針。 誰もが生活圏で移動しやすい仕組みをみんなで考え、みんなが支える。。 計画の目標。 目標1、持続可能な公共交通へと刷新されている。 目標2、生活圏での快適な移動が確保されている。 目標3、気軽で自由な外出と回遊が確保されている。 目標4、安全かつ安価で最適な移動が確保されている。 目標5、脱炭素化に資するかしこい移動へと転換されている。。 杉並区保健福祉計画。 新たな保健福祉分野の計画は、杉並区基本構想の健康・医療分野、福祉・地域共生分野、子ども分野における将来像の実現に向けて、保健福祉の各分野の体系ごとに統合・再編した計画として策定し、杉並区保健福祉計画と総称しています。。 関連する主な取組。 事業。 ユニバーサルデザインのまちづくりの推進(福祉への理解促進と差別解消)。 ユニバーサルデザインによるまちづくりの推進。 心のバリアフリーの理解促進。 福祉教育の推進。 共生社会しかけ隊による合理的配慮の推進。 事業。 情報発信の強化及び情報格差の解消。 バリアフリーマップの機能充実など。 15ページ (2)人口等の状況。 ①人口の推移、将来人口推計。 杉並区の人口は、令和4年4月時点で約57万人で、近年増加傾向が続いていましたが、令和3年は減少に転じています。 区の将来人口推計では、当面人口は増加を続け、令和15年頃をピークに減少に転じると予測されています。総人口に占める65歳以上の老年人口の割合は、今後一貫して増加し続け、令和47年には約29%に達する見込みです。。 ②バリアフリーを必要とする人の推移。 平成28年から令和2年までの5年間においては、要介護、要支援者数、身体障害者手帳の交付数は横ばいですが、多くのかたがバリアフリーを必要としている状況は変わらないため、引き続きバリアフリー化の取組が求められます。。 16ページ (3)施設等の配置状況。 区内の公共施設、福祉施設、高齢者施設、商業施設等の配置状況をみると、区役所、税務署、警察署など官公庁施設は、JR阿佐ヶ谷駅、東京メトロ南阿佐ヶ谷駅周辺に多く、大規模商業施設や銀行施設などは、JR、東京メトロ荻窪駅周辺に比較的多く分布しています。また、地域区民センター、福祉施設、区立公園等は区内全域に広く分布しています。。 このページでは、区内の施設等の分布を図で示しています。 17ページ 2の3、杉並区のバリアフリーの現況。 (1)公共交通。 ①鉄道駅。 鉄道駅については、区内19駅の全てで段差解消(1以上の経路の確保)が図られています。また、駅構内の多機能トイレ、音響案内装置についても全ての駅で設置が完了しています。 一方で、ホームドアの整備(ホーム柵の設置)は鉄道事業者間で整備状況の違いがあり、更なる取組の推進が求められます。。 このページでは、鉄道駅のバリアフリー化状況を表で示しています。 18ページ ②バス。 区内を運行するバス車両のうち、ていしょうバスの割合は98.7%です。また、ノンステップバスの割合は81.9%(国の整備目標は70%)であり、バス車両のバリアフリー化は着実に進んでいます。 このほか、ニーリング装置やバスロケーションシステムの導入、車いすが移動する通路幅の確保などの整備が進められています。。 このページでは、バス車両のバリアフリー化状況を表で示しています。。 (2)道路。 区道、私道のうち、道路延長でみると、幅員6m未満の道路が8割、幅員4m未満の狭あい道路が約4割を占めており、歩道が設置された区道は、区道全体の約1割にとどまっています。 歩行者交通量が多い駅や、公共施設、病院などの周辺道路は、歩道のない幅員6m未満の道路が多くなっています。このため、駅や公共施設等へアクセスする経路において、歩行者等が快適に通行できる道路の整備が必要です。。 このページでは、区道の道路幅員を図で示しています。 19ページ (2)道路の続き。 区内の横断歩道における音響式信号機、エスコートゾーンは、順次整備が進められていますが、関係機関と連携しながら、当事者の意見を踏まえた適切な整備を進めていくことが必要です。。 このページでは、横断歩道、信号の整備状況を表で示しています。。 (3)公園。 区立公園、遊び場内のバリアフリートイレは、各年度1箇所程度を整備しており、バリアフリー化は着実に進んでいます。 一方で、園路や案内板の整備は依然として不十分な箇所も多く、公園全体の総合的な整備が必要です。 このページでは、公園のバリアフリートイレの整備状況を表で示しています。。 (4)建築物。 公共施設については、施設の新築や改修の機会を捉え、バリアフリー化を進めています。令和4年に移転した阿佐谷地域区民センターにおいては、移転改築にあわせて、当事者の意見を反映した視覚障害者誘導用ブロックの整備、バリアフリートイレに介助用ベッドの設置などを行いました。 一方で、近年改修予定のない施設等については、入口の段差解消、案内板の整備・改修など、比較的短期間でできる取組により、利用者の意見を踏まえながら、適宜整備を進めていく必要があります。 20ページ コラム。バリアフリートイレの機能分散。 バリアフリートイレには、オストメイト用設備、ベビーチェア、ベビーベッドなどの様々な機能が集中し、車いす使用者の利用が困難となる状況が発生しています。 国では、設計に関する基準を見直し、トイレの表示は、多目的など誰でも利用できるような名称ではなく、個別の機能をピクトグラム等で表示する、または主な利用対象者を明確にする名称やピクトグラム等で表示するように変更しました。 東京都においても、トイレを真に必要な人が使えるようにするため、表示を見直すよう規則を改正しています。。 (5)教育啓発、心のバリアフリー。 バリアフリーに関する教育については、小学校・中学校の総合的な学習の時間において、バリアフリーやユニバーサルデザインについて学び、子ども達自身が調べたり、体験できる授業を実施しています。また、施設利用者等への心のバリアフリーを推進するため、区職員や公共交通事業者等を対象とした教育啓発が求められています。。 小学校では、バリアフリー、ユニバーサルデザインの学習や、障害者の生活や支援の仕組みに関する学習、高齢者や障害者、外国人と関わる機会。 中学校では、福祉体験、介護、介助体験、インクルーシブのまちづくりの学習、を行っています。 21ページ コラム。公共交通事業者に向けた接遇ガイドライン。 高齢者や障害者等に対する交通事業者による統一された一定水準の接遇を確保するため、公共交通事業者に向けた接遇ガイドラインを平成30年5月に作成しました。 障害別、交通モード別の特性等に対応した接遇方法や留意事項を明示しています。 新型コロナウイルス感染症の拡大に伴い、感染防止対策を踏まえた適切な接遇方法を、新型コロナウイルス感染症対策を踏まえた、公共交通事業者に向けた接遇ガイドラインとして令和3年7月にとりまとめました。。 22ページ 2の4、これまでの重点整備地区における成果。 (1)旧バリアフリー基本構想における重点整備地区(方南町駅周辺地区)。 旧バリアフリー基本構想(平成25年策定)では、平成25年度から令和3年度にかけて、方南町駅周辺地区を重点整備地区に指定し、バリアフリー化を推進してきました。 旧バリアフリー基本構想に定めた77の特定事業のうち、89.6%の事業が実施済(完了)または継続中となっています。主な成果として、公共交通特定事業では、方南町駅の新設出入口に新たにエレベーター、エスカレーターが設置されました。また、建築物特定事業では、和泉保健センターでエレベーターが設置され、バリアフリー化の整備が進められています。 なお、道路特定事業については、環状7号線における無電柱化の整備等が未着手であり、引き続き、整備に向けた取組や働きかけを行っていく必要があります。。 このページでは、事業別、主体別に、旧バリアフリー基本構想の特定事業計画の進捗状況を表で示しています。 23ページ (2)交通バリアフリー基本構想における重点整備地区(高円寺地区)。 区では、杉並区交通バリアフリー基本構想を平成15年度に策定し、高円寺駅、東京メトロ新高円寺駅、東京メトロ東高円寺駅の3駅を含む、高円寺地区を重点整備地区に定め、バリアフリー化の取組を推進してきました。この交通バリアフリー基本構想は、交通バリアフリー法に基づき、鉄道駅と道路のバリアフリー化により、移動の利便性や安全性の向上を図るものとなります。。 鉄道駅。 重点整備地区として鉄道駅の整備を進めた結果、バリアフリー化の成果として、高円寺駅、新高円寺駅、東高円寺駅の全ての駅でバリアフリートイレが整備済みとなっています。また、エレベーターの設置は、平成25年度には高円寺駅、新高円寺駅、東高円寺駅で設置が完了し、鉄道駅のバリアフリー化が大きく進みました。。 道路。 特定経路として設定した、とどうの環状7号線及び新高円寺駅から東高円寺駅までの青梅街道では、無電柱化の整備(一部区間)や段差、凸凹の解消、視覚障害者誘導用ブロックの敷設がなされています。 区道では、高円寺北通り、こうなん通り、都市計画道路補助226号線の一部が特定経路として整備が完了しています。 音響式信号機は15箇所、エスコートゾーンは14箇所が整備され、バリアフリー化の取組が進みました。。 このような成果を踏まえ、高円寺地区は旧バリアフリー基本構想(平成25年策定)の策定段階で、重点整備地区からは外れましたが、区としては建築物等の適切な維持管理や、心のバリアフリーなどのソフト対策を通じ、バリアフリー化の取組を継続して推進していきます。 24ページ このページは、白紙です。 25ページ 第3章、杉並区におけるバリアフリーの基本的な方針(移動等円滑化促進方針)。 3の1、基本理念。 区では、令和3年10月に策定した、杉並区基本構想の中で、概ね10年後の区が目指すまちの姿を、みどりゆたかな、住まいのみやことし、この将来像を実現するための取組を行っています。また、分野ごとの将来像として、まちづくり・地域産業では、多様な魅力と交流が生まれ、にぎわいのある快適なまち、福祉、地域共生では、すべての人が認め合い、支え、支えられながら共生するまちを取組の方向性としています。 杉並区基本構想の目標を踏まえ、杉並区バリアフリー基本構想では、安全、安心でウォーカブルなまちづくりとあわせて、誰もがどこでも自由に暮らせるユニバーサルデザインに基づいたまちづくりや、全ての区民が社会的な役割を持ち、相互の連携と協力によって課題を解決していくソーシャルインクルージョンの考えかたに基づいた取組を推進していくため、次のとおり基本理念を定め、施設や建物等のハード整備と、心のバリアフリーなどのソフト面の取組の両面から、杉並区内のバリアフリー化に取り組んでいきます。。 杉並区バリアフリー基本構想の基本理念。 誰もが安心して快適に暮らし、共生するまち、杉並。 26ページ 3の2、基本方針。 区は、区内全域が良好な住宅都市としての性格を備え、地域による特性はあるものの、鉄道駅を中心とした商業系地域の後背に住宅地が広がる姿が、ひとつの形として集まったものとなっています。このため、杉並区バリアフリー基本構想は、区全域を対象としながら、鉄道駅を中心とした地区や特別特定建築物(官公庁施設、福祉施設等)が集積した地区を単位として、地区別バリアフリー推進計画を策定していくこととします。 ICTを活用した情報伝達や新たな公共交通サービスの導入を検討するなど、先端技術を活用したバリアフリー化の取組を積極的に推進していくため、基本方針として、先端技術を活用したバリアフリー化の推進を新たに定めることとします。 これらを踏まえ、基本理念を実現するため、次の6つの基本方針を定め、バリアフリー化を推進していきます。。 基本方針1、区内全域のバリアフリー化を推進します。 基本方針2、教育啓発をはじめとする心のバリアフリーを推進します。 基本方針3、地域の課題・特性を整理し効果的なバリアフリー化を推進します。 基本方針4、多くのかたが利用する駅や施設の重点的なバリアフリー化を推進します。 基本方針5、段階的・継続的にバリアフリー施策の発展を図ります。 基本方針6、先端技術を活用したバリアフリー化を推進します。 27ページ 基本方針1、区内全域のバリアフリー化を推進します。 誰もが安心して快適に暮らせるまちを目指し、区内全域のバリアフリー化を推進します。また、優先性が高い地区では、まちづくり事業や都市計画事業を踏まえつつ、移動等円滑化促進地区や重点整備地区に指定し、面的、一体的なバリアフリー化を推進していきます。道路、公園、建築物などの施設については、新設や大規模改修に加え、既存の施設においてもバリアフリー化を進めていきます。 各地区のバリアフリー化の推進にあたっては、まち歩きの実施や個別の施設整備の検討、パブリックコメント等の機会を通して、区民や当事者の参加による検討を進めます。。 基本方針2、教育啓発をはじめとする心のバリアフリーを推進します。 区内全域のバリアフリー化を推進していくためには、ハード面の整備だけでなく、これらの施設の利用や区民生活において、年齢や性別、障害の有無などを越え、全ての人がお互いに認め合いながら共生できる社会を形成していくことが重要です。 区民一人ひとりが、お互いに尊重し合い、支え合う心をはぐくむため、バリアフリー等に関連する情報提供や広報啓発活動をはじめ、学校教育との連携などに取り組み、心のバリアフリーを推進していきます。また、公共交通事業者や区の職員などに対する教育啓発を行い、利用者や区民に対する困りごとに対する手助け、協力する意識醸成を図ります。。 基本方針3、地域の課題、特性を整理し効果的なバリアフリー化を推進します。 住宅都市としての特性や、駅のバリアフリー化の課題、駅周辺地区のまちづくりの特性を踏まえた様々な視点から、効果的で杉並らしいバリアフリー化を進めていきます。 これまで実施してきた事業の推進に加え、まちづくりの進展や区民のニーズに応じて、重点整備地区の追加や事業の拡充を行い、充実した取組を行っていきます。また、区が都市再生事業や、たしん型まちづくりを進める際には、バリアフリー化の推進についてもあわせて検討していきます。 28ページ 基本方針4、多くのかたが利用する駅や施設の重点的なバリアフリー化を推進します。 区内全域のバリアフリー化の方針を示した上で、重点的に取り組むべき地区や事業を整理し、移動等円滑化促進地区、重点整備地区を設定し、重点的なバリアフリー化を推進します。 特に、多くのかたが利用する交通結節点であり、生活上の重要な拠点となる鉄道駅を中心とした地区や、特別特定建築物(官公庁施設、福祉施設等)が集積した地区は、重点整備地区に設定し、施設や道路について具体的なバリアフリー化の事業を定め、地区の面的、一体的なバリアフリー化を推進していきます。。 基本方針5、段階的、継続的にバリアフリー施策の発展を図ります。 バリアフリー基本構想改定後は、区民、学識経験者、公共交通事業者、道路管理者、公共施設管理者等の関係者で構成する、杉並区バリアフリー推進連絡会により、特定事業の進行状況の確認、検証を行い、段階的・継続的な取組(スパイラルアップ)によるバリアフリー施策の発展を図ります。 バリアフリー基本構想改定時には、特定事業の進捗状況をもとに重点整備地区の継続の必要性について検討することで、地区内の面的なバリアフリー化が完了するよう効果的な管理・取組を行います。。 基本方針6、先端技術を活用したバリアフリー化を推進します。 近年、ICT等の先端技術の発展により、あらゆる人が質の高いサービスを受けられるようになっています。 このような中、バリアフリー施策においても、ICT等のデジタル技術や、杉並区地域公共交通計画に基づく新モビリティ等の先端技術の積極的な活用を検討し、移動困難者の移動支援等を充実していきます。 デジタル技術の活用や施設整備にあたっては、バリアフリーとあわせてユニバーサルデザインに配慮し、デジタル技術の利用に慣れていない区民や、外国人・らいがいしゃといった区に関わる全てのかたが必要な情報を入手しながら、快適な施設の利用ができるよう努めます。 29ページ 3の3、分野別の方針。 先に定める基本方針の実現を目指して事業を推進していくため、バリアフリー化の分野別方針を、次のとおり定めます。施設の新設や改良を行う際は、施設管理者等が国や東京都の定める整備基準等に適合するよう整備することを基本とし、ここに示された事項に配慮してバリアフリー化を推進していきます。。 (1)公共交通。 ①鉄道。 区内全駅のバリアフリー経路、バリアフリートイレの適切な維持管理と改善。 区内全駅で、バリアフリー経路及びバリアフリートイレの適切な維持管理と改善を進めます。 更なる利便性の向上と誰もが安心して移動できる環境を目指し、必要に応じて車いす等で移動できる経路を複数整備していきます。 バリアフリートイレには、介助用ベッドの設置及び維持管理を促進します。。 プラットホーム、車両の安全対策。 視覚障害者等の転落を防止するための内方線付き点状ブロックの整備、車両扉位置が一定である等条件が合致する場合については、可能な限りホームドア等の設置、転落防止ゴムの設置による、ホームと車両の段差、隙間の解消やホームの勾配についての注意喚起などを推進していきます。 車両更新にあわせた、車いすスペースの確保、案内表示装置の更新を推進します。。 誘導案内施設の整備。 音声案内の導入や、ユニバーサルデザインに配慮したサインなど誰もがわかりやすい案内施設を整備していきます。 接続する交通機関との案内を改善し、情報伝達を強化していきます。。 利用者マナーの向上、研修、教育。 エレベーターやバリアフリートイレ等の利用ルールやマナーの周知などの情報提供に努めるとともに、駅職員を対象とした接遇研修、バリアフリー教育の実施、停電・節電時や災害時の一般利用客を含めた対応など、ソフト面での取組を推進していきます。。 30ページ ②バス。 車両、停留所の改良。 ノンステップバスなどのていしょう車両を導入します。 車いすスペースの確保や、固定方法の周知、利用しやすい降車ボタンの設置など、利用者の意見を踏まえた工夫を取り入れます。 上屋の設置、ベンチの設置、運行案内情報の提供など、停留所の改良を進めます。また、ユニバーサルデザインに対応したバス停留所の案内表示を進めます。 バスロケーションシステム、混雑情報提供システムの導入など、情報伝達によるサービスの維持、改善を図ります。 道路管理者や交通管理者と連携し、バス停留所の違法駐車対策や、視覚障害者誘導用ブロック上における障害物等の除去を徹底します。。 情報伝達、教育啓発。 分かりやすい行先アナウンス、バス車内や営業所に筆談器具を設置し、乗務員による対応を充実します。 利用ルールやマナーの周知、バリアフリー設備の整備状況などの情報提供に努めるとともに、乗務員等を対象とした接遇研修、バリアフリー教育の実施、災害時の一般利用客を含めた対応など、ソフト面での取組を推進します。。 (2)道路。 道路移動等円滑化基準や、東京都福祉のまちづくり条例に基づき、バリアフリー整備を進めています。。 安全な歩行環境の確保。 区道のうち、歩道が設置されている道路は約1割で、幅員4m未満の道路が4割を占めており、幅員の狭い生活道路のバリアフリー整備が課題です。 歩道のない生活道路や、幅員の狭い道路は、安全に移動できる歩行空間の拡充が求められており、舗装の劣化、段差の解消など、歩行者の安全確保に努めます。また、視覚障害者誘導用ブロックの設置や改善、連続性の確保、案内標識の整備、休憩のためのベンチの設置を検討します。 車いす使用者等が安全に移動できるよう、横断歩道に接続する歩道部の段差解消などを図っています。歩道の切り下げ部なども、車いす使用者やベビーカー利用者、視覚障害者等の安全確保に努めます。 31ページ 道路の不法占拠者への指導、利用マナーの啓発。 看板設置や商品陳列、放置自転車などの道路の不法占有者に対する指導や取締りを実施します。 ゴミの出しかたなど、道路の利用マナー啓発・指導を行っていきます。。 (3)特定ろがい駐車場。 区では、区立施設における特定ろがい駐車場はありませんが、民間事業者の施設に対しては、車いす使用者用駐車施設や、出入口の段差の解消など、バリアフリー整備を誘導していきます。。 (4)都市公園。 都市公園移動等円滑化基準、東京都福祉のまちづくり条例に基づき、公園の新設や改修をする際は、特定公園施設の整備を着実に進めており、地形的な課題がある箇所以外は、区立の全園で出入口の段差解消は完了しています。 区が公園の新設・改修を行う際は、設計段階からバリアフリーを必要とする当事者の意見を取り入れ、設計や運用方法に反映するなど、高齢者や障害者を含む全ての人が、快適で利用しやすい公園づくりを行います。 インクルーシブ遊具等の設置を検討するなど、障害の有無にかかわらず誰もが安心して遊べる公園づくりを進めます。 ベンチやトイレ等の既存施設の適切な維持管理を行うとともに、オストメイトやベビーベッドなどバリアフリー設備を備えたトイレの整備を進めます。 多言語表示等、ユニバーサルデザインに対応した案内表示の設置を進めます。 公園のイベント利用時においては、園路の幅員を確保するようイベント主催者へ周知するなど、適切な利用を促します。。 コラム。インクルーシブ遊具。 インクルーシブ遊具は、人種や性、障害の有無に関わらず、多様な子ども達が一緒に遊び、楽しめるよう工夫して設計された遊具のことです。 車いすでも利用できるスロープや幅員を確保し、子どもの利用動線を考慮して設計されています。 刺激的な色に敏感な子供に配慮し、落ち着いた配色などにも配慮しています。 32ページ (5)建築物。 施設の設計段階における当事者の意見聴取。 公共施設の整備の検討時には、設計段階から当事者など区民の意見を聴取する機会を設け、適切に課題や要望等を反映し、誰もが使いやすい施設整備を進めます。 バリアフリートイレは、車いす使用者など、種々の機能を必要とするかたが適切に利用できるよう、機能分散や、バリアフリートイレへの名称変更に関する周知を進めます。。 人的対応。 入口に段差がある場合の車いす使用者への対応や、筆談器具等を活用した聴覚障害者への対応など、特性に応じた職員等の配慮や対応の方針について、施設ごとの手引書を作成するなど、心のバリアフリー推進に向けた取組を進めます。。 施設の適切な維持管理。 公共施設は、計画的な施設の建替え、再編、改修を進めており、これにあわせて、適切な維持管理やバリアフリー化の取組を図ります。。 商店等への支援、意識向上。 規模の小さな個人商店などにおいても、誰でも利用しやすいバリアフリー整備が大切です。各商店等については、施設整備、販売促進等の商店街活性化を図る事業に係る、資金の融資あっせんにより支援を行います。 区民、事業者(建築主)への意識の普及を図り、段差があり入店が困難なかたへの声がけや必要な手助けを行うなど、心のバリアフリーによる取組を推進します。。 民間住宅への支援。 住宅については、高齢者や障害者のためのバリアフリー工事、自宅のリフォームなど、住宅の修繕や増改築や耐震改修についての相談体制を充実します。 一定条件に該当する高齢者や障害者等を対象に、手すりの取り付け、段差の解消などの住宅設備改修費の一部助成を行います。。 区立学校のバリアフリー整備。 区立の小中学校については、地域住民として障害者や高齢者等の利用も考慮し、分かりやすいトイレの案内表示の設置等のバリアフリー化の取組を推進し、ユニバーサルデザインに配慮した施設を目指します。 33ページ (6)交通安全。 道路標識や音響式信号機の設置、維持管理を適切に行います。 音響式信号機について、区民からの要望や利用実態を踏まえて、適切な音量調整や鳴動時間の延長、待ち時間表示など、バリアフリー対応信号機の設置を計画的に推進していきます。 視覚障害者への対応として横断歩道へのエスコートゾーンの設置や、踏切における視覚障害者への対応を検討していきます。 定期的な道路パトロールを実施し、違法駐車取締の強化や、商店会・町内会等と連携した地域での啓発活動を実施します。。 コラム。踏切道におけるバリアフリー対策。 踏切道のバリアフリー化にあたっては、高齢者・障害者等が連続して移動できるように、交差する道路と一体的に対策を行うことが必要です。 道路管理者、鉄道事業者が連携して取り組むことが重要です。 令和4年に、道路の移動等円滑化に関するガイドラインの改定がなされ、踏切道での視覚障害者の誘導について、次の整備内容が明確に規定されました。 1、踏切手前部に視覚障害者誘導用ブロックを設置。 2、視覚障害者が踏切の外にいると誤認することを回避するため、踏切内に表面に凹凸のある誘導表示等を設置。 34ページ (7)教育啓発、心のバリアフリー。 区民や区職員に対するバリアフリーに関する啓発活動や当事者目線でのまち歩き点検の実施、区立の小中学校におけるバリアフリーやユニバーサルデザインに関する学習の実施など、バリアフリーへの理解を深める取組を推進します。。 職員の意識向上。 区職員に対して、杉並区における障害を理由とする差別解消の推進に関する職員対応要領の周知徹底を図るとともに、障害理解を深める研修を実施するなど、職員の意識の向上に努めます。。 コラム。職員研修の実施。 障害者への合理的配慮を考える職員研修会。 障害者差別解消法により、区職員に合理的配慮の提供が義務付けられる一方で、職員の認知度は依然として十分ではないため、職員研修を毎年実施しています。 令和4年度は、全盲の役者を有する劇団を招き、障害者と接する際に必要な気づきや、行動等を、寸劇で学ぶワークショップ形式の研修会を行いました。。 学校と地域の包括的な支援体制の構築。 全ての子どもたちが地域社会の一員として豊かに成長するため、多様な交流の機会の設定や、保護者や地域、関係機関と連携した支援体制の整備を通して、インクルーシブ教育システムの構築を図るとともに、共生社会の実現に向けた取組を推進します。。 心のバリアフリーの啓発。 高齢者や障害者などが抱える日常生活における困難さや不自由さを誰もが理解し、駅や施設など様々な場所で支え合えるよう、ポスター等による啓発やヘルプマークの配布など、心のバリアフリーの啓発を行います。施設管理者等は施設職員へ、心のバリアフリーの普及・啓発を推進します。。 心のバリアフリー協力店の普及啓発。 高齢者や障害者、子ども連れのかたなどに配慮した対応を行う店舗に対して、心のバリアフリー協力店として認定し、ステッカーの配付・掲出や区ホームページで紹介するなど、広く区民に周知します。また、協力店の増加を促進し、誰もが安心して買い物や外出ができる環境の整備に努めます。 35ページ まち歩き点検等の定期的な開催。 まちなかや施設において、当事者の目線で課題や現況を把握するため、まち歩き点検等を定期的、継続的に実施します。。 共生社会しかけ隊による合理的配慮の促進。 当事者、支援者などから構成する、共生社会しかけ隊が、区内の様々な場所に出向き、当事者の不便さに気づき、一緒に工夫して解決する働きかけを行い、その働きかけを普及啓発することで、誰もが暮らしやすいまちづくりを目指す取組を進めます。。 ユニバーサルタイムの実施。 区では、障害者が気軽にスポーツ・運動に親しめる事業として、ユニバーサルタイムを試行的に実施します。障害の種類・程度、本人希望に応じて、軽い運動、ウォーキングなどのプログラムを実施します。。 (8)その他の事業。 ①情報伝達。 障害のあるかたへの生活支援、情報提供。 障害のあるかた等への生活支援に関する情報やイベント情報などを、区が発行する、障害福祉のしおりや、杉並区ホームページ内の生活支援サイト、のーまらいふ杉並でお知らせしています。 音声コード(ユニボイス)の導入や、ウェブアクセシビリティにも配慮しながら、誰もが使いやすい情報の提供を目指します。。 バリアフリーに関する情報発信。 区の公式電子地図サービス、すぎナビのバリアフリーマップでは、心のバリアフリー協力店の位置や、バリアフリー設備、現状の情報提供に加え、今後は利用者がより使いやすい形の情報発信に努めるとともに、区立施設や鉄道駅などを含めた総合的なバリアフリー情報の提供を目指します。 更には、東京都が運営する、とうきょうユニバーサルデザインナビなど、バリアフリー情報を掲載したマップやホームページ等と連携し、区立施設のバリアフリー設備の整備や変更があった場合は速やかに情報提供を行うなど、よりわかりやすい情報提供に努めるとともに、区内のバリアフリー対応状況の周知を図っていきます。 36ページ ユニバーサルデザインに配慮した案内。 案内標識やピクトグラムなどは、国の道路標識設置基準や、道路の移動等円滑化整備ガイドラインなどに準拠し、誰もが自由に行動するため分かりやすさに配慮します。。 ICTを活用した視覚障害者等に向けた誘導案内システムの導入を検討。 視覚障害者や外国人向けの誘導案内として、コード化点字ブロックやナビレンス等のICTを活用したシステムの効果を検証し、導入に向けた検討を推進します。。 コラム。ICTを活用した視覚障害者の誘導。 コード化点字ブロック。 点字ブロックの25個ある点に色をつけ、スマートフォンアプリのカメラで読み込むことで、分岐点で方向や周辺情報を音声で知らせるシステムです。 視覚障害者に対して誘導の情報を提供できるほか、観光客や外国人に向けて観光情報等を提供することが可能です。。 ナビレンス。 視覚障害者等の移動や行動を助ける新たな手法で、スマートフォンアプリのカメラでタグを読み込むと、目的地の内容・方向・距離などの案内が表示され、音声で読み上げられるシステムです。。 ナビレンス実証実験。 区内においては、特定非営利活動法人が令和4年11月に阿佐ヶ谷駅から阿佐谷地域区民センターまでの区間で実証実験を実施しています。地域内の公共施設、商業施設等にナビレンスのコードを表示し、視覚障害者の移動支援、沿道店舗の情報提供を行いました。 37ページ ②外出支援。 杉並区外出支援相談センター、もびーる。 高齢や障害などにより、外出することが困難な移動困難者が、出かけたいところに出かけられるまちの実現をめざし、外出に関する相談や情報提供、必要なサービスへの案内等を行う、杉並区外出支援相談センターを設置しています。。 タクシー。 タクシー車両については、誰もが利用しやすいユニバーサルデザインタクシーの導入を促進します。 歩行困難な心身障害者のかたに、福祉タクシー券やリフト付タクシー補助券を交付します。また、妊産婦のおでかけ支援として、妊婦無償応援券、ゆりかご券を使ったタクシー利用を推進します。区の登録事業者に限ります。。 福祉有償運送団体の支援。 区内で福祉有償運送活動を継続する特定非営利活動法人等の団体に対して、安全運行や利便性向上等の観点から、補助金の交付を行っています。 区では、福祉有償運送に携わる運転手資格を有するために必要な、福祉車両運転協力員講座を、すぎなみ地域大学で実施しています。。 ③移動の選択肢の拡充。 杉並区地域公共交通計画では、気軽で自由な外出と回遊性の確保を目標の一つに掲げており、マースや、グリーンスローモビリティ等の、新たな公共交通サービスの導入を検討するほか、区民が様々な移動等の選択肢を持てるよう、新たなモビリティについても調査研究を実施します。。 38ページ コラム。新たな移動の選択肢。 近距離モビリティ、ウィル。 免許不要で歩道を走行可能な近距離モビリティです。 長距離の歩行や体力に不安を抱えるかたや、免許返納をしたかた、返納を検討しているかた、高齢者等に対して、快適な移動をサポートします。 最近では日常利用だけでなく、駅から周辺2、3km圏内や、観光エリア、商業、娯楽施設などでその場で使えるシェアリングサービスとしての活用も進んでいます。。 グリーンスローモビリティ。 時速20km未満で公道を走ることができる、電動車を活用した移動サービスで、その車両も含めた総称のことです。 環境にやさしく、高齢者の移動手段の確保や観光客の利便性の高い周遊手段の確保等が期待されています。 区では、令和6年12月の、仮称、てきがいそう公園の開園にあわせて、モデルケースとして荻窪駅南側エリアにおける区民や来街者の回遊性を向上させるため、グリーンスローモビリティの運行を開始する予定です。。 ユニバーサルマース。 移動にためらいを持つかたが、快適にストレスなく移動を楽しめるよう支援するサービスです。 出発地から目的地まで移動する際に必要な情報(運賃、運航・運行状況、ルート、スポット情報等)のほか、バリアフリーの乗り継ぎルート情報等を利用者に提供しながら、希望する介助内容等を各サービス提供者(事業者)側に共有するなど、情報を繋ぐ仕組みを構築しています。。 ④自転車安全利用教室。 区立小中学校において自転車の安全利用に関する講習会を実施し、自転車の交通ルール、マナーを啓発します。 出前型の自転車講習会として、町会・自治会、保育園や学校の保護者会等を対象に、交通安全啓発映画の上映や自転車の交通ルールやマナー等の講習を実施します。 39ページ 3の4、移動等円滑化促進地区の考えかた。 移動等円滑化促進地区の要件は、バリアフリー法において次のように定められています。。 移動等円滑化促進地区の要件。 生活関連施設の所在地を含み、かつ、生活関連施設相互間の移動が通常徒歩で行われる地区であること。 生活関連施設及び生活関連経路を構成する一般交通用施設について移動等円滑化を促進することが特に必要であると認められる地区であること。 当該地区において移動等円滑化を促進することが総合的な都市機能の増進を図る上で有効かつ適切であると認められる地区であること。。 バリアフリー法に基づく移動等円滑化促進地区を設定し、バリアフリー化の方向性を定めるとともに、具体的な取組(特定事業)を行う重点整備地区を重ねあわせて位置付けることで、重層的なバリアフリー化を推進していくこととします。また、区では、杉並区まちづくり基本方針において、杉並区の7つの地域ごとに、地域別方針を定めており、その地域別方針を補完するため、駅周辺を含む一帯の地域で、まちづくり方針を策定しています。 バリアフリーの取組では、各地区のまちづくりの動きと一体的に進めていく必要があることから、バリアフリー化の状況を捉えつつ、移動等円滑化促進地区の範囲を次の方針に基づき設定します。。 杉並区の移動等円滑化促進地区範囲設定の考えかた。 まちづくり方針を検討・策定している地区は、まちづくり方針の地区範囲を原則とする。 ただし、重点整備地区がまちづくり方針の地区範囲をはみ出る箇所は、重点整備地区の範囲にあわせる。 まちづくり方針を検討・策定していない地区は、重点整備地区と同じ範囲とする。 40ページ バリアフリー法に基づく届出制度。 移動等円滑化促進地区では、旅客施設の建設、道路の新設等であって、他の施設と接する部分について、バリアフリー化に支障を及ぼすおそれのある行為をしようとする公共交通事業者又は道路管理者は、区に届け出ることとしています。また、区では、届出に係る行為がバリアフリー化の促進を図る上で支障があると認める時は、その届出をした者に対し、必要な措置の実施を要請することができます。届出対象となる施設及び行為は、次のとおりです。。 届出対象となる施設及び行為。 全ての旅客施設(生活関連施設)。 届出対象となる行為。次の部分の新設又は構造もしくは配置の変更。 ホームから他の旅客施設(生活関連施設)との間の経路。 ホームから生活関連経路である道路との間の経路。 当該施設に接する、公共用通路等、道路以外との間の経路。 ホームから連続したバリアフリールートとなる出入口。。 道路(生活関連経路)。 届出対象となる行為。次に接する道路の新設、改築又は修繕。 旅客施設(生活関連施設)の出入口。 旅客施設(生活関連施設)に接する公共用通路等(道路以外)。 41ページ 第4章、重点整備地区の選定。 4の1、重点整備地区選定の考えかた。 重点整備地区の要件は、バリアフリー法において次のように定められています。。 重点整備地区の要件。 生活関連施設の所在地を含み、かつ、生活関連施設相互間の移動が通常徒歩で行われる地区であること。 生活関連施設及び生活関連経路を構成する一般交通用施設について移動等円滑化のための事業が実施されることが特に必要であると認められる地区であること。 当該地区において移動等円滑化のための事業を重点的かつ一体的に実施することが、総合的な都市機能の増進を図る上で有効かつ適切であると認められる地区であること。。 杉並区では、地区のバリアフリー事業を適切に推進するため、次の方針に基づいて重点整備地区を定めることとします。 重点整備地区は、各地区の整備状況の評価や検証結果、区民意見、関連する計画などを踏まえ、適切な見直し(スパイラルアップ)を行い、継続的にバリアフリーを推進していきます。。 杉並区の重点整備地区設定の考えかた。 鉄道駅を中心とした徒歩圏内の地区を対象とする。 地区の状況を複数の指標に基づき数値評価をし、重点整備地区候補を抽出。 地区の状況を総合的に勘案し、重点整備地区を選定。 42ページ 4の2、重点整備地区の評価方法。 区内の全19駅を重点整備地区候補とし、人口要件、配置要件、課題要件の各項目について点数化し、数値評価を行いました。。 人口要件。 1、高齢者人口の割合が高い。 2、乳児等人口の割合が高い。 配置要件。 3、駅別乗降者数が多い。 4、バス運行本数が多い。 5、生活関連施設数が多い。 課題要件。 6、アンケートによる駅に対する満足度が低い。 7、アンケートによる駅周辺の道路に対する満足度が低い。 8、アンケートによる駅周辺の信号機・横断歩道に対する満足度が低い。 まちづくりの動向。 9、各地区のまちづくり事業、道路整備事業の動きがある。。 旧バリアフリー基本構想における評価項目からの変更点。 地域における高齢者、乳児等の状況を把握するため、実人口から割合に変更。 駅周辺を利用するバスの総量を把握するため、バス路線系統数から運行本数に変更。 バリアフリー化を必要とする施設量を把握するため、生活関連施設数を指標に追加。 地区の都市基盤整備の動きと連携したバリアフリー化を図るため、各地区のまちづくりの動向を加点項目として追加。 配置要件としてアンケート調査による、よく利用する駅等の施設を数値評価から除外。。 バリアフリーアンケート調査。 当事者の意見を収集し、バリアフリー施策の継続的な発展を図るため、令和3年度に高齢者団体、障害者団体、子育て世帯を対象に、バリアフリーアンケート調査を実施。 アンケート結果による駅、駅周辺の道路、信号機満足度をもとに、重点整備地区の評価に活用。 43ページ 重点整備地区候補の評価結果。 このページでは、重点整備地区候補の評価結果を表で示しています。 評価の結果、JR荻窪駅、JR阿佐ヶ谷駅、東京メトロ荻窪駅、京王井の頭線高井戸駅、東京メトロ方南町駅の順で、順位が高くなりました。 44ページ このページは、白紙です。 45ページ 4の3、重点整備地区の選定結果。 数値評価の結果に基づき、既存の重点整備地区、方南町駅周辺地区に加え、合計点数の高い上位5駅を含む、荻窪駅周辺地区、阿佐ヶ谷駅周辺地区、富士見が丘駅・高井戸駅周辺地区の3地区を新たな重点整備地区に選定します。 富士見が丘駅及び高井戸駅は、駅間距離が比較的近いことや、周辺施設へのアクセスとしてどちらの駅も利用されることから、2つの駅を一体的な地区として選定します。 方南町駅周辺地区は、旧バリアフリー基本構想の特定事業において、一部の事業が未着手であることや、数値評価の結果も比較的高順位であることから、引き続き重点整備地区に選定し、事業の完了に向けた取組を行っていくこととします。 なお、各重点整備地区の課題や方針等については、第5章、重点整備地区における地区別バリアフリー推進計画で示しています。 46ページ 4の4、生活関連施設、生活関連経路の考えかた。 バリアフリー法において、生活関連施設・生活関連経路は次のように定義されています。。 生活関連施設。高齢者、障害者等が日常生活又は社会生活において利用する旅客施設、官公庁施設、福祉施設その他の施設。 生活関連経路。生活関連施設相互間の経路。。 ①生活関連施設の設定。 高齢者、障害者等の利用が多い施設や、不特定多数が利用する施設を、次の抽出要件を基本とし、生活関連施設を設定します。。 旅客施設。主要駅。 公園、運動施設。1,000㎡以上の都市公園。体育館、武道館その他屋内施設。 医療施設。病院、診療所。 保健、福祉施設。総合福祉施設。高齢者、障害者福祉施設。 教育、文化施設。図書館、博物館、美術館。幼稚園。保育施設。小学校、中学校、高等学校。市民会館。公民館、資料館。市民ホール、文化ホール。演芸場、劇場、観覧場。 金融機関等。郵便局。銀行。 商業施設。大規模小売店舗等。 官公庁等。区役所等。警察署。地域区民センター、区民事務所、コミュニティーセンター等。都税事務所、税務署。。 ②生活関連経路の設定。 生活関連施設同士や、主要な施設を結ぶ経路を基本とし、次の基準で生活関連経路を設定します。。 生活関連経路の設定基準。 鉄道駅から生活関連施設を連絡。生活関連施設相互間を連絡。利用頻度が高い経路を優先。障害者や高齢者等の利用頻度が多い生活関連施設を優先。 47ページ 4の5、特定事業の個別方針。 特定事業は、バリアフリー法第2条で定める事業を指し、生活関連施設、生活関連経路のバリアフリー化を具体化するために定めるものです。 杉並区バリアフリー基本構想では、次のカッコ1からカッコ6までの特定事業を定めるとともに、カッコ1からカッコ6までに該当しない事業を、カッコ7、その他の事業として定めます。。 カッコ1、公共交通特定事業。カッコ2、道路特定事業。カッコ3、都市公園特定事業。 カッコ4、建築物特定事業。カッコ5、交通安全特定事業。カッコ6、教育啓発特定事業。 カッコ7、その他の事業。。 これらの特定事業について、事業ごとの方針を、個別方針として記載します。。 (1)公共交通特定事業の方針。 公共交通事業者が、鉄道駅や乗合路線バスに関するバリアフリー化を図るための方針を定めます。。 ①鉄道。 誰もが安全に利用できるよう、ホームの線路転落防止対策を実施します。 トイレや通路等の既存の設備について、ユニバーサルデザインに対応した改良等を推進します。 よりわかりやすい情報伝達手段の充実や既存の案内板の更新や維持管理等、適切な情報伝達を行います。 大規模な改修や設備更新等の機会を捉え、当事者意見の反映等をした上で、誰もが利用しやすいよう施設整備を行います。。 ②バス。 バス停留所や待合スぺ―スについて、上屋やベンチの設置検討など当事者が円滑に乗降できるよう、改善、改良を図ります。 車両等を新たに導入する際には、車いす使用者や視覚障害者が容易に使用できる降車ボタンの設置やノンステップバスの導入等、障害者やベビーカー利用者等の多様な特性に対応してバリアフリー化を進めます。 バスの降車ボタンについては、バリアフリー整備ガイドライン(車両等編)に基づき、車いすスペースにおいて車いす使用者が容易に使用できる降車ボタンを設置するよう努めます。 既存の案内板の更新や維持管理等を適切に行い、よりわかりやすい情報伝達手段の充実に努めます。 48ページ (2)道路特定事業の方針。 道路管理者が、道路や駅前広場等、生活関連経路のバリアフリー化を図るための方針を定めます。。 無電柱化や歩道の設置などの整備を実施します。 視覚障害者誘導用ブロックの整備や路面の補修など既存施設の適切な維持管理を行います。 車いす使用者やベビーカー利用者等が移動しやすいよう、歩道の整備、維持管理を行います。 案内標識の更新や補修など、適切な情報発信をします。 住宅地における細街路の整備を実施します。。 (3)都市公園特定事業の方針。 公園管理者等が、都市公園等の特定公園施設(主要な園路、案内板、トイレ等)に関するバリアフリー化を図るための方針を定めます。。 車いす使用者やベビーカー利用者等が移動しやすいよう、園路や出入口を整備します。 視覚障害者誘導用ブロックの整備をはじめ、既存施設の適切な維持管理を行います。 ユニバーサルデザインへの対応など、誰もが利用しやすいようにトイレやその他の施設の機能を改善します。。 (4)建築物特定事業の方針。 建築主等が、生活関連施設の建築物に関するバリアフリー化を図るための方針を定めます。。 既存の施設について、案内板の改善や手すりの設置など、施設利便性の向上を図ります。また、既存のバリアフリー設備の機能を十分に活用した施設利用を推進します。 誰もが移動しやすいよう、段差の解消や視覚障害者誘導用ブロックの整備及び維持管理を行います。 ユニバーサルデザインに対応した案内板等、誰もが分かりやすい情報伝達手段の充実や既存設備の維持管理の充実を図ります。 施設の大規模な改修や新設等の機会を捉え、当事者意見を参考とした整備を行います。 先端技術を活用したバリアフリー化の調査・研究を推進します。   49ページ (5)交通安全特定事業の方針。 信号機や横断歩道の整備、違法駐車行為の防止等のための方針を定めます。。 道路標示等、交通安全施設の適切な維持管理を行います。 誰もが安全に移動できるよう、音響式信号機やエスコートゾーンの整備や維持管理を行います。 路上違法駐車行為の防止等の取り締まりを徹底します。。 (6)教育啓発特定事業の方針。 社会全体が、高齢者や障害者等の困難を自らの問題として認識し、心のバリアを取り除き、社会参加への協力を促進するための方針を定めます。。 なお、公共交通事業者等の個別事業についても、教育啓発特定事業の項目を設けて、実施すべき特定事業を定めます。。 心のバリアフリーに関するイベントや講習等を開催し、バリアフリー教育を推進します。 多様な利用者へ適切に対応するため、駅職員の教育やサービス介助士等の資格の取得を推進し、人的対応・接遇を充実します。 新型コロナウイルス感染症対策等を踏まえた、公共交通事業者に向けた接遇ガイドラインに基づく取組を推進します。。 (7)その他の事業の方針。 高齢者や障害者等が円滑に必要な情報を取得できるよう、生活関連施設、生活関連経路に関するバリアフリー化事業のうち、各特定事業に該当しない事業です。。 先端技術を活用したバリアフリー化の調査、研究を推進します。 ユニバーサルデザインに対応した案内板等、誰もが分かりやすい情報伝達手段の充実や既存設備の改良や維持管理、広報の充実を図ります。 杉並区地域公共交通計画と調和を図り、相互に連携した事業を推進します。 すぎナビを活用したバリアフリーに関する情報伝達の充実を図ります。 交通管理者や学校教育と連携し、区立小中学校を対象とした自転車安全利用の教育を実施します。 高齢者や障害者等の当事者が多数利用する施設が集まった地区においては、面的、一体的なバリアフリー化を推進します。   50ページ このページは、白紙です。